東京東部労働組合【公式】ブログ

全国一般東京東部労働組合の記録

五の橋産婦人科院長への手紙

2010年07月27日 12時00分00秒 | 労働組合

江東区亀戸にある「医療法人社団五の橋産婦人科」(川嶋一成院長)で働く職員・看護士が、職場におけるパワハラをなくし、働きやすい職場をつくろうと、4月以降、川嶋院長と団体交渉を重ねてきました。しかし、院長は5月に入り、団交に弁護士を出席させ、パワハラの事実を否定するなど、組合に対し敵対的な対応を取り始めました。

「高年齢者雇用安定法」は、60才以降の雇用につき、①定年の引き上げ②労働者の希望者全員の継続雇用制度の導入③定年の定めの廃止の3点について、いずれかの措置を講ずることを規定し、段階的措置として平成22年3月31日までに、定年義務対象を63歳とし将来的には65歳と義務付けています。

30年あまり働いてきた後藤委員長は、団体交渉の席上、病院側に高年齢者雇用安定法に基づき、継続雇用の希望を伝えたのです。ところが、病院側は6月30日、後藤委員長を7月末をもって雇い止めする旨、通告してきました。
この後藤さんへの不当な雇い止めを撤回させ、継続雇用を求めるため、五の橋産婦人科支部は、東部労組各支部、地域の労働組合の支援のもと7月14日、アピール行動を行いました。

その一週間前、私たちは深刻な労使関係、労働争議の勃発をなんとか避けようと、川嶋院長へ以下の手紙を出しました。

しかし、この手紙への川嶋院長の返事は「小西貞行弁護士に一任している。今後一切の連絡は同弁護士宛にされたい。悪しからず」というニベもないものでした。

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医療法人社団五の橋産婦人科
院長 川 嶋 一 成様

全国一般東京東部労組の長崎広です。

川嶋院長へ個人的にお手紙を差し上げています。
東部労組五の橋産婦人科支部後藤委員長の継続雇用問題についてぜひともご配慮をお願いしたくこのお手紙を差し上げています。

高年齢者雇用安定法は、①定年の引き上げ②労働者の希望者全員の継続雇用制度の導入③定年の定めの廃止の3点について、いずれかの措置を講ずることを規定し、段階的措置として平成22年3月31日までに、定年義務対象を63歳とし将来的には65歳と義務付けています。

また、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係わる基準について労使協定を締結することを規定しています。

この制度を進めるために、国は、わざわざ①企業への定年引き上げ等の奨励金の支給②労働者へは高年齢者雇用継続基本給付金の支給③税制上の優遇措置を決めています。

しかし、五の橋産婦人科においては、上記3点のいずれも実行されていないばかりか、労働組合が結成されたにもかかわらず、労使協定に向けての協議の提案すらありません。

後藤委員長は、団体交渉の席上、病院側に高年齢者雇用安定法に基づき、継続雇用の希望を伝えています。
ところが、貴殿は後藤さんのこの希望に対してただの一度の話し合いをすることもなく、2010年6月30日の回答書において「平成22年1月26日付嘱託職員労働契約書にて平成22年7月末を以って雇用期間を延長しない合意が成立しているからこの合意により対処して参る」と回答してきました。これによると後藤さんは7月末で契約終了になり、失業となります。

確かに平成22年1月26日付嘱託職員労働契約書によると「期間6カ月」「更新なし」とあり、後藤さん自身がサインをしています。しかし、この契約書のできる過程、9回に渡る病院側と後藤さんの話し合いの中身を精査すればする程、大きな疑問が生じざるを得ません。
とりわけ、2010年1月16日の師長と後藤さんの話し合い、1月21日の院長、村上社労士ら4名と後藤さんの話し合いにおいては驚くべきことに病院側は高年齢者雇用安定法については発言の中で一言も触れないばかりか、後藤さんの高年齢者雇用安定法への無知を奇貨として「60歳定年。本当なら退職。一般の企業では60歳定年が決まっている。60歳でご苦労さん。60歳定年が基本。」(師長発言)というとんでもない明らかに法律に反する、又社会一般の事実に反する虚偽を言いたてて、後藤さんを説得しています。

また、1月21日の病院側院長、村上社労士、師長ら4名ものメンバーと後藤さん一人の話し合いにおいても病院側は高年齢者雇用安定法について一言も触れないばかりか過去8回もの話し合いでは全く存在しなかった後藤さんの仕事ぶりについて、職場の同僚からヒアリングをした結果「後藤さんに問題があることが判明した」と後藤さんの心を傷つけ追い込みます。と同時に「後藤さんの給料は事務職の中で何番目か知ってましたか」「病院は現在3千万円のマイナス。ゆゆしき問題だ」とあたかも後藤さんに責任があるかのごとくに迫り、「週1回では生活ができない」と切実に訴える後藤さんに対して「週一日で期間一年かフルタイムで期間半年のどちらかを選択しろ」と二者択一を迫ります。このやりとりを厳密に聞けば、週1日で生活できる訳がない後藤さんが、泣き泣き「期間半年」にサインせざるを得なかったということが事の真相であることは容易に察しがつきます。

このまま病院が強行するのであれば、管轄官庁への申し入れや社会一般にも広く訴えざるを得ません。勿論、パワハラ問題も社会的に明らかになるでしょう。いわゆる労働争議の勃発となってしまいます。労働争議は、労働委員会・訴訟のみならず憲法で保障された団体行動権の行使も付いてきます。

川嶋院長様
30年間も「川嶋家のために尽くしてきた(1月16日川島院長発言)」後藤さんをこのような形で職場外に放逐することになれば、労働争議にするなというほうが無理です。というより、これでは、労働争議を招いているのは病院側自身ではないですか。
しかも、後藤さんは結成されたばかりの支部委員長です。私たち850名東部労組組合員、全国一般全国協1万人、全労協30万人が総力あげて取り組まざるを得ない問題です。

さて、この7月14日(水)朝9時から五の橋産婦人科前で、私たち東部労組だけでなく、地域のユニオンや幅広い市民などが参加した今回の後藤さんの雇い止め問題に抗議する行動が決定し、計画されています。
一般に一旦労働争議がスタートすると解決するまで長期間に及び、それは労使双方に不幸であることは言うまでもありません。現在の小西弁護士がどういう方で労働争議に対してどのようなお考えやご経験をお持ちかわかりませんが、一般に裁判等が長引いて勝っても負けてもどちらでも莫大な得を手にするのは弁護士だけと言っても過言ではありません。私たちの経験でも会社側弁護士が意図的に解決を引き延ばし、その結果長期間に及ぶ大争議となった経験があります。しかし、当事者はあくまで院長であり、後藤さんです。決断権・決定権は当事者が握っています。

川嶋院長様
どうか川嶋院長自身が理性的に判断下されますよう、「川嶋家のために尽くして」きて継続雇用を希望している後藤さんを高年齢者雇用安定法に基づき彼女の生活を保障する正当な継続雇用をして頂くように心からお願い申し上げます。

今なら、労使双方の努力で労働争議の勃発を回避できます。
事務折衝等いつでも連絡下されればお会いしたいと考えています。ぜひ連絡ください。

全国一般東京東部労働組合 副執行委員長 長崎 広
東部労組電話 03-3604-5983
2010年7月7日

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1 コメント

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Unknown (一住民)
2010-07-31 22:51:56
先日やっていらした時に通りすぎた近くの一住民です。このブログも拝見しました。
医療を金儲けビジネスにしようとしているかどうかは、そこで働くスタッフを大切にしているかどうかでわかります。
パワハラが労組を創られた動機とのこと、こういう職場では労働組合こそが働く者の権利です。
応援しています。
どうか頑張ってください。

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