建築販売会社の経理
建築販売会社の経理における、管理手法は工事業者への支払い管理、契約顧客の入金管理、
契約顧客のローン代行や登記手続き等による、
精算管理など、違った角度から多岐にわたります。
例えばクリントンさん、ケネディさんがお客とし、建築の完成には、
ニクソンビルダー、ブッシュビルダーがそれぞれ専門の工事業者であるとしますと、
最低下記のような管理が必要になります。
1)上記をお客の一人クリントンを中心にみた場合、
工事の関係はニクソンビルダー、ブッシュビルダーの工事業者が入り
仕事をするわけですから、入金は一人ですが、支払は2業者の関係になります。
2) 又上記をニクソンビルダー業者を中心に見ると、
業者がクリントン、ケネディ、のお客の仕事をすることになりますので、
この場合はニクソン一社への支払と二人の顧客の入金の関係となります
3) その他にクリントン・ケネディのお客の代行手続き等による、
お客の預り金の精算、会社の立替金の精算、追加工事等の精算が必要になります。
上記1) はお客の工事原価管理に必要になり、2)は業者の支払い管理に必要になり、
3)はお客に物件の引渡しの際最終精算として必要になります。
これらを管理するために、
コンピューターの普及していない頃は工事カードを作成し対応していました。
工事カードには、
①顧客名と建築現場関係の情報
(確認申請代行料入金後工事カードとすることが多いようです。---受注残管理にも使える)
②請負工事金額の入金状況一覧、
③業者発注金額の支払状況一覧
④別途工事請負額の入金支払状況一覧
⑤預かり、立替金の精算状況一覧
等カード裏・表を使って管理します。
カードの管理方法は、契約日順だったり、着工したものと、
未着工のものと分けて管理したり、顧客名順だったり、
各社で何の管理に重きを置くかによって状況が違います。
現在はコンピューターがほとんどやってくれますが、
ソフトを導入する時、管理方法を十分、検討準備し導入しないと、
従来の手作業と同じような、苦労をすることになります。
例えば入力の際に工事をお客名だけで入力していったら業者名が抜けますので、
業者管理は別に行わなければなりません。
上記のケースをデータベースで管理する場合お客名、業者名は最低限必須になりますが、
工事業者については着工時点で建設関係が決めますので後からの入力になります。
又登記料の立替金等も司法書士の誰それさんに支払うのだからといって、お客名を入力せず、
司法書士名で入力したら、誰のお客の立替かわからなくなり、
不明の立替金の科目が残ることになります。
最近は入力業務だけをやっている人が多数いますので、
入力前に基準をしっかりしておく必要があります。
会計基準通り、勘定科目を設定していくとかなり多くの勘定科目に、
お客や、工事関係の債権・債務がバラけると思いますので、
コンピューター導入の際、検索や、ソフトの機能を充分に検討する必要があると感じます。
◎建築顧客関係の勘定科目例
①完成工事未収入金・・・・・・顧客に売上を計上したが、まだ入金してない未回収額
②立替金・・・・・司法書士等に顧客の登記料等を会社が立替えた代金
③工事立替金・・・・・・建築工事進行中にお客から契約工事以外の注文を受けた代金
(これは工務課員の質等により、サービス工事(追加原価)になったり、売上げになったりする)
④未成工事受入金・・・・ローン等が代理受領で、過入金になるケース等がある。これはお客に返却する
⑤預り金・・・・お客より登記料等として預かり、まだ未清算の額
⑥工事未払金・・・・工事立替金の逆のケース、顧客から注文等受け工事をしたが、
まだ業者に支払っていない等の額
⑦受取手数料・・・・顧客の確認申請を代行して行う手数料等の額
⑧その他・・・・入金不明の分を仮受で処理している、
支払明細がわからず仮払いになっている額等がある。
◎その他がなく、すべてルール通り仕訳が済めば問題ないのであるが、そうはいかず、
たくさんの顧客の消しこみに難航することが多い
会計関係であとから精算処理する場合、過去一番困ったのは、
登記料やローン手数料等の入金が預り金として、
反対に司法書士やローン金融機関等に支払ったものが立替金として、両建てで多数残っている場合です。
立替金のほうは摘要に支払先名しか表示していないことが多く、
預り金は摘要が顧客名で表示しているので、
なかなか照合が難しく、その勘定科目が未精算で膨らんでゆきます。
それに加えて、分譲販売(建売)やマンションの販売や仲介等が含まれると、
顧客間の土地建物の原価計算による在庫計上、
固定資産税の精算等でもっと複雑で細かい作業が多くなります。
この解消のためには、会計の勘定科目にこだわらず、
例えば、司法書士関係であれば、登記料預り金の科目を作りそこで、
入金も支払も顧客名ですべて処理し顧客別に消しこみ、
残額の明細を決算期のときに下記◎のように処理をするのも一つの方法かと思います。
◎顧客の登記がまだで未払いのものは、登記料預り金として、
又まだ顧客から登記料を預かっていないか、
預り金をオーバーして司法書士に支払った場合は登記料立替金に、それぞれ振り替えます。
※会計監査部門に何年か所属したことがありました。その時感じたことですが、
決算書では、その会社の実態は殆ど把握出来ないということと、
又勘定科目を精査しただけでも、難しいと思いました。
その企業の業務の内容やその流れ、
決算までの過程を把握(業務監査)しないと実態は見えないようです。
例えば、経営者等の仮払金等が多額にあったとします。
これを隠すために未払金/仮払金という相殺仕訳をしたらどうでしょう?
決算書には経営者等の仮払金は表記されません。
そして、翌期首に仮払金/未払金と再度反対仕訳すれば通常通りです。
もっともこれは勘定科目精査で分かりますが、経理も会計士もたいへんですね
(自分で経験あるでしょう?はー私には関係ありません貧乏ですから?
そういう問題と違うだろう!)。
建築販売の会計は主に勘定科目が商業・製造業等と違いますが
基本的会計制度はあまり変わりありません。
建設業会計の勘定科目を製造業と比較すると、
製造業科目 建設業科目
売上…………………完成工事高
売上原価……………完成工事原価
仕掛品(製造)……・・未成工事支出金
売掛金………………完成工事未収入金
前受金………………未成工事受入金
買掛金………………工事未払金
製造経費……………(工事)経費
等
◎建築販売の主な仕訳は下記の通りです。
①工事代入金処理の仕訳
現預金/未成工事受入金
②工事代金の支払の仕訳
未成工事支出金/現預金
③顧客からの、登記料等預り金の受入の仕訳
現預金/登記料等預り金
④登記料等預り金の支出の仕訳
登記料等立替金/現預金
⑤相殺仕訳
登記料等預り金/登記料等立替金
⑥建築完成時の売上げの仕訳(お客の建物引取書で計上---引渡し基準)
未成工事受入金/完成工事高。
完成工事原価/未成工事支出金となります。
※これが仲介業になると、建物売却客と建物購入客との精算業務が入り、
お金の出し入れをすべて会社を通すと、結構大変な処理になると思います。
ある土地販売や仲介業を行う不動産会社で、今まで色々資金繰りで苦しんだせいか、
毎日資金状況が知りたいというオーナーがいました。
それで、資金の日計表というものを、パソコンのエクセルで作りその中には、
当日の現金の入金・出金の一覧明細と預金の入金・出金の一覧明細をそれぞれ記入する欄があり
その横に各銀行の預金残高を記載するようになっていて、
その日の現預金残高が自動的に算出されるようになっていました。
現金は毎日確認していますし、預金については、週に何度か銀行で記帳し、
会社帳簿に未記帳の預金は、入出金を仕訳起票し、銀行残高も確認します、
そして銀行印はオーナーが持っています。オーナー以外お金を抜きたくても抜けないシステムです。
もっと厳密にやるとすれば、現金を時々別の人が確認(交互牽制)しないといけません。
信頼関係の問題もありますが、そこまでやっておけば、
問題があったとき、経理の担当はいやな思いをしなくてすみます。
それを毎日オーナーに書類で提出するのです。
お金を自由に使える人は権限のある人だけですよね?
その会社で最初は余り仲介はやっていなかったのですが、
あるとき営業マンが仲介の際契約金を、買主より預かり、会社で預り金として入金処理をしました。
翌々日に物件の仲介の契約金で必要になり、引き出すため、オーナーに話しをしたら、
何故入金したお金が全額出て行くのか?何かおかしいと言うのです。
多分仲介料が残るとか、利益分は残るとかし、全額出るのはおかいしいと思われたのでしょう。
契約金の時は全額お金が必要なのですが、そういうことが何回か続きました。
それで、私も一人で50名近くの営業マン(何せその会社では、総務経理で男一人に女一人です)の
手足として動ける訳ではないし、仲介担当には申し訳ないが、
なるべくお客からお金を預からないようにとお願いし、
仲介は仲介料だけ会社に入れるように話しました。現実にはむつかしいと思いますが。
そしてある営業マンがお客の預り金が精算できず、
使い込みということで、会社を首になる事件がおきました。
もちろん本人が悪いのですが、もし帳簿を記帳し、
精算業務する人間がいたら違ったかな?と思いました。
何故なら、賃貸入居マンションの売買(オーナーチェンジ)の
仲介の精算業務には下記のようなことがあります。
○買主、売主との売買代金の精算。
○買主、売主との引渡し日を基準とする、固定資産税の負担の計算
○買主、売主との引渡し日を基準とする、管理費・修繕費の計算
○売主から買主への敷金の引継ぎ
○買主への所有権」移転登記の登記料の計算
○司法書士に移転登記に必要な書類と登記料の支払、等
これを、売主・買主から預かったり、支払ったり、相殺したり、
又司法書士やマンションの管理組合等に支払ったり、相殺ししたりして精算します。
そのほかに役所関係、マンション管理組合等への確認作業もあります。
不動産の経理業務に余りくわしくない人は、8件も仲介業務を抱えてしまうと、
帳簿でもつけていない限り、わけが分からなくなってしまいます。
また、お金が無いところからは盗み等、滅多におきませんが、不動産取引の場合、
大きな金額のやり取りを扱いますので、魔がさすことも十分あり得ます
(人手不足ですみませんでした!)。
※建設業会計の工事進行基準について
現行制度会計における収益認識原則である「実現主義」とは、
(商品または役務の提供とそれに対する対価の受け取りを収益の実現要件とするもので、
その採用根拠は制度会計上、利益には処分可能性が考慮されなければならないため、
収益を実現の時点で認識することとすれば、
販売の事実によって貨幣性資産の裏付けのある収益を認識することとなり、
結果としてそこからもたらされる利益にも処分可能性が確保されるためです。)
学問上書くと難しくなりますが、要するに物を売ったという事実が認識され実現したら、
その対価として利益も含んだお金を貰えるはずだから、売上を計上しなさいという考えです。
◎建築の工期の短い戸建建築販売の場合は、大体お客への引渡し基準を採用しています。
それに対して「工事進行基準」とは、
{工事の完成度合いに応じて収益を見積もり計上していくというもので、
「発生主義」的に収益を認識していく会計処理方法といえます。
つまり「工事進行基準」とは今日の制度会計における収益認識原則たる
「実現主義」の範疇から外れる例外的な収益認識方法といえます。
このように今日の制度会計における収益認識原則である「実現主義」の例外として
長期請負工事について「発生主義」が認められているのは、
長期請負工事については、契約によってあらかじめ収益の獲得が保証
(そうとは限らないと思いますが?)されているため、
工事の完成引渡しの時点まで収益の認識を繰延べなくとも、
そこから計算される利益に処分可能性が十分確保
(そうとは限らないと思いますが?)されると考えられるためです。}
これについて言っていることが理解しにくいかも知れませんが、
日本の決算制度は大半が1年決算を前提として、銀行融資や株式発行等により資金調達し、
経済活動をしたり、税金を納めたり等で、動いています。
何年もの長期建設を要する、開発業者や建売分譲業者はどうするのでしょうか?分
譲物件が一つの場合、何年もの間経費等支出だけで、収益は完成までなく、
完成販売まで3年かかるとすれば、3年間毎年赤字決算となります。
通常では、そんな赤字会社どこも相手にしてくれません。
資金調達もままなりませんから、普通の中小企業ではすぐに潰れてしまいます。
大金持ちの大企業しか、開発分譲は出来ないことになります。
今の土地開発から手がけている中小開発専門業者の決算方法はよく知りませんが、
よくもまー潰れないでやっていると思います。
不思議です、土地転がしでもしていますか?それとも外資ファイナンスや証券化融資?
それとも金融機関による迂回融資?いずれにしろ健全な感じではないようです。
そのため「工事進行基準」制度が導入されたのかどうかはわかりませんが、
長期建設の発生主義(工事進行基準等)には多少問題があるように思います。
前記の例で言えば、3年で完成する物件に対し、現行1年決算制度で行われている、
銀行融資や上場による株主などからの資金調達方法に準じ、
「工事進行基準」で決算をするとなると、
銀行、株主、取引業者(債権者)、顧客等に投資や信用してもらうために、
魅力ある決算内容を見せる必要があります。
その為、景気動向等から工事が実現して販売して、はじめて分かるはずの決算内容を、
企業が「工事進行基準」等によって、決算手続きを歪めやすい環境になります。
分かり易く言えば。バラ色に改ざんしやすい環境(粉飾)をわざわざ作っているような気がします。
また勘ぐりすぎかもしれませんが、国税局の発生主義(工事進行基準等)の採用は
税制にとっては、早めに収益を計上してもらい、税金を多く納めてもらうことにつながりますから
前にもお話しした通り、計上には大賛成で、税金をもらえるため、粉飾には甘くなります。
もし対外的上場基準や投資家を考慮にいれないとすれば、
会社としては税金を効率よく納めたいわけですから、工事完成が3年かかるとすれば、
3年後に工事が全部完成したときに売上げを計上すれば、
3年目で税金が確定するわけです(今まで実現していませんからね)。
しかしそれでは困る、請負契約もあり、入金も一部あるので、
売上げ計上しなさいというのが、今の1年決算の経済制度や税制の考えのようです。
開発分譲は会計制度の保守主義の原則から言えば、
完成引渡しで利益を計上するのが一番安全ですし、理にかなっていると思います。
しかし現日本の経済活動においては長期会計制度
(どこの国の資本主義もそのようですが)がありません。
長期会計制度を検討してほしい面は建設の部分だけでなく、
開発土地の取得から完了までの部分も必要だとおもいます(建設の場合工事進行基準等はありますが、
もっと期間がかかる土地からの分譲開発にはありません)。
又顧客が共同で土地をまとめて取得し家を建築する場合、
この土地から建築完成までの住宅融資制度もありません。
住宅ローンといった場合、文字通り住宅建築からになります。
規制緩和をし、皆が自由に起業できるようにと言っておきながら、
現実には資本金規制や業法規制、資格等で、少ない資本で、
開発分譲の分野で起業することは大変難しく(殆ど無理)なっています。
ほかも多かれ少なかれ新規参入は難しく、大資本家に優位になっていると思われます。
建築業界で言えば、前にも述べた通り、新規に開発分譲の仕事を始めるとしたら、
大規模になるほど役所の手続きも複雑になり
、完成まで長い年月(10年以上かかるものもある。)がかかり、経費は支出されますが、
収入は完成するまででありません。その為資金がすぐに不足します。
そしてその企業は1年決算のために他に収益がなければ、
土地転がし等で1年を生き延びるような不健全な会計を強いられている(粉飾等)ような気がします。
これで本当の規制緩和、一人会社、民間活性化なのでしょうか?
もっとも開発分譲は資金力のあるところだけで、中小はやってはいけないというのであれば別ですが?
それは民間の活性化ではなく、資本力のある、独占資本しかできなくなり、
独占禁止法も意味のない制度になると思いますが?
それとも貧乏人が起業するなら、
ホリエモンや村上被告のように実態のないマネーゲームの一発勝負の詐欺か、
100円ショップ(100円ショップを引き合いにだしてすみません、
ただ扱う資金の落差を言いたかっただけです。)の個人商店でもやれというのでしょうか?
今の近代政治?はマネーゲーム中心でよく理解できません。
※ネバダ・レポートについて
出所は不明ですがネバダ・レポートというものがあります。
下記の内容です。現状の800兆円借金国の日本の財政破綻を見越して、
IMF(国際通貨基金)が、日本再建プログラムをネバダ・レポートとして、
作成したといわれています。内容は下記の通りです
① 公務員(国会議員含む)の総数の30%カット、及び給料30%のカット、ボーナス全てカット
② 公務員の退職金は100%すべてカット
③ 年金は一律30%カット、
④ 国債の利払いは、5~10年間停止
⑤ 消費税を20%に引き上げ
⑥ 所得税の課税最低限を年収100万円まで引き下げ
⑦ 資産税を導入して不動産には公示価格の5%を課税、
債権・社債については5~15%の課税、株式は取得金額の1%を 課税。
⑧ 預金は一律1000万以上のペイオフを実施し、
第2段階として預金額を30%~40%財産税として没収する。
いいたい放題の内容ですが、
IMFから資金供与を受けてIMF管理下に入れば、
借金の返済が最優先課題とされ、公共部門が大幅に削減されるのだそうです。
日本の国会議員や公務員が、自分の身に降りかからないことは、実行するかもしれませんが、
自ら上記のような自分の首を絞めるようなことをするとは思えません。
だからIMFの力を借りてやろうという案です。
国会でもとりあげられ、議論になりました。
IMFの最大出資負担国はアメリカです。アメリカは国連分担金など二の次で、
IMFの支配権(お金の権力)だけは確保しています。
世界の投資証券市場は世界のGDPの4倍以上の約200兆ドルといわれています、
その実体のないバブルの大部分がドル本位制で動いていています。
つまりこのネバダ・レポートはアメリカが作ったとも考えられます。
しかし日本にはアメリカに物が言える政治家は今のところ見当たりません。
自分たち(主に日本の政治家と大蔵官僚)で作った借金国だから仕方ありませんが、
アメリカにまた金融でも敗戦するのでしょうか?
もっとも、自身過剰気味のアメリカの方が、先に破綻するかもしれませんが?
建築販売会社の経理における、管理手法は工事業者への支払い管理、契約顧客の入金管理、
契約顧客のローン代行や登記手続き等による、
精算管理など、違った角度から多岐にわたります。
例えばクリントンさん、ケネディさんがお客とし、建築の完成には、
ニクソンビルダー、ブッシュビルダーがそれぞれ専門の工事業者であるとしますと、
最低下記のような管理が必要になります。
1)上記をお客の一人クリントンを中心にみた場合、
工事の関係はニクソンビルダー、ブッシュビルダーの工事業者が入り
仕事をするわけですから、入金は一人ですが、支払は2業者の関係になります。
2) 又上記をニクソンビルダー業者を中心に見ると、
業者がクリントン、ケネディ、のお客の仕事をすることになりますので、
この場合はニクソン一社への支払と二人の顧客の入金の関係となります
3) その他にクリントン・ケネディのお客の代行手続き等による、
お客の預り金の精算、会社の立替金の精算、追加工事等の精算が必要になります。
上記1) はお客の工事原価管理に必要になり、2)は業者の支払い管理に必要になり、
3)はお客に物件の引渡しの際最終精算として必要になります。
これらを管理するために、
コンピューターの普及していない頃は工事カードを作成し対応していました。
工事カードには、
①顧客名と建築現場関係の情報
(確認申請代行料入金後工事カードとすることが多いようです。---受注残管理にも使える)
②請負工事金額の入金状況一覧、
③業者発注金額の支払状況一覧
④別途工事請負額の入金支払状況一覧
⑤預かり、立替金の精算状況一覧
等カード裏・表を使って管理します。
カードの管理方法は、契約日順だったり、着工したものと、
未着工のものと分けて管理したり、顧客名順だったり、
各社で何の管理に重きを置くかによって状況が違います。
現在はコンピューターがほとんどやってくれますが、
ソフトを導入する時、管理方法を十分、検討準備し導入しないと、
従来の手作業と同じような、苦労をすることになります。
例えば入力の際に工事をお客名だけで入力していったら業者名が抜けますので、
業者管理は別に行わなければなりません。
上記のケースをデータベースで管理する場合お客名、業者名は最低限必須になりますが、
工事業者については着工時点で建設関係が決めますので後からの入力になります。
又登記料の立替金等も司法書士の誰それさんに支払うのだからといって、お客名を入力せず、
司法書士名で入力したら、誰のお客の立替かわからなくなり、
不明の立替金の科目が残ることになります。
最近は入力業務だけをやっている人が多数いますので、
入力前に基準をしっかりしておく必要があります。
会計基準通り、勘定科目を設定していくとかなり多くの勘定科目に、
お客や、工事関係の債権・債務がバラけると思いますので、
コンピューター導入の際、検索や、ソフトの機能を充分に検討する必要があると感じます。
◎建築顧客関係の勘定科目例
①完成工事未収入金・・・・・・顧客に売上を計上したが、まだ入金してない未回収額
②立替金・・・・・司法書士等に顧客の登記料等を会社が立替えた代金
③工事立替金・・・・・・建築工事進行中にお客から契約工事以外の注文を受けた代金
(これは工務課員の質等により、サービス工事(追加原価)になったり、売上げになったりする)
④未成工事受入金・・・・ローン等が代理受領で、過入金になるケース等がある。これはお客に返却する
⑤預り金・・・・お客より登記料等として預かり、まだ未清算の額
⑥工事未払金・・・・工事立替金の逆のケース、顧客から注文等受け工事をしたが、
まだ業者に支払っていない等の額
⑦受取手数料・・・・顧客の確認申請を代行して行う手数料等の額
⑧その他・・・・入金不明の分を仮受で処理している、
支払明細がわからず仮払いになっている額等がある。
◎その他がなく、すべてルール通り仕訳が済めば問題ないのであるが、そうはいかず、
たくさんの顧客の消しこみに難航することが多い
会計関係であとから精算処理する場合、過去一番困ったのは、
登記料やローン手数料等の入金が預り金として、
反対に司法書士やローン金融機関等に支払ったものが立替金として、両建てで多数残っている場合です。
立替金のほうは摘要に支払先名しか表示していないことが多く、
預り金は摘要が顧客名で表示しているので、
なかなか照合が難しく、その勘定科目が未精算で膨らんでゆきます。
それに加えて、分譲販売(建売)やマンションの販売や仲介等が含まれると、
顧客間の土地建物の原価計算による在庫計上、
固定資産税の精算等でもっと複雑で細かい作業が多くなります。
この解消のためには、会計の勘定科目にこだわらず、
例えば、司法書士関係であれば、登記料預り金の科目を作りそこで、
入金も支払も顧客名ですべて処理し顧客別に消しこみ、
残額の明細を決算期のときに下記◎のように処理をするのも一つの方法かと思います。
◎顧客の登記がまだで未払いのものは、登記料預り金として、
又まだ顧客から登記料を預かっていないか、
預り金をオーバーして司法書士に支払った場合は登記料立替金に、それぞれ振り替えます。
※会計監査部門に何年か所属したことがありました。その時感じたことですが、
決算書では、その会社の実態は殆ど把握出来ないということと、
又勘定科目を精査しただけでも、難しいと思いました。
その企業の業務の内容やその流れ、
決算までの過程を把握(業務監査)しないと実態は見えないようです。
例えば、経営者等の仮払金等が多額にあったとします。
これを隠すために未払金/仮払金という相殺仕訳をしたらどうでしょう?
決算書には経営者等の仮払金は表記されません。
そして、翌期首に仮払金/未払金と再度反対仕訳すれば通常通りです。
もっともこれは勘定科目精査で分かりますが、経理も会計士もたいへんですね
(自分で経験あるでしょう?はー私には関係ありません貧乏ですから?
そういう問題と違うだろう!)。
建築販売の会計は主に勘定科目が商業・製造業等と違いますが
基本的会計制度はあまり変わりありません。
建設業会計の勘定科目を製造業と比較すると、
製造業科目 建設業科目
売上…………………完成工事高
売上原価……………完成工事原価
仕掛品(製造)……・・未成工事支出金
売掛金………………完成工事未収入金
前受金………………未成工事受入金
買掛金………………工事未払金
製造経費……………(工事)経費
等
◎建築販売の主な仕訳は下記の通りです。
①工事代入金処理の仕訳
現預金/未成工事受入金
②工事代金の支払の仕訳
未成工事支出金/現預金
③顧客からの、登記料等預り金の受入の仕訳
現預金/登記料等預り金
④登記料等預り金の支出の仕訳
登記料等立替金/現預金
⑤相殺仕訳
登記料等預り金/登記料等立替金
⑥建築完成時の売上げの仕訳(お客の建物引取書で計上---引渡し基準)
未成工事受入金/完成工事高。
完成工事原価/未成工事支出金となります。
※これが仲介業になると、建物売却客と建物購入客との精算業務が入り、
お金の出し入れをすべて会社を通すと、結構大変な処理になると思います。
ある土地販売や仲介業を行う不動産会社で、今まで色々資金繰りで苦しんだせいか、
毎日資金状況が知りたいというオーナーがいました。
それで、資金の日計表というものを、パソコンのエクセルで作りその中には、
当日の現金の入金・出金の一覧明細と預金の入金・出金の一覧明細をそれぞれ記入する欄があり
その横に各銀行の預金残高を記載するようになっていて、
その日の現預金残高が自動的に算出されるようになっていました。
現金は毎日確認していますし、預金については、週に何度か銀行で記帳し、
会社帳簿に未記帳の預金は、入出金を仕訳起票し、銀行残高も確認します、
そして銀行印はオーナーが持っています。オーナー以外お金を抜きたくても抜けないシステムです。
もっと厳密にやるとすれば、現金を時々別の人が確認(交互牽制)しないといけません。
信頼関係の問題もありますが、そこまでやっておけば、
問題があったとき、経理の担当はいやな思いをしなくてすみます。
それを毎日オーナーに書類で提出するのです。
お金を自由に使える人は権限のある人だけですよね?
その会社で最初は余り仲介はやっていなかったのですが、
あるとき営業マンが仲介の際契約金を、買主より預かり、会社で預り金として入金処理をしました。
翌々日に物件の仲介の契約金で必要になり、引き出すため、オーナーに話しをしたら、
何故入金したお金が全額出て行くのか?何かおかしいと言うのです。
多分仲介料が残るとか、利益分は残るとかし、全額出るのはおかいしいと思われたのでしょう。
契約金の時は全額お金が必要なのですが、そういうことが何回か続きました。
それで、私も一人で50名近くの営業マン(何せその会社では、総務経理で男一人に女一人です)の
手足として動ける訳ではないし、仲介担当には申し訳ないが、
なるべくお客からお金を預からないようにとお願いし、
仲介は仲介料だけ会社に入れるように話しました。現実にはむつかしいと思いますが。
そしてある営業マンがお客の預り金が精算できず、
使い込みということで、会社を首になる事件がおきました。
もちろん本人が悪いのですが、もし帳簿を記帳し、
精算業務する人間がいたら違ったかな?と思いました。
何故なら、賃貸入居マンションの売買(オーナーチェンジ)の
仲介の精算業務には下記のようなことがあります。
○買主、売主との売買代金の精算。
○買主、売主との引渡し日を基準とする、固定資産税の負担の計算
○買主、売主との引渡し日を基準とする、管理費・修繕費の計算
○売主から買主への敷金の引継ぎ
○買主への所有権」移転登記の登記料の計算
○司法書士に移転登記に必要な書類と登記料の支払、等
これを、売主・買主から預かったり、支払ったり、相殺したり、
又司法書士やマンションの管理組合等に支払ったり、相殺ししたりして精算します。
そのほかに役所関係、マンション管理組合等への確認作業もあります。
不動産の経理業務に余りくわしくない人は、8件も仲介業務を抱えてしまうと、
帳簿でもつけていない限り、わけが分からなくなってしまいます。
また、お金が無いところからは盗み等、滅多におきませんが、不動産取引の場合、
大きな金額のやり取りを扱いますので、魔がさすことも十分あり得ます
(人手不足ですみませんでした!)。
※建設業会計の工事進行基準について
現行制度会計における収益認識原則である「実現主義」とは、
(商品または役務の提供とそれに対する対価の受け取りを収益の実現要件とするもので、
その採用根拠は制度会計上、利益には処分可能性が考慮されなければならないため、
収益を実現の時点で認識することとすれば、
販売の事実によって貨幣性資産の裏付けのある収益を認識することとなり、
結果としてそこからもたらされる利益にも処分可能性が確保されるためです。)
学問上書くと難しくなりますが、要するに物を売ったという事実が認識され実現したら、
その対価として利益も含んだお金を貰えるはずだから、売上を計上しなさいという考えです。
◎建築の工期の短い戸建建築販売の場合は、大体お客への引渡し基準を採用しています。
それに対して「工事進行基準」とは、
{工事の完成度合いに応じて収益を見積もり計上していくというもので、
「発生主義」的に収益を認識していく会計処理方法といえます。
つまり「工事進行基準」とは今日の制度会計における収益認識原則たる
「実現主義」の範疇から外れる例外的な収益認識方法といえます。
このように今日の制度会計における収益認識原則である「実現主義」の例外として
長期請負工事について「発生主義」が認められているのは、
長期請負工事については、契約によってあらかじめ収益の獲得が保証
(そうとは限らないと思いますが?)されているため、
工事の完成引渡しの時点まで収益の認識を繰延べなくとも、
そこから計算される利益に処分可能性が十分確保
(そうとは限らないと思いますが?)されると考えられるためです。}
これについて言っていることが理解しにくいかも知れませんが、
日本の決算制度は大半が1年決算を前提として、銀行融資や株式発行等により資金調達し、
経済活動をしたり、税金を納めたり等で、動いています。
何年もの長期建設を要する、開発業者や建売分譲業者はどうするのでしょうか?分
譲物件が一つの場合、何年もの間経費等支出だけで、収益は完成までなく、
完成販売まで3年かかるとすれば、3年間毎年赤字決算となります。
通常では、そんな赤字会社どこも相手にしてくれません。
資金調達もままなりませんから、普通の中小企業ではすぐに潰れてしまいます。
大金持ちの大企業しか、開発分譲は出来ないことになります。
今の土地開発から手がけている中小開発専門業者の決算方法はよく知りませんが、
よくもまー潰れないでやっていると思います。
不思議です、土地転がしでもしていますか?それとも外資ファイナンスや証券化融資?
それとも金融機関による迂回融資?いずれにしろ健全な感じではないようです。
そのため「工事進行基準」制度が導入されたのかどうかはわかりませんが、
長期建設の発生主義(工事進行基準等)には多少問題があるように思います。
前記の例で言えば、3年で完成する物件に対し、現行1年決算制度で行われている、
銀行融資や上場による株主などからの資金調達方法に準じ、
「工事進行基準」で決算をするとなると、
銀行、株主、取引業者(債権者)、顧客等に投資や信用してもらうために、
魅力ある決算内容を見せる必要があります。
その為、景気動向等から工事が実現して販売して、はじめて分かるはずの決算内容を、
企業が「工事進行基準」等によって、決算手続きを歪めやすい環境になります。
分かり易く言えば。バラ色に改ざんしやすい環境(粉飾)をわざわざ作っているような気がします。
また勘ぐりすぎかもしれませんが、国税局の発生主義(工事進行基準等)の採用は
税制にとっては、早めに収益を計上してもらい、税金を多く納めてもらうことにつながりますから
前にもお話しした通り、計上には大賛成で、税金をもらえるため、粉飾には甘くなります。
もし対外的上場基準や投資家を考慮にいれないとすれば、
会社としては税金を効率よく納めたいわけですから、工事完成が3年かかるとすれば、
3年後に工事が全部完成したときに売上げを計上すれば、
3年目で税金が確定するわけです(今まで実現していませんからね)。
しかしそれでは困る、請負契約もあり、入金も一部あるので、
売上げ計上しなさいというのが、今の1年決算の経済制度や税制の考えのようです。
開発分譲は会計制度の保守主義の原則から言えば、
完成引渡しで利益を計上するのが一番安全ですし、理にかなっていると思います。
しかし現日本の経済活動においては長期会計制度
(どこの国の資本主義もそのようですが)がありません。
長期会計制度を検討してほしい面は建設の部分だけでなく、
開発土地の取得から完了までの部分も必要だとおもいます(建設の場合工事進行基準等はありますが、
もっと期間がかかる土地からの分譲開発にはありません)。
又顧客が共同で土地をまとめて取得し家を建築する場合、
この土地から建築完成までの住宅融資制度もありません。
住宅ローンといった場合、文字通り住宅建築からになります。
規制緩和をし、皆が自由に起業できるようにと言っておきながら、
現実には資本金規制や業法規制、資格等で、少ない資本で、
開発分譲の分野で起業することは大変難しく(殆ど無理)なっています。
ほかも多かれ少なかれ新規参入は難しく、大資本家に優位になっていると思われます。
建築業界で言えば、前にも述べた通り、新規に開発分譲の仕事を始めるとしたら、
大規模になるほど役所の手続きも複雑になり
、完成まで長い年月(10年以上かかるものもある。)がかかり、経費は支出されますが、
収入は完成するまででありません。その為資金がすぐに不足します。
そしてその企業は1年決算のために他に収益がなければ、
土地転がし等で1年を生き延びるような不健全な会計を強いられている(粉飾等)ような気がします。
これで本当の規制緩和、一人会社、民間活性化なのでしょうか?
もっとも開発分譲は資金力のあるところだけで、中小はやってはいけないというのであれば別ですが?
それは民間の活性化ではなく、資本力のある、独占資本しかできなくなり、
独占禁止法も意味のない制度になると思いますが?
それとも貧乏人が起業するなら、
ホリエモンや村上被告のように実態のないマネーゲームの一発勝負の詐欺か、
100円ショップ(100円ショップを引き合いにだしてすみません、
ただ扱う資金の落差を言いたかっただけです。)の個人商店でもやれというのでしょうか?
今の近代政治?はマネーゲーム中心でよく理解できません。
※ネバダ・レポートについて
出所は不明ですがネバダ・レポートというものがあります。
下記の内容です。現状の800兆円借金国の日本の財政破綻を見越して、
IMF(国際通貨基金)が、日本再建プログラムをネバダ・レポートとして、
作成したといわれています。内容は下記の通りです
① 公務員(国会議員含む)の総数の30%カット、及び給料30%のカット、ボーナス全てカット
② 公務員の退職金は100%すべてカット
③ 年金は一律30%カット、
④ 国債の利払いは、5~10年間停止
⑤ 消費税を20%に引き上げ
⑥ 所得税の課税最低限を年収100万円まで引き下げ
⑦ 資産税を導入して不動産には公示価格の5%を課税、
債権・社債については5~15%の課税、株式は取得金額の1%を 課税。
⑧ 預金は一律1000万以上のペイオフを実施し、
第2段階として預金額を30%~40%財産税として没収する。
いいたい放題の内容ですが、
IMFから資金供与を受けてIMF管理下に入れば、
借金の返済が最優先課題とされ、公共部門が大幅に削減されるのだそうです。
日本の国会議員や公務員が、自分の身に降りかからないことは、実行するかもしれませんが、
自ら上記のような自分の首を絞めるようなことをするとは思えません。
だからIMFの力を借りてやろうという案です。
国会でもとりあげられ、議論になりました。
IMFの最大出資負担国はアメリカです。アメリカは国連分担金など二の次で、
IMFの支配権(お金の権力)だけは確保しています。
世界の投資証券市場は世界のGDPの4倍以上の約200兆ドルといわれています、
その実体のないバブルの大部分がドル本位制で動いていています。
つまりこのネバダ・レポートはアメリカが作ったとも考えられます。
しかし日本にはアメリカに物が言える政治家は今のところ見当たりません。
自分たち(主に日本の政治家と大蔵官僚)で作った借金国だから仕方ありませんが、
アメリカにまた金融でも敗戦するのでしょうか?
もっとも、自身過剰気味のアメリカの方が、先に破綻するかもしれませんが?