9.28.2018(v) 晴れ
雨の中、久しぶりに下北沢の小劇場に足を向けた。ロシアのチェチェン共和国で実際に起きたテロ
事件を題材にした芝居と、男女の不条理な絡み合いをネタにした演劇、各々一時間の出し物を観た。
いつも思うのだが芝居は日常ではあり得ない場面と向き合わなければならない。今回も極限状態に
追い込まれた人間がどのようにたやすく狂気になるのかという問いかけを私たちに突き付けて来る。
正直、疲れる。出来れば目を背けたい場面もある。演劇を観るということは自分の中に異物が侵入
してきて自分の存在をコテンパーに打ちのめすということだ。5千円もだしてどうしてそんなもの
観るの?しかし、観終わっていつも感じる。ああ、自分がどんなにか平々凡々たる日常の網の中に
絡み取られているのか!人間としてもっともっと奥深い可能性を持ち得ているのに、自分はそれの
百分の一も出しきっていないではないか。
芝居とは自分を映し、叱咤激励してくれる鏡である。だから演劇は永遠に見続けなければならない。