10月30日 曇り
今朝のヴィルフランシェは雲一つない青空である。まさにコートダジュール、紺碧の空だ。
誘われるように改札も何もない駅から電車に乗ってニースに出かけた。VSMからわずか
10分足らず、あまりに近いのでビックリしてしまう。燦燦とした陽光に包まれたゆったり
した街並みだ。10分程歩くとそこは地中海だ。紺青色の海が地平線全体に溢れんばかりに
拡がる。どんな言葉で表現すればいいのだろう。豊穣さでむせかえるといった方が適切だ。
こぼれ落ちる海。ここにニンフを立たせると間違いなく一枚の絵画の名作が出来上がる。
海辺に寝そべって水平線の彼方を見詰めた。僕のロリータはどこにいるのだろう。波の音に
消されて所在が分からない。水平線の彼方を視て思った。愛とはまさに命との対峙にある。