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「過労死をなくそう!龍基金」マック訴訟の高野店長を表彰

2008年08月04日 10時46分18秒 | 過労死・労災

写真=150人を超える市民が集まった第2回中島賞授賞式

「過労死をなくそう!龍基金」第2回中島富雄賞授賞式
マクドナルド「名ばかり店長」の高野廣志さんが受賞

過労死の撲滅に取り組んでいる「過労死をなくそう!龍基金」(中島晴香代表)は8月2日、第2回中島富雄賞授賞式(「NPO法人労働相談センター」後援、「週刊金曜日」協賛)を東京・葛飾で開催しました。150人を超える市民が集まり、過労死をなくす決意を固め合いました。

中島富雄賞は過労死の撲滅に貢献した団体や個人を毎年、富雄さんが亡くなった8月に表彰するものです。今年の受賞者は、日本マクドナルドを相手取って裁判を起こしている現役店長の高野廣志さんです。過労死や長時間労働の温床となっている「名ばかり管理職」を社会問題化し、働く人の待遇改善に尽力したことが評価されました。

授賞式で中島代表から表彰状と賞金を手渡された高野さんは「家族あっての仕事だと気づくことが大切。過労死のない社会にしていきたい」と涙ながらにあいさつ。妻の邦子さんも登壇し「平凡な私たちでも大企業のマクドナルドを相手にここまで来れた。悩んでいる人には勇気をもって立ち上がってほしい」と話しました。

★邦子さんの発言は動画でご覧になれます。
http://video.labornetjp.org/Members/akira/videos/0802.wmv/view

第2部では作家の雨宮処凛さんと評論家で中島賞選考委員の佐高信さんとの記念トーク「過労死NO!生きさせろ!」があり、「過労死は自己責任」とみなす風潮を批判し、労働運動で社会を変えようと呼びかけました。

第3部の交流会では、玉木一成弁護士(過労死弁護団事務局長)の乾杯ではじまり、平野敏夫さん(東京労働安全衛生センター代表理事)、木下武男さん(昭和女子大教授)、藤崎良三さん(全労協議長)、棗一郎弁護士(日本労働弁護団事務局次長)らから発言をもらいました。管理職ユニオン、全労働、全日建、東京労組など友好労組からもあいさつを受けました。

この1年の経過報告では、アジア商事とたたかって今年5月に過労障害で全面勝利解決を果たした橋直彦さんの妻、美智代さんが「解決できたのは皆さんのおかげ。龍基金がもっと世の中に知れ渡って、あきらめている人に希望を与えてほしい」と発言しました。また、中島富雄さんと同じ「すかいらーく」で契約店長だった前沢隆之さんの過労死について母の笑美子さんが「遺族としての使命を果たしていきたい」と、今後の会社との交渉に臨む決意を述べました。

中島代表は「すかいらーくは二度と過労死を出さないという約束を破った。『龍』(中島富雄さん)が泣いている。世の中から過労死をなくすため、夫の遺志とともに誇り高く歩んでいきたい」と語りました。

★授賞式について8月3日の『朝日新聞』が報じました。(http://www.rodosodan.org/masukomi2008.htm#080302

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-08-06 17:55:59
 過労死・過労・労災のブログ 読ませていただき1年以上経ちましたが、始めてコメントさせいただきます。
思う事・感じる事沢山ありましたが、私自信の言葉にすると『過労死』と言う言葉が軽く取られそうな気がしたからです。 頑張れなんて軽々しくも言えないし。 いつもコメントが少ないのは、同じ気持ちの方々が多いのではないのでしょうか?

私の職場でも 労働時間や仕事内容・人間関係で眠れず 等々病院で安定剤と睡眠薬を処方して貰い服用して居るそうです。 労災の話や組合の話少ししたのですが、「この年で、ここクビになったら、次が無いし、それこそ一家心中しなきゃ」と 説明時間も無く 周りの目もあり中々話せませんが、やっぱり家族が気付き手助けするしかないですかネ!?
もっともっと 多くの人に この事を知ってほしいです。

過労死や過労で後遺症などと人間扱いしない会社を改善して行来たいです。

 心の中で応援していた 龍基金の代表中島さんには 本当は、いつもこちらが強い勇気を頂いてました。ありがとうございます。

返信する
参加しました (ひばり)
2008-08-09 21:11:49
前沢さんの件、その後すかいらーく側の回答はどうなりましたでしょうか??

不誠実な対応は昔から続いてる事なので、株主さんには、
是非とも事実事項を認識していただきたい。
返信する
変わらない労使一体 (元外食産業社員)
2009-03-19 09:54:44
 儲け主体のすかいらーく経営陣と付属の労働組合は中島さんと前沢さんの遺族に謝罪するどころか、「弱い店長が悪い」とあたかも中島さんと前沢さんに責任を転嫁して逃げようとしている。私は労働者が義務を果たし会社の利益貢献したが、会社は労働者を儲けるための道具としか見なしていない。去年、小林多喜二の「蟹工船」が脚光を浴びたのですが、元々、日本の勤労・法律システムの大幅な見直しが出遅れている状況なので殺伐した状況に戻るのは感じていました。
 
 すかいらーくの経営方針の見直しどころか、旧グッドウィルみたいに廃業も検討したほうが健全な社会への一歩ではないかと考えます。あとは、私たちの膨れ上がる欲望の制御ができない限り、サービス業者の経営者が私たち消費者の考えを勝手に解釈し、サービス業の際限なき競争と質の低下、産業の衰退へと導くことになるのです。

 すかいらーくの過労死事件は、氷山の一角に過ぎません。どの外食産業でも起こりうる問題です、ただ、労働者が声を上げたくても上げられない。相談できない。労組を結成しても会社側の言いなりの組合しか認めない。それが外食産業全般の体質なのです。外食産業の経営者は労働者が謀反を企てられるのが恐怖で、このような高圧経営をしてきたのです。

 残業未払い問題でクローズアップされたマックの現役店長の高野廣志さん。裁判をして、見事勝訴を得ました。これは、外食産業だけではなく、日本の労働者全体の暗黒時代に終止符を打つきっかけとして私たちは考えるべきです。
 日本法人の創業者の故藤田田氏を追い払い、米国本部から呼んだパット・ドナヒューをCEO(最高経営責任者=会長)にし、藤田氏が築いてきた企業風土を解体させ、現在のCEOである原田泳幸氏が就任によって、フランチャイズ経営をしている独立経営者の夢を簡単に粉々にする暴虐な経営が横行。直営店でも24時間営業体制の確立し、売上を拡大した反面、原田流経営は、労働者を疲弊させ、仲間意識から邪魔者へと労働者のモラルの低下を招く結果となりました。原田氏は、死に物狂いで残業支払いを認めさせた一店長である高野さんの声を無視し、横暴で暴虐な経営でマックを衰退させる自滅行為へまい進していると感じています。

 龍基金設立者の中島さん、残業未払いの訴訟で勝訴した高野さん、志半ばでトヨタ堤工場で無念の過労死をした故内野健一さんの妻の博子さん。「全トヨタ労働組合」でトヨタとそのグループ会社の暴虐な経営体質を直すために立ち上がった若月忠男氏。
 労働者たちが人間らしく生活し、労働することが社会と国家の繁栄につながるのは、私たち労働者はご存知であるが、規制緩和の挙句、ワーキングプアの非正規社員と過労死する社員を大量生産した。これは「私たちは会社や国家に尽くしてきたが、会社や国家は私たちを裏切って見捨てた」という、シルベスター・スタローン主演の映画「ランボー」を思い出すのは私だけなのだろうか?
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