36℃の経年優化

日々一歩一歩自然体で成長し、経年優化を実現するための奮闘ブログ

軍隊式昇進の条件

2016-05-28 10:24:42 | 読書

 近年管理職になりたくない人が増えていると言う話も聞きますが、
一般的には勤務経験を経るにつれ、チームを率いて
メンバーを介して成果を出すことが求められると思います。

 その時に難しいと思うのはどういう条件を満たせば、
チームのリーダーになれるのだろうかという点です。
いまだにOzaki自身もコレといった回答が出ていませんし、
リーダー(課長)になる前と後でどのくらい世界が変わるのか、
も現時点では想像がつきません。
リーダー職の見習い時期に入ったOzaki自身は

 自分自身が任された仕事を極力独力で処理する
 自分の仕事だけでなく後輩の育成や組織全体への貢献を心がける 
 上司に相談する場合にもできるだけ時間を使わせない
 上司に判断を仰ぐ場合には複数のオプションを理由と共に提案する
 上司の判断結果を踏まえて自分と異なる視点を意識する

といったことに取り組んでいます。
これが正しい方向性かどうか、は数年経ってみないとわかりませんが、
このコラムはOzaki自身を実験台にした奮闘記という位置づけですので、
ここに記録として残しておこうと思います。



 さて、Ozaki自身取り組みを進めているところではありますが、
読書の中で一つ参考になるな、と感じた記述がありました。
それは軍隊における昇格基準のお話。
軍隊にも大将から始まるヒエラルキーがあるのはご存じのとおり。
当然のことながらヒエラルキーを上れば上るほど、
率いる部下の数が増え、複雑な任務をこなすようになります。

 例えば少尉であれば10人程度のチームをまとめ、
その上位階級である中尉なら30人~50人程度の小隊を率い、
さらにその上位階級である大尉であれば150人程度の中隊を指揮します。

 より一般的な表現をするとすれば
少尉が係長、中尉が課長補佐、大尉が課長、というイメージでしょうか。
階級が上がっていくごとに権限の範囲も広がり、
部下の数も増えるということを捉えられるのではないかと思います。

 
 さて、その軍隊でどのように昇進する人を選んでいるかというと、
ある人の上司と同じ役割を果たせることを証明した人のみが
一つ上の階級にあがれるのだそうです。
つまり少尉の人は普段10人程度のチームを任されていますが、
ある時30人規模のチームを率いた任務を命じられ、その任務が
上手くいって初めて中尉昇格の候補になるのだそうです。

 これは、今の自分の役割を十分に果たしていればよいのではなく、
そのさらに上、上司の役割をこなせることを証明しなければ、
そもそも昇格の話すらでないということを意味しています。
良く考えてみれば当たり前ですが、軍隊の場合、
指揮官の判断ミスは即部下数十名の生死を左右します。
そしてそういった部隊が多く発生してしまった場合、
どんなに最高司令官が優秀でも戦果を挙げることはできません。
つまり軍隊においてはある役割を果たせることを証明してからでないと、
その役割を任せることはできないのは当然のことなのです。



 翻って我々が日々「戦っている」ビジネスの世界を考えてみましょう。
ビジネスにおいては、個々人の判断ミスがチームや課の「死」に
直結することはまずありえません。
多少の損失や受注機会の逸失はあるかもしれませんが、
誰かの命が失われたり、怪我をすることはまずないといっていいでしょう。

 また、ビジネスにおいては損失や失注はある程度織り込んだ上で
世界が構築されているのも軍隊とは大きく異なるところです。
チームリーダーや上司も一度や二度の失敗では降格はないでしょうし、
ベンチャー企業などでは、一旦降格をしたとしても、
しばらく経験を積んだ上での再昇格という話も比較的多いと聞きます。

 
 こうして比較してみるといかにビジネスの世界が甘い世界であり、
失敗から学ぶことができるようになっているかよくわかりますね。



 しかしながら、個々人のレベルに落とし込んでみると、
上司を十分に代替できる能力を目指す、
というのはわかりやすい目標かもしれません。
日々近くにいる上司の行動や判断をしっかりと観察し、
「生死」には影響しない状況でレベルアップを目指す。
実際に昇格できるかどうか、は保証できませんが、
軍隊式昇進の条件を踏まえれば、上司と同等の仕事ができている人が
まったく評価されないという話はないはずです。



 今の役職で十分にやっているはずなのに…
と評価されないことを嘆いている時間があれば、
任されている役職以上の能力があること、
上司の役割も十分に果たせますよ、ということを
示せるように能力を高めるべく努力したほうがよいのかもしれません。

「ジョコビッチのミスショット」

2016-05-21 09:28:50 | 意識を整える

 日曜日の夜11時頃、明日の天気をチェックして寝ようと
TVをつけたところ、ちょうどNHKでウインブルドンの男子決勝が
生中継されていました。
(この記事は2015年7月14日に配信したメルマガの一部です。
以下すべての記録やランキングは当時のものです)


 連覇を狙う世界ランク1位のジョコビッチ選手と
 ウインブルドン5連覇の記録を持つ世界ランク2位のフェデラー選手

お互いの持ち味を出しあっての素晴らしい勝負にしばらく時を忘れて
見入ってしまいました。

 高校生の頃テニスを習っていましたが、ここ最近はすっかりご無沙汰、
ましてTV中継などほとんど見た記憶がないのですが、
たまたまTVをつけた時にこの決勝戦を見ることができて
「いいものを見たなぁ」という気分になりました。



 さて、そのテニスの試合を見ていて一つのことに気づきました。
それは現在世界最高のテニスプレイヤーであり、
先の試合でもフェデラー選手を破り連覇を達成したジョコビッチ選手でも
ミスショットをしてしまうことがあるという事実です。

 
 そんなの当たり前だろ!

と突っ込まれる方はテニスやスポーツの難しさをよく御存じの方。
そうです、ミスは誰にだって起こりうるのです。
たとえそれが世界最高のプレイヤーだったとしても、
ネットにひっかけたり、コートをオーバーしたりといった
ミスショット(unforced error)は避けて通れないもの。
まして対戦相手のフェデラー選手が鋭いボールを厳しいコースに
打ち込んで来るのです。
そうそう簡単にノーミスでのプレーはできませんよね。

 
 中継を見ていて、決勝でのジョコビッチ選手は信じられないほど
ミスの数が少なかったので、勝つべくして勝ったと言えるでしょう。
しかし、ボールを打つときの態勢を崩された時は
必ずと言っていいほど、ボールをしっかりと打ち返すことができず、
ミスショットにつながっていました。

 ジョコビッチ選手ほどの選手であっても、しっかりとした姿勢で
ボールを捉えられなければ相手コートにいれることはできない、
尾崎が決勝戦の映像を見ていて気付いた事実の一つです。
テニスのボールを打つためには、ボールを打ちやすい場所に動き、
ラケットを的確なタイミングでボールめがけて振りぬく必要があります。

 ジョコビッチ選手のミスの仕方を見ていて気づいたのは、
多少ラケットとボールの接触の仕方が悪くても
コースの甘さに目をつぶれば相手コートに返せるのですが、
ボールが来る前にボールを打ちやすい場所に動ききれいていない場合は
相手コートにボールは入らないということでした。
テニスの場合、ボールを打つという行為よりも
ボールを打つための準備の方が大事なのではないか?と
考えさせられる気づきでした。



 そのままテニスの中継を見ながら考えたのですが、、
やり取りするのがボールではなく、言葉だったらどうでしょうか?
相手と丁々発止のやり取りをして、どちらかの主張、アイディアの
優れていたほうにポイントが入る、と仮定するとどうなるか。
これは仕事における交渉やプレゼンに置き換えられるのではないか、
とOzakiは感じたのです。

 深夜の思いつきなので、やや一足飛びのきらいはありますが、
相手がどういう鋭い反論、質問をリターンしてくるかわからない状況で、
自分なりにベストのボールを打ち返すと表現するとOzakiのイメージした
相似性が多少なりとも伝わるでしょうか?



 ジョコビッチ選手のミスショットを見るたびに、
ボールが来る前の動き=ボールを打つための準備動作、の重要性を
痛感していたのですが、テニスと仕事の相似性を踏まえると、
仕事においても交渉やプレゼンでは本番よりも事前の準備が大事なのだ、
ということに気づかされます。

 相手の出方や主張、性格、基本的な考え方、
相手がどうしても譲れないポイントに当日の相手の機嫌。
こういったことをすべて調べぬいて、その上で自分たちの主張を
相手に理解してもらい、できる限り自分たちの考え方に同調してもらう

 これが交渉の理想的な決着です。
この理想的な決着を目指しているにも関わらず、
なんら準備もせずに自分たちの主張だけまくしたてるのは
さながらボールを打てる態勢にないにも関わらず、
とりあえずラケットにボールを当てただけ、
という状況に近いかもしれません。

 こういった状態では

 相手が返せないボールを打つ(主張を飲ませる)、

 ことはおろか、

 相手が放ったボールにミスショットで応じざるをえない

 ことになってしまいます。

 
 ジョコビッチ選手のスーパーショットは事前の準備が整い、
最も力が伝わりやすいポジションに回り込んだ時に放たれます。
我々も仕事でスーパーショットを放つためには
華々しい交渉のやりとりやプレゼンそのものではなく、
そのひとつ前の動作である準備を大切にする必要がありそうです。
理想的な結果を得ようとするならば、事前の準備をしっかりと行い、
万全の態勢で相手側のボールを打ち返せるようにしたいですね。



朝からエンジン全開で仕事をする方法

2016-05-07 14:57:50 | 仕事術

 少し前からOzakiが所属する部内で1年目~4年目の若手に向けた
簡単な勉強会の講師役を務めています。
主として業務の効率化、若手であっても
仕事が速く、的確にできるようになるために

 こういった工夫ができますよ、
 こんなことを意識しながら仕事するとよいですよ、
 ここだけは絶対に押さえましょう

といった仕事の「ツボ」を順次説明するつもりです。

 部の上司や先輩からは(講義内容の議事録を見て)
好評をいただいているようなので、
毎週一回ではありますが、Ozakiがこれまで学んだことを
できるだけ噛み砕いて伝えられればと思います。



 今回のコラムはそういった背景も踏まえて、
極めて「短期的な学び」である使える小技をご紹介します。
タイトルにもある通り、朝一番、席についた瞬間から
その日一日、全力で仕事を始められるようになる、
ちょっとしたテクニックをご紹介します。

 そのテクニックとは、小さなことでもよいので、
前日に仕込んでおいた作業の続きを朝一番で仕上げ、
to do リストからその作業を消すこと。

 例えば

 昨日あえて返信しなかった優先度の低いメールを返信する
 会議当日下書きをした議事録を上司が来る前に机に置いて確認を求める
 前日までに準備した会議資料を確認して印刷する

といった程度のもの。

 これを朝一番、できれば始業時間前か始業時間とほぼ同時に
終わらせて、その日のタスクリストからも消してしまうのです。
手書きでto doリストを書いている方であれば、
勢いよく、作業項目に二重線を引くというのもよいかもしれません。
Ozaki自身も仕事が立て込んでいる時にこのテクニックをしばしば使います。



 なぜ、この方法がよいかというと、
たとえ小さな作業完了であったとしても、れっきとした「実績」を作ると
自然と気持ちが乗ってくるからです。
同時に、to doリストとは別の言葉で表現すれば、
自分が自分に課した指示メモであり、自分との約束メモでもあります。
人間の傾向として、約束を守れば守るほど、
その人への信頼が増し、より重要な約束も任せることができるもの。
また、約束した側は約束を果たすことによって、
相手から信頼されれば、次も信頼に応えようという気持ちが働きますよね。



 これは相手が自分であっても同じはずだとOzakiは考えています。
つまり、朝一番、始業と同時に自分との約束を一つ守ることができれば、
自分自身がその日の自分を信じることができるようになります。
そうすれば残っている比較的大きな約束についても
自分の信頼に応えるべく、さらに集中してタスクをこなせるのです。

 
 一見すると昨日できたはずのことをあえて翌朝まで寝かしている、
という構図になっているので、「先送り」に見えるかもしれません。
しかしながら、朝から夕方まで常に集中して、ミスなく業務を
行える人間はまずいないはずです。
であれば、なおさら集中力が切れつつある夕方に
業務を詰め込むよりは、一旦翌日の朝に持ちこして、
新鮮な気持ちで資料やメールを見直した上でアクションを取った方が
ミスが少なくなると思いませんか?
その上で、その後に続く仕事にも気合の乗った状態で取り組めるとしたら、
まさに「ほんのちょっとの工夫」で業務が効率化する一つの方法である、
と言えるのではないかと思います。



 前回までお話したように、こういったコツは多く身に着けたとしても
人間性の涵養に大きく貢献するものではないのですが、
目の前の仕事の効率を上げるという短期的な課題には
役に立つものと言えますね。

 みなさんももし、類似の工夫があればぜひともOzakiに教えてください。