*中国共産党政権の極悪非道*医薬保政複合体*シンプルで有効な小学生作文指導法*中国崩壊*反日の原点・鄧小平と朴正煕*

*中国共産党政権の極悪非道*いつ中国は国家崩壊するか*ヤクザ組織・国家への対処法*なぜ日本にテロが無いか*北朝鮮問題*

ツイッター上の私の見解 My Twitter Opinions

2019-08-12 15:04:38 | 国語問題・作文指導

 ツイッターでの私の見解

永井津記夫(ツイッター:https://twitter.com/eternalitywell)

 

  現在、ツイッター(https://twitter.com/eternalitywell)で様々な意見を発表しています。とくに、日本周辺の国々に対する日本のマスコミなどの報道に関して意見を述べることが多くなっています。時折、トランプ大統領や他の報道機関の英語による見解に対しても私の見解を表明(主として英語で)しています。

  本ブログでも書きたいことは多数あるのですが、現在、ツイッターで書くことに時間を割いている状況です。ツイッターも見ていただければ、と考えています。

  私のツイッターにおけるフォロワーは6800名を超えていますが、大半は外国人です。昨年11月末で90名ほどのフォロワーでしたが、12月にサウジアラビアの人たちから数日で千名を超えるようなフォローがあり、その後、トランプ大統領の動向をチェックするために彼のフォロワーのツイートをフォローしてチェックしていると、ある米人フォロワーから「#MAGA(Make America Great Again)や#KAG(Keep America Great)をプロフィールの欄に加えておけばトランプ支持者がフォローしてくれますよ」というアドバイスを受けたのでそれを実行して現在の数になっています。

  ごく希ですが、トルコやインドやパキスタンの人から私のツイートに対して「いいね」が来ることもあり、世界で私のツイートを見てくれる人もいるのだと考え、これらの国々のフォロワーも増やそうとしています。ツイッター上で、ツイートしている人たちの動向を勘案すると(フォロワー数を増やすことが目的で、ツイートすることが目的ではない人も多数います)、おそらく、私のツイートをよく読んでくれる人は全体の数%と見ておいた方がいいのではないかと思っています。

 

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 ※最近のツイート

引用ツイート

志位和夫   志位和夫

@shiikazuo

 · 8月11日

過去の侵略戦争と植民地支配を批判する私たちに「反日」「売国」のレッテルで攻撃する人たちがいます。しかし、私は、自国の過ちに正面から向き合い、事実を事実として認め、未来に生かすものこそ、真の愛国者だと信じています。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

eternalwell*永井津記夫  eternalwell*永井津記夫

@eternalitywell

 

 ① 日本の周囲の国々がいかに人民を苦しめてきたか、その歴史をよく勉強し、過去の日本の行動もよく勉強する必要がある。明治以降の日本や日本軍の行動を全て是とする必要はないが全て否定する必要もない。日本に基盤をおきながら、“日本国民の大多数の利益(安全と幸福)に反する姿勢” を私は“反民”と

 ② いう。共産党を筆頭に他の野党群は“反民的”行動、自民と公明は“反民的政策”を打ち出す場合が極めて多い。今回の参院選挙で棄権者が50%を超え、支持政党なし層が常に40%もいるのは、自民党から共産党までの既成政党に対する激しい不信感の表れだ。共産党も日本周辺のヤクザ国を側面援助している

 ③ ように見えるかぎり、党勢が伸びることはないだろう。“反日”は日本周辺の国にまかせておけばよい。“反日”と“反政”の区別を明確にし、“与民的”行動をしなければ人々の支持は集まらない。初陣の「れいわ」や「N国」にかなり支持が集まったのは“与民的”行動をしているように見えたからだ。

 ④ “与民的”行動をしない政党やマスコミに人々の支持は集まらない。消え去る運命のみが待っているかもしれない。

 参照:「反民マスコミ *米国債は軍票か」https://ameblo.jp/373374eternal/entry-12407282550.html) ameblo.jp/373374eternal/

 

 

 


小学生のための国語作文指導法③

2019-05-16 22:51:59 | 国語問題・作文指導

小学生のための作文指導法 ③ 

創作文の書き方 SCHOOD

永井津記夫 (ツイッター:https://twitter.com/eternalitywell)

 

  「小学生のための作文指導法」 というタイトルで二つブログを書きました。今回はその延長線上にある“創作文 (Creative Writing) の書き方”について述べていきたいと思います。米国ではEssay Writing (小論文)(注1)の書き方の指導と並行して小学校高学年になると創作文(Creative Writing) の指導にも力を入れています。米国には明確な作文の指導指針があり、良いテキストもあり教師は自信を持って生徒の指導にあたっているようです。が、日本には、とくに創作文に関しては、良いテキストもなく、ごく少数の自覚した人たちが指導をしているだけのようです。

  それでは浅学非才を省みず(論文については数多く書いてきましたが、創作文に関しては大学時代に課題のショートショートを英文で書いたのみで小説など書いた経験はないのですが)、お父さん、お母さんの中には創作文の指導を子どものためにしてあげたいと考えている方もおられると思いますので、“小学生のための創作文の書き方指導法”を示してみたいと思います。これは50年前の大学時代にギルキー先生から受けた講義に基づいています。

  “創作文”の書き方指導法を述べる前に、前の二つの「作文指導法」の復習を簡潔にしておきたいと思います。

  前々回のブログ「小学生の作文指導」において、初歩的な形であるが三部構成 (問題・討論・決定) の形の作文法を示しました。指導者(お父さん、お母さん) は適切な題を与えて三部構成で書く練習を生徒にさせればよいのです。「将来、何になりたいか」という“卒業文集”のテーマにしばしば使われるものを題に選ぶのは定番であり生徒も書きやすいでしょう。ただし、手紙の拝啓(出だし) 敬具(終わり) にあたる部分の書き方はひな形を示しておくことが肝要です。

 

       [小学校高学年用] 

 

   (題:) 私の将来の仕事            

                (名前) □□△△

 

 私が将来なにになりたいか。それはもう決まっています。(問題)

出だし

 私はプロの漫画家になりたいのです。

なぜかと言うと・・・             (討論)

私は・・・

父は、・・・

 

 

本文

本文

 

 上のような理由で私は漫画家になりたいのです。  (解決)

 

終わり

終わり

 

 

  













 


  「小学生のための国語作文指導法」に続く「小学生の国語作文指導法 ②」では「問題・解答」型の文章を示して、小学生の卒業文集などで「題(あなたは将来どんな人になりたいですか。その理由も書きなさい)」を与えて作文させるやり方は、生徒の書いたものが「解答」になり、書く題を与えて指示する部分が「問題」となり、二つを合わせて、「問題・解答」型の“文章”になると説明しました。

  ショートショート、短編小説、小説などの創作文も基本的には(大きくとらえると)私の説く「問題(出だし)・討論(本文)・解決(終わり)の三部構成になると言えるのですが、これでは創作文のポイント(要点)を示したことにはなりません。創作文は「出だし」が非常に重要でここをどのように書くかで作品の良さが七、八割方決まると言ってもよいと思います。

  それでは、創作文の構成法を述べていきます。ここで扱う“創作文”はいわゆる“ショートショート”と呼ばれるくらいの長さのもので原稿用紙で3枚から5枚まで、文字数で1000字から2000字程度の長さのものと考えてください。

  創作文の構成の基本要素はSCHOOD (スクード)です。“school (スクール、学校)”は英語を学んだ人ならだれでも知っている単語ですが、“schood”というような英単語はありません。これは次の言葉の頭文字をとって合わせたものです(内容を考えると複数形で示した方がよいものもありますが、すべて単数形で示します)。 

 ① Scene (場面設定): time 時 location 場所

 

Action

 ② Character (登場人物、配役) 

 ③ Hero (主役[主人公]…女性なら、Heroine)

 ④ Object (目的…主役が行動する目的)

 ⑤ Obstacle (障害…主役が行動するときに生じる障害)

 ⑥ Destination (目的地、到達点…主役が行動し最終的に目指すもの、到達するもの)


  以上がショートショートをつくるときに必要な基本構成要素です。①から⑥を貫いているのは Hero の Action(活動) です。

  客船が船員と乗客を乗せて目的地に向かう場合にエンジンを動かして推進力を生み出す必要があります。この「エンジンを動かして推進力を生み出すこと」がActionだと考えるとよいと思います。

  「elements of a short story」という語句でグーグル検索などをすると、米国人作家などがshort story の書き方の説明をしています。①の“Scene”については“Setting(設定)”としている人が多いようです。また、⑤のObstacleの代わりに”Conflict(衝突)”、⑥のDestinationの代わりに“Resolution(解決)”を用いる人もいます。“Plot(筋立て、構想)”や“Point of View(一人称で書くか、三人称で書くか、著者の視点)”を基本要素の中に入れる人もいます。細かなことを加えていくと、基本要素はいくらでも増えるので、私は大学でギルキー先生から学んだ“SCHOOD”を用いることにします。

  ここで、日本のショートストリーの元祖とも言うべき「昔話」を取り上げて分析してみましょう。

S: Scene 場面設定  C: Character 登場人物   H: Hero(Heroine) 主人公 

Oj: Object 目的  Os: Obstacle 障害  D: Destination 到達点、目的地

    日本昔話  桃太郎

 むかしむかしあるところにおじいさんおばあさんが住んでいました。 

 おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました。

 おばあさんが川でせんたくをしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。
 「おや、これは良いおみやげになるわ」
 おばあさんは大きな桃をひろいあげて、家に持ち帰りました。
 そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、なんと中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました。
「これはきっと、神さまがくださったにちがいない」
 子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
 桃から生まれた男の子を、おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました。
 桃太郎はスクスク育って、やがて強い男の子になりました。

 そしてある日、桃太郎が言いました。
「ぼく、鬼ヶ島(おにがしま)へ行って、わるい退治します」 
 おばあさんにきび団子を作ってもらうと、鬼ヶ島へ出かけました。
 旅の途中で、イヌに出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ」
「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」
 イヌはきび団子をもらい、桃太郎のおともになりました。
 そして、こんどはサルに出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ」
「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」
 そしてこんどは、キジに出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ」
「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」
 こうして、イヌ、サル、キジの仲間を手に入れた桃太郎は、ついに鬼ヶ島へやってきました。

 

 鬼ヶ島では、鬼たちが近くの村からぬすんだ宝物やごちそうをならべて、酒盛りの真っ最中です。
「みんな、ぬかるなよ。それ、かかれ!」
 イヌは鬼のおしりにかみつき、サルは鬼のせなかをひっかき、キジはくちばしで鬼の目をつつきました。
 そして桃太郎も、刀をふり回して大あばれです。 
 とうとう鬼の親分が、
「まいったぁ、まいったぁ。こうさんだ、助けてくれぇ」
と、手をついてあやまりました。
 桃太郎とイヌとサルとキジは、鬼から取り上げた宝物をくるまにつんで、元気よく家に帰りました。D
 おじいさんとおばあさんは、桃太郎の無事な姿を見て大喜びです。
 そして三人は、宝物のおかげでしあわせにくらしましたとさ。

おしまい

 

 Scene 時、場所

 Character 1(=C1) おじいさん

 Character 2(=C2) おばあさん

Actionスタート

 

 

 Hero登場 桃太郎

 

 

 

 

 

 Object (Oj) 鬼退治

 Obstacle (Os) 鬼ヶ島

 C3 イヌ

 Scene 場所:鬼ヶ島

 C4 サル

Action

 C5 キジ

Action

 Obstacle (Os) 鬼ヶ島

 

 C6 鬼たち

 

Action

Action(Climax)

 

 C7 鬼の親分

 

 

 Destination 到達点

 

 語りを終える言葉

 

 

 福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 8月の日本昔話 > 桃太郎より

  (http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/08/01.htm)

 

   この日本昔話の「桃太郎」はショートショートの作り方、構成法を説明するうえで、格好の物語だと思います。

 

 ① Scenes (場面設定): time時…むかしむかし location場所…あるところで、鬼ヶ島

  

Action

 ② Characters (登場人物、配役)…おじいさん、おばあさん、イヌ、サル、キジ、鬼たち、鬼の親分 

 ③ Hero (主役…女性なら、Heroine)…桃太郎

 ④ Object (目的…主役が行動する目的)…鬼退治

 ⑤ Obstacles (障害…主役が行動するときに生じる障害)…鬼ヶ島、鬼たち

 ⑥ Destination (到達点…主役が行動し最終的に目指すもの)…幸せな生活


  私がショートショートを創作するうえで必要なものとして挙げたSCHOODがすべて見事に述べられています。「むかしむかし」や「あるところで」は“昔話”の決まり文句ですが、これを書き手のよく知っているか、または、読者がすぐに理解できる場所と時を設定するとよいでしょう。そして、主役(主人公)と脇役を登場させ、事件を起こせば(アクションを起こせば)よいということになります。

  小学生が初めて“創作文”を書く場合に、上記の“桃太郎”の昔話を少し変形する形で書くのも一つの方法かもしれません。が、これは子どもによると思います。

  さて、ショートショートだけには限りませんが、小説などの創作物では「出だし」が肝心です。ここで読者が興味をいだいて読んでくれなければ、あとの構成がすぐれていても我慢して読んでくれる人はごく少数でしょう。

  「出だし」の部分を書いてみます。

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 キーイーイン!それほど大きくはないが、耳の底に残るような変な音がした。夏休みが始まったばかりの7月末の真夜中。裏山から今まで聞いたことのない金属音にびっくりして、吉夫は庭に飛び出した。事件発生(Action)、時と場所の設定(Scene: Place & Time )。主役(Hero=吉夫)

 赤いオレンジ色の光が裏山から放たれている。時刻は午前2時。まわりには新しく開発された住宅地があるが、吉夫の住んでいるところは昔からある小さな山村である。この異変にだれも気づいていないようだ。吉夫はいったん眠ることにした。

 9時過ぎに母に起こされて目覚めた。近所に住む友だちで一学年下の小学5年生の健介をさそって、家から100メートルほど離れたところにある。高さ60メートルほどの裏山に登った。変な音とオレンジ色の光の謎を解明にするためである。

  …登場人物(脇役)(Character: 母、健介) Action(裏山に登った)  目的 (Object:謎の解明)

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  この後にObstacle(障害)を入れて事件を展開し(Action)、最後の到達点(Destination)に至るようにもっていきます。続きは、考えてみてください。

  もう一つだけ付け加えておきます。それは、主人公を三人称(上の例では“吉夫”)で書くか、一人称(ぼく、わたし)で書くかということです。最初は子どもの書きやすい方を選んでください。慣れてくれば、どちらでも書けるように練習をさせてください。

  子供たちはある程度、書けるようになると、いろいろな物語や昔話や子ども向けの短編小説なども読みたいと思うはずです。“人物描写”や“情景描写”などの細かいテクニックは(子どもにもよりますが)中学生から高校生になって読書をすることによって習得するか、今はインターネットが発達しておりネット検索で習得していけるはずです。まず、子どもに文章を書く(Essay WritingとCreative Writing)くせをつけてください。  (2019年5月16日記)

 

(注1) 「Essay Writing=小論文(の書き方)」というとこむずかしく聞こえますが、自分の考えや意見をまとめて書くことだと考えるとよいと思います。「Creative Writing=創作文(の書き方)」。“創作文”は主に(短編)小説や詩(俳句、短歌を含む)のことだと考えてください。


(※注) SCHOODはあくまで基本であってこの基本をはずれる場合はありえます。「小学生のための国語作文指導法」で述べているように、「思うように書きなさい」 という作文の指導法では“創作文”を書くことはとうていできないことなので、このブログで創作文の型を“SCHOOD”という明確な形として示したのです。

  まず、“型”を習得し、その型をはずれて独自の“型”を生み出すことは有って当然です。絵画や音楽においても天才は型破りが多いです。子どもたちの中には“型破り”の天才もいると思います。

 


小学生のための国語作文指導法 ②

2019-03-07 22:24:45 | 国語問題・作文指導

国語の作文指導をどのようにしたらよいか ②

永井津記夫(ツイッター:https://twitter.com/eternalitywell)

 

  1月4日に「小学生のための国語作文指導法…国語の作文指導をどのようにしたらよいか」というタイトルでブログを書きました。その続きを書いてみたいと思います。

  前回のブログの中で私は文章を書くときの“型”の重要性を強調しました。日本舞踊やバレーなどの踊りや柔道や空手や剣道でも最初は“型”から教えます。まず型を習得しないとその上の“実戦”にはすすめません。前にも述べたように、手紙の「拝啓:本文:敬具」という形は“頭の中で考えていること”を文章でまとめるときに最もむずかしい出だし(拝啓)”と終わり(敬具)”をなかば強制的に示してくれているので書きやすいのです。あとは、“本文”を書けばよいのです。 

  前回、示したものを再び示します。

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  用意するのはハガキ(往復ハガキの方がよい)である。三部構成にする。

①おじいちゃんへ(おばあちゃんへ、おじいちゃん、おばあちゃんへ)「拝啓」に相当

②本文(お年玉のお礼、入学祝いのお礼、遊園地で遊んでくれたお礼など、何でも思ったことを書く。…「本文」に相当

③これで終わります。さようなら。…「敬具」に相当

④最後に「名前」を書く。

 

  [小学1、2年生用(4、5歳からでも可能な場合あり)]

 

おじいちゃんへ、

 

こうえんのぶらんこであそんでとてもたのしかったよ。ありがとう。

 

これでおわります。さようなら。

    名前 ◇◇◇△△△ 

 

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  上の囲みの中が小学生低学年のためのものですが、高学年のものも再び示します。詳しい説明は前のブログを読んでください。  

 

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  それでは、小学生高学年の作文指導法の提案をしたい。

 基本は三部構成である。

  ①出だし…序論→問題(問題提起)

  ②本文…本論→討論

  ③結び…結論→決定(解決)

  出だし(問題提起)が一番むずかしいが、ここは作文指導なので具体的なものを示したい。それは、

  *私は「大阪」が大好きです。(なぜでしょうか)

次に、その理由をいろいろ書いてゆく。

  *大阪は◇◇です。大阪には△△があります。大阪の人たちは□□です。

というようにその理由を列挙していく。ここは思うように書けばよい。

最後に、

  *上のような理由で私は大阪が大好きです。

とまとめる。

       [小学校高学年用]

 

  題:ぼくが大阪を好きな理由

              

               名前 ◇◇△△

 

 ぼくは大阪が大好きです。なぜだと思いますか。(問題提起)

 

 大阪には□□があります。

大阪は・・・                 (討論)

大阪は・・

大阪は嫌いだと言う人もいます。でも、・・・

 

 上のような理由でぼくは大阪が大好きです。  (解決)

 

 以上である。

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  さて、今回の指導法、親も教えやすく、子どにも書きやすい指導法を提案したいと思います。対象は小学生高学年で私の前回の「小学生の国語の作文指導法」をすでに終了した生徒です。前回のものを一、二度やってみて簡単にできるようならすぐに今回のものに挑戦してもらってかまいません。

  お父さんやお母さんが子どもに作文指導をするとき、一番ネックとなるのがどのようなテーマ(題)を与えるかということです。上に示した型は簡素な「三部構成」で文章をまとめる形です。今回は「二部構成」の文章の書き方を提案します。もちろん、二部構成といっても、全体として(問題と解答を一つにまとめて)二部構成になるので、実際の「解答部」は三部構成になっているのが見た目もまとまりもよいと考えています。

  テーマ(題)をうまく与えると、子どもは文章が非常に書きやすくなります。その代表的な例が小学6年生の卒業文集などによく使われる「あなたは将来何になりたいですか(あなたの将来の夢)」という「題」の設定です。“題”とは「問題(提起)」、「質問」、「問い」と言い換えることができます。「問い」に対しては「答え」を書けばよいのです。子どもがある程度その「答え」を考えたことがある「題=問い」が一番どの生徒にとっても書きやすいものとなります。

  二部構成の代表的な文章は数学の幾何の証明(問題を含む)の文章です。そして、新聞の「人生相談」の「問い」と「答え」の文章も完全な二部構成の文章です。私のブログ『英語の話④…日本語文法と英文の和訳』の中で、幾何の「中点連結定理」の証明問題を取り上げて、二部構成の文章であることを示しています。ここで、もう一度出してみましょう。

 

 

 【問題】

 三角形の二辺の中点を結ぶ線分は第三辺に平行で、その長さは第三辺の半分であることを証明せよ。

 

 

 【証明】  

  △ABCの辺ABと辺ACの中点をそれぞれM、Nとすると、

   AM:AB=AN:AC=1:2 ・・・①

   ∠MAN=∠BAC ・・・②

 ①と②より、2辺の比とその挟まれている角が等しいので、△AMNと

△ABCは相似である。

 よって、MN:BC=1:2、つまり、MN=1/2 BC

また、∠AMN=∠ABCとなり、同位角が等しいので、MNはBCと平行である。

 以上により、三角形の中点を結ぶ線分は第三辺に平行で、その長さは第三辺の半分であることが証明された。


  この文章は「問題」と「証明」の二つの部分から構成されており、「証明=解答」であるから明らかに私の説く「問題・解答」型の文章になります。「人生相談」の文章も明らかに「問い」と「答え」の二つの部分から構成される“二部構成の文章”となります。

酒乱の父をどうしたらよいのか

 

 [問い] 父は酒乱で一家は崩壊寸前です。・・・・・・

 

           

          

           (大阪A子)

 

 [答え] アルコール中毒は以前は少なかったのですが、今は米国に負けぬほど日本でも増えてきました。・・・・・・

 

       

          (精神神経科医) 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  上の例文は小学生に示すものではなく教えるお父さんお母さんにとって一目瞭然のものとして挙げました。私たちのまわりにはこの「問題(問い)・解答(答え)」型の文章が意外に多いのです(*注1)もちろん、「解答(部)」は分析すると「問題・討論・解決」型になっている場合が多いのですが、何事も理解を容易にするためには大きくとらえる必要があります。「文章」と「文章」を合わせたものも一つの“題”で統一されれば「文章」となります。文法論的には「文章」以上の単位を設ける必要はありません(*注2)

  それでは、例を示してみよう。

         将来の夢 (問題部と解答部を合わせた題) (*注2)

 [問題]

 あなたは将来どんな人になりたいですか。その理由も示して書いてください。

 [解答]

  ぼくが将来したいこと

6年2組 山田一郎

 

 ぼくは車に乗るのが大好きです。また、いろんな車を見るのも好きです。4,5歳の時からお父さんの座席の横に座って近くの川までドライブに行ってキャッチボールをしたりしています。

 

 お父さんは車の運転がとても上手です。せまい道でもすいすいと運転します。前に一度、川に行く途中で車がエンストしました。お父さんは前のボンネットを開けてなおしました。お父さんはすごいと思いました。

 

 それで、ぼくは将来、車に関係する仕事をしたいと思っています

 

 題

 名前

 

 

 出だし

 (問題)

 

展開

(討論)

 

 まとめ(解決、決定)

 

          将来の夢

 [問題]

 あなたは将来どんな人になりたいですか。その理由も示して書いてください。

 [解答]

 わたしが将来したいこと

6年1組 山田花子

 

 

 「将来どんな人になりたいか」と聞かれても、まだ、わたしにははっきりと答えが見つかっていません。

 ただ一つ考えていることは外国にいってなにか仕事をしてみたいということです。

 それで英語をしっかり勉強して身につけようと思います。父は英語を勉強する前にしっかり日本語の勉強をしなさいと言います。本を読み、作文もしっかりまとめて書けないのに英語ができるようになるはずがないと言います。それでわたしは国語も本気で勉強するつもりです。

 国語と英語をしっかり勉強して世界で活躍できるようになりたいです。

 

 

名前

出だし

(問題)

 

 

展開

 

(討論)

まとめ

(解決)


 上の文章を見て分かることは、問題(題の設定)があると解答は生徒にとってかなり書きやすいものになるということです。それと、解答の部分(=解答部)は、

  *出だし(序論、問題)

  *展開(本論、討論)

  *まとめ(終わり、結び、結論、決定)

というように三部構成にすると形がととのい、よく書けているように見えます。あとは内容(中身)次第ということになります。まず、形(型)をととのえて実戦を積むことによって文章力は向上します。

 ここでは小学生高学年の作文指導に主眼を置いていますが、問題(題の設定)を適切にすれば中学生、高校生(大学生を含む)にも作文指導が可能です。

 では、問題(設定した題)をいくつか示しましょう。さらに、お父さんお母さん方にも適切な題を考え出していただきたいと思います。

*(ア)1年間(4月から翌年の3月まで)の中で、一番たのしい行事は何ですか。その理由も書きなさい。

*(イ)今までで一番うれしかったことは何ですか。なぜうれしかったのかも書きなさい。

*(ウ)学校の授業で一番好きな教科は何ですか。その理由も書きなさい。

*(エ)新学年になったら何がしたいですか。その理由も書きなさい。

*(オ)今の学年で一番苦労したことは何ですか。

*(カ)いちばん好きなスポーツ(見るスポーツ、やるスポーツどちらでもよい)は何ですか。その理由も書きなさい。

  以上です。その他、「好きな動物」、「好きな花」、「好きな友だち」、「好きなゲーム(遊び)」なども題として設定できるでしょう。“理由”を書かせるのはそれで一つのまとまり(まとまった一つの小さな文章)ができて理解しやすい構成になるからです。例えば、

  ぼくはアイススケートが大好きです。 最初は何回もころびましたが、このごろは前進もバックもできるようになりました。スピードを出せるようになり、滑っているととてもうれしいのです。

       アイススケートが好きな理由

 

[問題]

 ぼくはアイススケートが大好きです。

 (なぜか)

 

[解答]

 最初は何回もころびましたが、このごろは前進もバックもできるようになりました。スピードも出せるようになり、滑っているととてもうれしいのです。

※(最初は~バックもできるようになり、スピードも出せて、滑っているととてもうれしいからです・・・一文で「からです」と理由を明確に言い表した表現)


というように、上の文章は「問題・解答」型の文章になり、うまく一つにまとまって理解しやすい文章となります。上の例文の解答部の下の文(~からです)のように「~からです」というように終えれば明確に理由を示したことになりますが、そこまでしなくても理由であることは明白です。

 上の例を参考に小学生高学年の作文指導をしてください。論理的で“頭の良い”生徒になっていくと思います。

 

*************************************

(*注1)日本語は、文章の一つ下の単位である「文」においても「問題(=題)・解答(=述)」型になっています。世界的にも注目されている文法家の三上章氏は日本語のは英語などの西洋語のように「主語()・述語()」の構造ではなく、「題(題目、主題)・述(述部)」の構造になっていると説いています。

   あの男は  走るのが速い。

    主題(問題)   述部(解答)

 私は三上説を援用して日本語の文章は「問題・解答」型と「問題・討論・解決」型があると説いています(これは三上説の援用ですが文章に適用するのは私が初めてですから世界で初めての説です)。日本語は文単位で「主述=問題解答」の形になっているのですから日本人は文章を書くのは(文と同じ形にしたらよいので)容易なはずです。

 英米人(文法家も含めて)主題となっている主語主題ではない主語との区別ができないために誤った文法理論におちいっているところがあります。例えば、

  This cloth feels soft. (この布地は柔らかく感じられる。この布地は手触りが柔らかい)

における“feel”は能動態で受動の意味を持っている動詞(能動受動態の動詞)というような説明を英米の文法家はしますが、『英語の話』で説明しているように、“This cloth”をいわゆる「主語」ととらえるのではなく「主題()」とすれば、“feels”主格語である人称代名詞の“I”が省略されていると考えられ、日本語に類似した構造、表現ということになります。

  This cloth (I) feels soft.  この布地は(ワタシ)柔らかく感じる。この布地は柔らかく感じます。

つまり、“This cloth”は形の上では動詞“feel”を支配して(に呼応して)“feel”“s”をとらせ“feels”としていますが、それは表層的な呼応であり、深層では一人称代名詞の“I”があり、省略されていると考えた方がいいのです。英語は印欧語に属し古くは人称別に動詞の活用が分かれていて一人称代名詞の主語(主格語)など付ける必要はなかったのです。この文でも“I”が省略されているとすると、日本語では主語(=主格語)のワタシは省略するのが普通ですから日本人にはその構造がよく分かります。欧米の英文法家は、日本語の提題の助詞といわれる「は」を本当の意味で理解できず、「主題語」と「主格語」を混同し“subject”という主題と主格を区別できない用語を使うために「能動受動態」というような曲がった理解に落ち込んでいると言えます。※※ “feelなどの動詞を能動受動態だとする考え”を否定するのにはもっと深い考察が必要でありその用意もありますが、これは英文法の論文ではないので簡単に結論だけを述べておきます。 参照『英語の話③』、『英語の話④』(ここではもう少しつっこんで“能動受動態”を説明しています。)

 

*注2)与えられた題(=問題)とそれに対する答え(=解答)を合わせて二部構成と見ます(「文章」の構造はまず大きくとらえます)。解答はこの部分だけを見ると一つの文章ですが、問題と合わせて見ると一部分(この場合は半分)になり、問題と合わせて一つの(大きな)文章となります。人生相談の文章では問い答えもそれぞれ一つの文章と見ることができますが、この二つの文章は合わさって一つの文章になっています。「題(=問題)」を与えて作文させる場合は、解答と合わせて(形式的には)一つの文章と考えることができます。

 「文章」の定義については私のブログ『英語の話④』のコメント欄に書いています。“文章”とは三浦つとむ説を参考にすると、「“題”によって統一される文の集まり」です。夏目漱石の小説『吾輩は猫である』は、“吾輩は猫である”という題によって統一される文の集まりですので「文章」になります。文法論としては「文章」以上の単位を考える必要はありません。英米人のように文章の一つ下の単位である「文」において、「主題(語)」と「主格(語)」を混同し、この両者を「subject(主語)」と呼んでいるようでは“文章の文法”は構築(解明)できないでしょう。

「問題・解答」型、「問題・討論、解決」型などの「文章型」については私のブログ『英語の話 ④日本語文法と英文の和訳』を参照してください。


小学生のための国語作文指導法 ①

2019-01-04 20:12:14 | 国語問題・作文指導

国語の作文指導をどのようにしたらよいのか

 

永井津記夫(ツイッター:https://twitter.com/eternalitywell)

 

  先日、小学2年生の子供を持つ30代半ばの(美人の)お母さんと話をする機会があり、国語の「作文」の話になった。その子は作文が上手だということで実際に書いた文章をみせてもらうと、確かに(小学2年の基準からからすると)なかなか上手に書けていた。字もきちんと綺麗に書いているし大したものだと思ったのである。が、よくそのお母さんと話してみると、「この子は作文が得意のようなので、もっと作文の書き方を教えてあげたいがどのように教えたらよいのかよく分からない」ということだった。

  そのお母さんに小中高、大学でどのような作文指導を受けたのかと聞くと「そのようなものを受けた記憶がない」という返事が返ってきた。我が家の20代後半の娘に聞いても同様な返事が返ってきた。私も記憶をたどって自分の受けた“作文指導”を思い起こしたのであるが、私のブログ『英語教育は破綻するか(英語教育の問題点)』の中で言及しているように皆無であった。ただ、小学2年生のときにハガキを一枚教室に持って来るように言われ、

  皆さんのお母さんの方のおじいさん、おばあさんにハガキを書きなさい。自分の思っていることをなんでもいいから書きなさい。宛名と住所はお母さんに書いてもらいなさい。

というような先生の指示があり、私は、拙い字で

  せんせいにいわれたのでかきました。・・・(この後の一文は覚えていない)

と書き、母にそのハガキを渡して母方の祖父母に出してもらった。この後、祖父母の家に行くと、小父(母の弟で当時26歳)に「先生に言われたので書きました、なんてハガキが来たぞ?!もう少し別のことを書けよ!」と言われて何回もからかわれたことを記憶している。

  私が小学校から大学まで具体的で明確な国語の作文の指導は、率直に言って“小学2年のハガキ作文(ハガキという具体的な用紙に鉛筆で具体的な対象・母方の祖父母に“なんでもいいから思っていること”を書くこと)”だけだったと思う。そして、書き方の具体的な指導はなく、小学校の高学年ともなると、夏休みの宿題などに読書感想文が入ってきて、中学、高校と、読書感想文の書き方の指導は一切無く、その提出を求められた(注1)

  国語(日本語)の運用にあたって日本語を母語とする者にとって一番むずかしいのが“書くこと”である。これはどの言語でも同じである。英語の場合でも、speaking (話すこと)、 reading (読むこと)、writing (書くこと)の中で一番むずかしいのが writing (書くこと)である。米国では小学校4年頃からしっかりと本格的な指導法(三部構成のessay writing と構成法に基づくcreative writing[創作文]の書き方などがある(*注2))に基づいて(英語で)書くこと(writing=composition)を教えている。米国の場合、書き方はその指導法が確立されており教師もそれに従って自信をもって生徒の指導にあたっているようである。

  日本では作文の指導法は確立されておらず、率直に言えば、教師も(ごく少数の例外を除けば)どのように教えていいのか戸惑い、いまだ「思うように書きなさい」というしかない状態であろう。これは教師個々の問題ではなく、文科省レベルの問題(つまり、カリキュラムの問題)であろう。教員になっているものでも自分が小学校から大学まで学ばなかったものを自信を持って生徒に教えることはできない。もし、問題解決能力のある(=頭の良い)文部官僚がいれば有能な大学教員などをメンバーにして(得意の)プロジェクトチームを立ち上げて何らかの解決法を出してくると思うのだが、いったい、どうなっているのか。

  前置きが長くなったが、小学校2年生程度 (平仮名が書けるようなら四、五歳くらいからでもかまわない) の具体的な作文指導法を下に示したい。

  用意するのはハガキ(往復ハガキの方がよい)である。三部構成にする。

 おじいちゃんへ(おばあちゃんへ、おじいちゃん、おばあちゃんへ)…「拝啓」に相当

 本文(お年玉のお礼、入学祝いのお礼、遊園地で遊んでくれたお礼など、何でも思ったことを書く。…「本文」に相当

 これで終わります。さようなら。…「敬具」に相当

④ 最後に「名前」を書く。

 

[小学1、2年生用(4,5歳児からでも可能な場合あり)]

 

おじいちゃんへ、

 

こうえんのぶらんこであそんでとてもたのしかったよ。ありがとう。

 

 

 

これでおわります。さようなら。

   

          名前 ◇◇◇△△△ 

 

 

   手紙や葉書などの定型の書式はそれなりの意味がある。「拝啓・本文・敬具」という型は、文章をかくときの「出だし」「終り」の難しさをいっきに解消させてくれる。 小説や随筆となると、「出だし」が勝負となり、興味を惹きつけるものでないと人は読んでくれない。これが小説などの創作文の一番むずかしいところである。が、定型はこの難しさを消し去ってくれる。「本文」の部分は「思っていることをそのまま書きなさい」という指導で良いが、ヒント (お祝いのお礼、プレゼントのお礼、遊んでもらったことのお礼など) は与えるのである。

  柔道でも空手でもバレーでも日本舞踊でも最初は型から始める。柔道などでもいきなり実戦をすることはない。受け身を習得してから攻めワザを習う。武術でもスポーツでもダンスなどでも最初は型の練習から始める。「作文」も基本的には同じである。まず、型の練習をしなければならない。「思うように書きなさい」という指導は、いちばん難しい指導法であり、まだ何も知らない初心者にいきなり空手の実戦をやらせるようなものに近い。多数の人たちが「思うように書けない」からこまっているのだ。

  さて、孫から自筆のハガキをもらったおじいちゃん(おばあちゃん)は、電話で孫をほめることになるだろうが、ここで「往復ハガキ」になっていたら、孫にハガキで返事を書くことになる。祖父母と孫の往復書簡ということになる。日本郵便はこの私の“アイデア”を採用し「おじいちゃんおばあちゃんと孫の往復書簡」 キャンペーンをすれば日本人の文章力(writing力)のアップにつながり、会社の利益アップにもつながるのではなかろうか。

  それでは、小学生高学年の作文指導法の提案をしたい。

 基本は三部構成である。

  ① 出だし…序論→問題(問題提起)

  ② 本文…本論→討論

  ③ 結び…結論→決定(解決) (注3)

 

  出だし(問題提起)が一番むずかしいが、ここは作文指導なので具体的なものを示したい。それは、

  *私は「大阪」が大好きです。(なぜでしょうか)

次に、その理由をいろいろ書いてゆく。

  *大阪は◇◇です。大阪には△△があります。大阪の人たちは□□です。

というようにその理由を列挙していく。ここは思うように書けばよい。

最後に、

  *上のような理由で私は大阪が大好きです。

とまとめる。もちろん、「大阪」の部分は住んでいる地域によって「埼玉」「北海道」「広島」「東京」と変えるのである。都道府県名よりも「◇◇市」「△△町」の方が書きやすければそのようにした方がよい。もちろん、この部分は「阪神タイガース」でも「巨人」でもかまわないし、「テニス」や「サッカー」などのスポーツでもよいし、「お父さん」「お母さん」「おじいちゃん」「おばあちゃん」「□□先生」、あるいは飼っているペットなど、何でもかまわない(他に害悪を及ぼすものはダメ)。子どもが最も興味をいだき好きなものを選べばよい。ただし、小さな心に深く残ることとなるので、「◇◇は嫌いだ」というようなマイナスのイメージを与えるものは小学生には避けた方がよい。

  小学校5年、6年ということになれば、かなり高度な(ませた)表現を使いこなせるものもいると思われる。どんな、表現を使ってもよいので、最後に、きちんと締めくくりの言葉を使わせるように指導するということである。初めと、終りがしっかりしていれば、真ん中は多少不十分でもいちおう形がととのっているように見えるし、最初のうちはそれでよいのである。これも、(祖父母に評価を求める)往復書簡にして、返信用の封筒に孫の自筆の宛名書きをさせておけば祖父母はいやでも返信しなければならないだろう。ただし、返信に難しい漢字を使ってもかまわないが必ずフリガナを付けるように頼んでおくべきだ(低学年の場合も同じ)。難しい漢字があり意味が分からなければ親に聞くか、辞書を調べることになる。フリガナがあれば辞書が引けることになる(注4)。小学生高学年の子どもには辞書を引く習慣をつけるようにすべきだ。祖父母からの返信はそのよい機会になる。

  さて、図示すると下記のようになる。文章の中身は「問題 (問題提起)」、「討論」、「解決 (決定)」という三部構成となるが、その上に「題」と「作者名」を書いて形式をととのえることを教える。また、文の出だしは1文字下げる(インデントする)ことも指導しておく。

  私が「討論」という用語を使うのは、提起されている問題に対して、賛成意見もあれば反対意見もあることを考えているからである。この“反対意見”の部分を入れ、その反論を入れれば、文章構成でよく取り上げられる「起・承・転・結」「転」の要素を取り込んだことになり、より高度な文章構成法となる。「討論」は「転」も含んでいるが、小学生高学年の段階で「転」を入れるのは少し早いかもしれない。場合による。

 

       [小学校高学年用]

 

  題:ぼくが大阪を好きな理由

              

                        名前 ◇◇ △△

 

 ぼくは大阪が大好きです。なぜだと思いますか。 (問題提起)

 

 大阪には□□があります。

 大阪は・・・                   (討論)

 大阪は・・・

 大阪は嫌いだと言う人もいます。でも、・・・

 

 

  上のような理由でぼくは大阪が大好きです。      (解決)

 

 

 

 

 以上である。最後の「解決」部分は本文の一部を繰り返して強調するような形でふくらませてもよいが、それは生徒次第である。最初はできるだけ単純な型を徹底して教えるのがよいと思う。上記の私の作文指導法は普通のレベルの生徒の作文力を向上させるためのものであるが、非常に優秀な生徒も文章の型を意識することによってさらに文章力は高まるだろう。

 

**引用することや私のアイデアを利用して別の文章の書き方を誘導するのも自由であるが、いちおう私(永井津記夫)のブログか、名前を出していただきたい。

  私は日本語を学び漢字で苦労している外国人(日本語を学ぶ初心者)のために『Nine-House Kanji Quiz』という本を1999年にアスク出版から出した。

(『Nine-House Kanji Quiz』はタイで翻訳版が出版され、近々モンゴルでも翻訳版が出される予定)

これは1992年から1999年まで読売新聞の出している英字新聞「Daily Yomiuriデイリーヨミウリ」に“Kanji Class”というコラムを持ち連載していたものをまとめて出版した本である(私の“考案”した漢字熟語を覚える書式と方式がある) 。漢字を含む日本文は出てくるが説明はすべて英語で書いたもので「英語の本」である。この本を出したとき、日本語の初心者である“日本人の小学生”のために日本語作文の指導をすることなど露にも思わなかったが、むしろ、この方を先に何らかの形で出すべきだったと今は考えている(評価されるかどうかはともかく)。「国語教育の中に日本語の作文(writing)の指導法がない」と文句を言っていても始まらない。今回、このような形で私の考える“作文の指導法”の実際の形を示せてほっとしている。

   ※一つ付け加えておかなければならない。私は小学校2年生の時に“葉書”を用いた“作文指導”を受けたわけであるが、その中身は「思っていることをそのまま書きなさい」という指導で小学2年生には難しすぎる指導であったが、ただ、葉書を使い“孫と母方の祖父母”と文通するアイデアは(当時だれが考え出したのか不明であるが)素晴らしかったと思う。私はここではそのアイデアをそのまま使わせてもらって、さらに一歩すすめて具体的にどのように書くのかを示した。もちろん、“具体的にどう書くか”が最も大切な部分である。 私のブログの中で現在このブログ「小学生のための国語作文指導法」がかなり読まれているようである。少しでも参考になれば「役立った」を押すか「コメント」を残していただければ今後も同様のことを書く上での励みになります。(この部分2020年5月26日追記)

 

(注1) 私は大学で、Creative Writing という英語のショートショートの書き方の指導を米人教授(ギルキーGilkey教授)から1年間学んだ。その間に5(?)編ほどのショートショートを創作し提出しなければならなかった。また、英語の卒論の書き方の指導を日本人の羽田教授から10時間ほど具体的に受けた(論文全体としての体裁の整え方、英文の引用の仕方、パンクチュエーションの打ち方、資料のまとめ方など)。卒論は指導教官との話し合いでテーマを決め、タイプライターで英文を打って提出することになっており(日本語は一切使わない)、昭和44年当時はまだワープロはなくブラザーの英文タイプライターを自分で購入して卒論を書き上げて提出した。従って、私は文章の書き方を[英語ではあるが]大学では具体的に学んだ。   ※※Creative Writing は4回生のときに受講した。最後の回のショートショートを書いているときにひどい風邪を引いて書けなくなり、2月10日ころの提出日に間に合わず、ギルキー先生に電話をかけ提出を2日延長してもらった。この講座の単位は必修で、落とせば卒業できなかったのだ。本格的に彼と話したのはこの時が初めてだった。翌年か翌々年、彼がアメリカに帰りMITで教えることになったので、お別れパーティーに参加して欲しいとAクラスの同窓生から連絡が入った(当時、大阪外大の英語科は60名だったがAとBの二つのクラスに分かれていて、私はBだった)。卒業生はすでに全国に散らばっており、海外にいる者もいてなかなか人数が集まらず、大阪で教員をしていて参加しやすい私に幹事が声をかけたようだった。集まった5名(男ばかり)はギルキー先生を囲んで談笑した。最後に、ちょっとしたお土産を渡すことになったが、「これはちょとしたものですがお受け取りください」という英語をどう言えばよいのか詰まっていると「This is a small memory for you.」と言えばよいとギルキー先生から“最後の講義”を受けた。今ではなつかしい思い出である。

(注2) Essay Writingは日本語の“小論文”と同じと考えてよくいわゆる「序論・本論・結論」の三部構成が書き方の基本でありこの型を米国では生徒に教え込む。私自身は英語や日本語の文章の分類から「問題・解答」型と、「問題・討論・決定」型があることを私のブログ「英語の話④日本語の文章型と英語の五文型の関係」の中で論じ、この型で文章も書けばよいことを示している。 

 

(注3) Creative Writingは創作文であり、ショートショートや物語をつくるのであるが、これも型を中心に内容として盛り込む要素を教える。

(注4) 日本語は小さな子どもにとっては外国語に等しい。私が小学校5年の時に文章を読んでいて一番こまったことは知らない漢字をうまく調べられないということだった。それで、(大人の)本を途中で読むのを諦めざるを得なかったということがあった。もし、フリガナが付いていたら何とか対処できたのではないかと思う。英米人の子どもの場合、大人が読むような本でもすこしませた子なら辞書を使って簡単に意味を把握できるのだ。わからない漢字を漢和辞典で小学生(低学年)が調べるのは困難だが、英語の辞書はabcが分かっていれば子どもでも引けるし、小さな子ども用に開発されたわかりやすく言葉を説明する辞書もある。したがって、英米人のよく国語(英語)のできる子どもは、小学生の低学年から辞書に親しんで文章に秀でている子ということになる。日本人でこのような子どもをつくるためにはすべての漢字に戦前のようにフリガナを付ければよいと思う。そうすれば、小さな子どもの時から比較的むずかしい本を読む習慣ができて、読解力とおそらく作文力にもすぐれた作家の卵ができるように思う(フリガナは外国人にとっても便利であろう)。  (2019年1月4日記)

すぐれた詩人や作家が育たないような国には優秀な科学者も育たないと私は思う。どこかの政府のように大学の文学部などは軽視し、理工学系に重点をおき、しかも、基礎研究を無視し、鼻先に金(研究費)をぶらさげ、今すぐ実用的成果を出せというような政策はノーベル賞受賞者を生み出すような環境ではない。すぐれた詩人や作家は国民(国家)としての余裕であり、余裕のない環境は立派な成果につながらない。大学などの研究機関において余裕のある環境の中で2割の“働き蜂”が成果を生み出すのだ(残りの8割のハチはさぼっているように見えるかもしれないが、頑張る2割の側面援助をしていると考えればよい)。  (1月5日追記)      (1月13日追記)