川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

10月27日(土)のつぶやき

2012年10月28日 | 日記・雑記・独り言

老軀慎太郎出馬は、若い奴らだらしないなというメッセージ。選挙権被選挙権を持ちながら十年も何やってんのという旧世代からの叱責 それを我がこととして受け止める


明日から一週間タイ出張です。不在中ご迷惑をおかけします。


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10月26日(金)のつぶやき

2012年10月27日 | 日記・雑記・独り言

iPhone4の寿命が短かったのは、空港で買った乾電池式充電器で充電したからかもだって


八月に大阪でIPBAセミナーをしたら、その聴衆の若手弁護士ら四名が大阪その他から永田町の僕のところに来て、アジア進出の夢を語る。熱意ある人は応援したくなる


嫉妬と羨望と憧れを、自己啓発に向けた前向きな向上心に昇華させる人もいれば、後ろ向きな憎悪と反発にしか転化できない人もいる


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10月25日(木)のつぶやき

2012年10月26日 | 日記・雑記・独り言

石原慎太郎傘寿の国政復帰。だが松永安左エ門を尊敬するので何も言えない


ああ・・・。どうあれ、次の選挙は投票に行きましょう。特に若い人。 QT 石原知事が辞任表明、新党結成へ 憲法改正目指す - 47NEWS(よんななニュース) 47news.jp/CN/201210/CN20…

中山達樹 Tatsu Nakayamaさんがリツイート | 1 RT

出自や国籍や性別と能力が無関係であるのと同様,年齢と能力も無関係。高齢のみを理由にレッテルを貼る論調に気をつけたい


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任期途中の辞職について

2012年10月25日 | 政治
あるメディアである教授:「新党立ち上げのために途中で都政を投げ出したのは無責任極まりなく、都民への背信行為と言える」

しかし政治の世界は結果がすべて。任期途中で辞めることがすべて悪なのか? サラリーマンが国政に出馬するとき,どこかのタイミングで仕事を辞める。それをもって「(その会社のお客さんや上司や後輩への)背信行為」とは言わないだろうし。

たしかに政治家は投票を受けているからサラリーマンと同列に論じられない。でも大きな善のために小さな善を犠牲にすることはあっていい,それが政治の世界?

任期満了まで務めることを都民と約束したのか,それとも何らかの仕事を成し遂げることを都民と約束したのか。まあ今期に彼は何もしてなさそうだけど
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10月21日(日)のつぶやき

2012年10月22日 | 日記・雑記・独り言

備忘:2歳3か月の長男が「行かない」「うんち」「おしっこ」など基本的な意思表示をできるように。嬉しいけど寂しい


備忘:妻の実家近くの河川敷をランニング。久々に自然に触れる。豊洲-永田町の往復生活では人工物ばかりに囲まれストレスが溜まっていることを知る


25歳で東証一部上場、リブセンス村上社長。髪を乾かす時間がもったいないので、ヘアードライヤー2本使って、両手で乾かすそうだwww 仕事にかける執念、勉強になります。

中山達樹 Tatsu Nakayamaさんがリツイート | 46 RT

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10月20日(土)のつぶやき

2012年10月21日 | 日記・雑記・独り言
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孫正義の借金

2012年10月20日 | 社会・時事など
ソフトバンクの米会社買収に思う。恥ずべきは借金することではなく,挑戦しないこと。借金してでも挑戦するくらいの気概がないと。
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10月18日(木)のつぶやき

2012年10月19日 | 日記・雑記・独り言

知ってましたか?35~44歳男性の死亡率は0.78‰ に対して、病気・ケガで障害状態になる確率は0.62‰ 。生活保護世帯の4割が「世帯主の傷病」を理由として貧困に陥っています。みんな死亡保険は入っているけど、就業不能保険は入っていない。 ow.ly/exhf1

中山達樹 Tatsu Nakayamaさんがリツイート | 58 RT

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備忘:最近

2012年10月18日 | 日記・雑記・独り言
最近携帯を携帯しないためツイッターもお休みしています。iPhone5は予約から3週間,まだ届きません。

先日はI先輩OさんTさんのIPBA入会祝いを永田町Madurezで。かなり盛り上がったが華がなかった

先日はマーライオン勉強会東京支部。人数が増えて賑やかに。

30代あと2年というのはお尻に火が点いた感じ。もう何も遠慮せず尖っていこう,そう思わせる年齢。

同僚アメリカ人によれば,出産前後に妻が妻の実家に帰る。これアメリカではあり得ないんだって。日本のほうが母子の結びつきが強いのか,依存心が強いのか。

都内某病院の出産立会費用1万円。特別な消毒もマスクも何もなく,「旦那さんちょっと向こうに行って」と言われただけで一万円ナリ。生誕という慶事と妻子の入院という弱みに付け込むアコギな商売か?

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10月14日(日)のつぶやき

2012年10月15日 | 日記・雑記・独り言

暑苦しくて情熱があり余って人を巻き込まずにはいられない,そんな人が政治家に向いているのかと


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10月13日(土)のつぶやき

2012年10月14日 | 日記・雑記・独り言
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ロシア・レポート ~領土問題と日露ビジネス~

2012年10月13日 | 旅行記
先日,IPBA(環太平洋法曹協会)のAPEC(アジア太平洋経済協力)委員会でロシアのサンクトペテルブルクに出張して参りましたので,ロシア事情などをご報告いたします。

■ 訪問目的

先日ロシアのウラジオストックでAPECが開催されましたが,それに先立ち,APECの中小企業部会(Small and Medium Enterprises Working Group Meeting)にIPBA代表として出席しました。IPBAとAPECは,対象とする地域(アジア太平洋地域)が重なることもあり,2年前から友好協定を結んでいます。

その友好関係をIPBAとして今後どのように活かしていくかを模索すべく,各国代表合計数十人が出席する部会の末席を汚させてもらうことになりました。APECの会議に出席するのは初めてでしたが,IPBAとは異なる議事進行などが勉強になりました。

■ サンクトペテルブルクという街

サンクトペテルブルクは,ソ連時代はレニングラードと呼ばれ,世界最北の100万都市です。200年ほど帝政ロシアの首都でした。高緯度のため,夏なので朝4時から夜24時まで明るかったです(気温は20~25℃程度)。逆に,冬は朝10時から昼3時くらいまでしか陽が出ないようです。

最後の半日は観光に充て,エルミタージュ美術館や血の上の救世主教会など,古都ゆえの由緒ある建築物等を多く堪能しました。他の多くの欧州の都市と同様,建築制限により高さ約30メートル以上のビルがほとんどなく,しかも高さが揃っていため,街並みがパリのように美しいことが強く印象に残っています。

日本では,京都で高さ制限がありますが場所によって異なるため高さが揃っているということはなく,銀座も屋上広告を含めると66メートルなので人間の感覚からするとだいぶ高く,やはり高さが揃っていません。欧州のような石造りの街と,日本のような木造建築が多い(多かった)国では市街地の景観を単純に比較できませんが,景観保護のために政治が強く機能してきたであろうことを感じました。

■ ロシア人

印象に残ったことは,街ですれ違う人の約99%がコーカソイドである(つまり,アジア人や黒人をほとんどみかけない)ことです。このような街は世界的に見ても珍しいのではと思いました。

抱いていた先入観と異なり,ヒョードルやシャラポワのような,すれ違っただけで「ごめんなさい」と言いたくなるような肉体的威圧感のある人はさほど多くなく(100人に1人くらいでした),自分より小さいロシア女性などに逢うと,ロシア人に対する親近感が湧いてきました。やはり百聞は一見に如かずということでしょうか。

また,東南アジアでよく見かける「追従的」笑み(例えば,タクシー運転手がおつりを払わないときに作る「勘弁してよ,旦那」的な笑み)を見かけません。

社会主義体制に慣れてサービス精神が発達していないからか,愛想笑いもなく,テーブルに伝票を叩き付けるようにして置いていくレストランの店員。ああここはアジアではないのだなと改めて感じました。

■ ビジネス事情

ロシア人弁護士と一時間ほど日系企業の投資状況などについて話し合いました。聞けば,医療や自動車産業が未発達である点など,ロシアに日系企業が食い込む余地は十分大きいようです。

しかしながら,日系企業の進出は芳しくありません(ロシア全体の登録在留邦人は2,000人強で,シンガポールの10分の1,タイの20分の1です)。その理由を尋ねると,一言「Perception」。領土問題に触れた後の文脈で語られた言葉なので,戦争と領土問題の影響は日露ビジネスにも色濃く影を落としていることを知りました。

実際,ロシアは我々の紛れもない「隣国」ですが,我々は韓国ほどに親近感を抱いているとは言えません。それは人種が異なることもあるでしょうが,やはり長年の領土問題が影響していると言えるでしょう。

なお,ロシア人は案外親日的で,サンクトペテルブルクで最も人気のある料理は,スシだそうです。戦争を知らない世代(つまりは,互いに偏見を持たない世代)が増えることで,日露ビジネスも今後より活性化するだろうという意見も聞きました。

ウラジオストックでAPECが開催された理由の一つに,ロシア側の極東開発目的があると言われています。日系企業がアジアを中心に進出する中で,今後ロシアへどれくらい進出するようになるか,注目したいところです。

なお,ロシア人弁護士が「ロシアはアジアに位置する」と定義づけていましたが,実際調べてみると,ロシアの特にウラル山脈以東は「北アジア」に分類されるようです。日本的な感覚では「アジア」という語にロシアを含めることは多くないように思いますが,この辺の感覚にも我々のロシアに対する距離感が反映しているようです。

■ 弁護士事情

弁護士はアドヴォカートと呼ばれますが,それとは別にユリストという日常用語があり,これは主に弁護士資格を有さずに代理人業務を行う者のことを指します。

日本では民事でも代理業務は基本的に資格を有する弁護士しか行えませんが,ロシアでは民事事件では弁護士資格を有さないユリストも代理人となることができます。

訪れた弁護士事務所の会議室の内装が,宮殿に用いられる柱をモチーフとしていたのが印象的で,当然ではありますがロシア的美的感覚が日本人と異なることを感じました。

以 上

 ※ 日本IPBAの会ホームページにも記事を載せております。
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タイ・レポート ~労働法事情~

2012年10月13日 | 法律・海外法務
事務所HPから転載

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先日,第一東京弁護士会の労働法制委員会の外国法部会で,タイ労働法に関する講師として招かれる機会がありました。同部会で話したタイ労働法の特徴を簡単に紹介します。

1 解雇に対する厚い保護

日本と同様,解雇には正当事由が必要です。以下に述べるように,労働裁判所での無料かつ口頭での提訴が許されていることからも,労務紛争を未然に防止するためには安易な解雇を回避しなければなりません。

また,日本と異なり,解雇の際には法定の解雇手当を支払う必要があります。おおよそ1年勤務につき1か月分の給料相当額が解雇手当として法定されています。なお,便宜上一般の呼称に従って「解雇手当」という用語を使用していますが,解雇の場合のみならず,定年の場合など会社都合で労働者を退職させるときに広くこの「解雇手当」の支払義務が発生します。その意味では,解雇手当というよりは「離職手当」という用語の方が日本語の本義に近いことになります(本稿では一般の慣用に従って解雇手当という用語を使用しています)。

2 厳格な労働協議の手続

労働協議をする際に,相手方に通知書を事前に交付したり,労使協議が不調の場合は労働争議調停官による調停が必須であったりするなど,厳格な手続が定められています。労働組合も他国と比べると脆弱ですし,敬虔な仏教徒が多く使用者と対立関係になることを好まないためか,他のアジア諸国に比べてストライキは少ないといえます。

3 慢性的な人材不足

タイの失業率は2~3%と低く,また,大卒者の割合が低いことなどから優秀な人材が限られているため,アジアの中でも最も人材確保が問題になっています。

また,タイ人は,日本のように終身雇用に近い価値観を持っていることはほとんどないため,少しでも給料が高い企業に簡単に転職(ジョブ・ホッピング)してしまいます。そのため離職率が一般に日本より高く,労働者に様々なインセンティブを与えて容易に退社されないような工夫をすることが重要です。

4 最低賃金上昇

インラック新政権の公約に基づき,2012年4月から,最低賃金が上昇しました。場所によっては40%上昇したところもあり,その余波を受けて日系企業の賃金も平均で10数%上昇したようです。

5 労働裁判所

労働問題については,労働裁判所という特別裁判所が用意されており,労働者が無料かつ口頭で提訴することができます。弁護士費用や訴状作成の負担がないので,労働者からの提訴のハードルが日本の裁判所に比べて低いことに留意する必要があります。

6 タイ特有の労務対策

一般的に,タイ人はプライドが高く体面・面子を大事にすると言われています。そのため,人前で労働者を叱責することは御法度とされています。その他,タイ人の笑顔の下に隠された真意を知ることが大切だったり,家族を大切にするタイ人の価値観に配慮する必要があったりするなど,日本とは異なる対処が必要になります。

以上

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アルゼンチン・レポート

2012年10月13日 | 旅行記
事務所HPから転載

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ラテンアメリカ労働法の研究目的でアルゼンチンとペルーに行って参りました。南米レポート第一弾としてまずはアルゼンチン事情をお伝えします。

■ アルゼンチン

豊富な資源に支えられ1929年には世界で5本の指に入る大国でしたが,2002年に財政破綻し,一時は失業率が20%を超えることもありました。最近は財政的に持ち直しているようであり,街の一部を見ただけでしたが,失業者が溢れているような光景はありませんでした。

ただ,至る所でゴミが散らかっているのが驚きでした。財政悪化のせいですが,これは後述します。また,インフレが激しいためか貨幣が信頼されていないようで,アルゼンチンペソをペルーでペルー通貨のソルに換えようとしましたが断られました。

■ アルゼンチン人

いわゆる「南米」的な,先住民の血が明らかに混じっていると思われる顔(例えば,マラドーナのような顔)はほとんどなく,メッシのようにいかにも「白人」という風貌がほとんどです。他の南米諸国と大きく異なり,9割方はスペイン系・イタリア系の移民で,白人国家とも言われています。

国民に一番人気があるのは,エビータの愛称で知られるエバ・ペロン(33歳で夭折した,ペロン大統領夫人)のようです。至る所にエビータの肖像・写真がありましたが,マラドーナやチェ・ゲバラの写真は見かけませんでした。

観光客が集まる場所であっても,日曜日には多くの店が営業を休んでいました。営業利益よりも休暇を優先する国民性か,教会での礼拝が理由なのか分かりませんが,これもラテン系ゆえかと思いました。

■ 日系人

日系人は2万人強いるようですが,ほとんど見かけませんでした。また,日本人観光者も見かけませんでしたし,アジア系の風貌自体が希有でした。黒人もほとんどいません。日本食レストランも多くなく,街で日本語は見かけません。

中国人と見分けがつかないからか,「ニーハオ」と話しかけられることもありました。先月赴いたサンクトペテルブルクで白人の多さとアジア人の少なさを強く感じましたが,ブエノスアイレスでも同様の印象を受けました。

■ ブエノスアイレス

首都ブエノスアイレスは,都市圏人口約1,300万人の大都市。100メートル四方の正方形ブロックが街区を構成し,50メートルほどの高さ制限もあるようで,整然とした街並みは「南米のパリ」とも言われています。

ただ,パリと異なり至る所に落書きが溢れ,路面もでこぼこでとても歩きづらく,ゴミも多く散らかっており,お世辞にも綺麗な街とは言えません。

地球の真裏にあるため,時差は12時間で日本とちょうど半日違い。冬から春になる時期でしたが,日中はTシャツ1枚で動ける陽気な日もありました。

19世紀初頭の独立以降に発展したため歴史はさほど古いとは言えませんが,それでも100年規模の歴史を誇る建造物は多かったです。木造建築が多く空襲や震災で歴史的建築の多くを失った日本に比べると羨ましい思いがします。

独立記念日にちなむ7月9日大通りは世界最長の幅員を誇り,片道10車線,双方向で20車線です。日本車の数は1割にも満たないようです。他の高級外車もほとんどみかけませんでした。

地下鉄が6本も走っており,そのうち1本は100年以上前に敷設されたもので,20世紀初頭のアルゼンチンの繁栄を物語っています。これは日本最古の銀座線より古く,銀座線敷設前に日本から視察使節が来たそうです。

■ 散乱するゴミ

ブエノスアイレスの落書きや落ちているゴミの多さは,私がこれまで訪れたアジア・アフリカ・欧州諸国の中でも群を抜いていました。経済事情が悪く清掃員を働かせることができないためだそうです。これでは南米のパリも台無しだと思いました。

■ スペイン語

ほとんど英語は通じず,スペイン語しか通じません。私が外国人(観光客)だと一目で分かるであろうに,当然のようにスペイン語で話しかけてきます。スペイン語と英語の単語には共通するものもありますが,共通しないものはある程度勉強しないと全く分かりません。

例えば,お土産屋で値段を聞いても「シンクエンタ(50ペソの意)」などと言われるし,男性用トイレの表示も文字で「Caballeros(男性)」「H(hombre=男性の略。女性はM=mujer)」と書いてあるだけのところもあり,全くスペイン語を知らないとかなり苦労します。また,スペイン語圏の英語話者は,10時15分を”a quarter past ten”と表現する人が多いようです。

■ 弁護士事務所訪問

300人以上の弁護士を擁するアルゼンチン最大の法律事務所に勤める,IPBAの友人弁護士事務所を訪問しました。アルゼンチン法に関する貴重な情報を入手することができ,IPBAのつながりは改めてありがたいと思いました。

瀟洒なオフィスでしたが,「この事務所には何人の弁護士がいますか」と受付のお姉さんに訊いたところ,「Muchas(たくさん)」という回答が笑顔で返ってきたのがラテン的だと思いました。

■ アルゼンチン労働法

シンガポールやアメリカの多くの州と同様,解雇には正当事由が不要です。国内投資と移民を促進するため使用者寄りの労働法を用意しています。これは,先住民の血を引いた労働者が多いペルーで,労働者保護のために解雇に正当事由が必要であるのと対照的でした。

使用者を保護する(アルゼンチン)のか労働者を保護する(ペルー)のかは,先住民労働者を保護すべき要請がどれだけ多いかという文化的・社会的背景が影響しているようです。これはペルーに関するレポートで後述します。

■ JETRO訪問

ブエノスアイレスにあるJETRO事務所はサンパウロ事務所の支局という扱いにすぎず,サービスオフィスの一角に10畳くらいの一室を借りているだけで,アルゼンチンの日系企業に関する情報は得られませんでした。

例えば日系企業が多いバンコクのJETROオフィスには図書室がありタイの法律情報が得られますが,さすがに地球の裏だと対日貿易の影響力は小さいのだと改めて思いました。支局に格下げされたのは事業仕分けの影響だそうです。

■ 最高裁判所見学

荘重な建物ですが,下級裁判所の機能を兼ねているからか,誰でも自由に出入りできるカジュアルな雰囲気で,床には巻かれたビラが散乱していました。極めて静粛で緊張感のある日本の最高裁判所とは大違いでした。

■ 充実した法律書籍

最高裁判所近くの法律専門書を扱う書店でアルゼンチン法に関する文献を探したところ,学説に重きを置くシビルローの国だからか,多くの本が出版されていることが印象的でした。この点は,判例を重視して学説を重視しないコモンローの国シンガポールと大きく違うようでした(シンガポールの歴史が浅いということもあるでしょうが)。

■ 食事

牧場に恵まれているからか,牛肉が有名です。1キロ弱のステーキが出てきたときには驚きました。また,ぶどうも採れるのでワインでも有名です。

以上
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ペルー・レポート

2012年10月13日 | 旅行記
事務所HPから転載

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南米レポート第2弾はペルーについてご報告します。ペルー労働法等の研究のため,首都リマに赴きました。

■ ペルー概要

ペルーと言えば何を連想するでしょうか。フジモリ大統領,マチュピチュ,ナスカの地上絵,日本大使公邸襲撃事件…といったところでしょうか。私もその程度の知識しか持ち合わせていませんでしたが,①アルゼンチンと大きく違って白人が少ないこと,②首都リマが観光資源に恵まれていること,③食事がすごく美味しいこと,④生活の中で感じる国の経済的未熟度など,学ぶことがとても多かったです。

■ 民族

アルゼンチンと異なり,欧米系の白人は15%しかなく,残りは先住民か先住民と欧米系の混血です。また,先住民系は背が低いのが驚きでした。身長150センチ台の男性も多いようです。私は日本でも平均より低いですが,その私でも人の頭を見下ろすような感じになります。先住民系の平均身長は,アジアのどの国よりも明らかに低いです。日本より平均で5センチ近く低いのではと思いました。

スペイン人等のラテン系民族もそれほど背は高くはありませんが,南米諸国の多くが欧米に搾取されたりした歴史も,欧米系との身長差が心理的・軍事的に関係したのではと思いました。

■ 歴史

アルゼンチンと比べると遥かに豊かで複雑な歴史を持っているようです。インカ帝国を築いた先住民文明。アメリカ大陸で「帝国」と呼ばれる歴史を有していたのはペルーくらいです。1821年にスペインから独立するまでに,16世紀のピサロの活躍などいろいろありました。現在のペルーの人口は3,000万人弱です。

■ タクシー

タクシーにはメーターがありません。乗る前に金額がいくらになるか交渉しなければなりません。これはミャンマーやロシア(場合によってはタイも)でも同様ですが,乗車拒否もされることがあるので,かなり不便というかストレスとなります。こう考えると,「メーター付きのタクシーが走っている」というのはその国の発展度合いを計る一つの尺度になるようです。

なお,ペルーではアメリカドルが通用します。アジアでアメリカドルが普通に流通しているのはミャンマーやカンボジアですが,その国の通貨が信用されていないという点でペルーも同程度の扱いを受けているようです。

■ 治安

治安はよくないようです。私の滞在中は危ない目には遭いませんでしたが,大きな家やオフィスはどこも高い塀で囲まれ,その上に有刺鉄線か防犯用の電線が引かれています。法律事務所の入り口の塀にも表札も何もなく住所番号があるだけで,外見からは法律事務所だと全く分かりません。法律事務所であることを示すと泥棒の標的になるからそうしているそうです。

訪れた法律事務所は,外観(塀の高さが約5メートル)もセキュリティも,大使館のような重々しさがありました。このような厳重な防犯状況にある街を歩いていると,肌感覚として治安が悪いことが感じられます。

■ リマ

①荘厳な歴史的建築物と②美しい海岸地帯と③古く汚い車のコントラストが印象的でした。インドのタージマハル周辺でも感じましたが,数百年昔から壮大な建築物を建造する権力や技術があるのに,現代において市井の人々がその生活において偉大な遺産を享受できていないように思えるのは,やはり搾取・苛政が続いてきたせいでしょうか。

地面はブエノスアイレスほど汚くなく,清掃・整備が行われているのだと知れます。地下鉄がないこともあるのでしょう,市内の一部はものすごい渋滞を引き起こしていました。

ただ,アスファルトの舗装技術がないからか,路面の微妙な段差が身体に振動するので,車での移動が快適とは言えません。また,車の密集地域では,インドほどではありませんが,常にクラクションがけたたましく鳴っていました。

走っている車の多くは非常に古く,例えばタイやインドネシアより古い車が多かったです。ペルーの一人当たりGDPはタイと同程度でインドネシアより高いですが,肌感覚ではペルーの方が未発展だと思いました。一人あたりGDPは一つの指標になりますが,一方で一つの指標にすぎないことを実感しました。

アルゼンチンで頻繁に目にした落書きがペルーでは少ないこと,アジア諸国にも落書きはほとんどないことからすると,落書きがヨーロッパ文化?と語られることにも合点がいきます。 

■ ペルー人

傲岸な白人と純朴な先住民という図式は南米にもまだあてはまるようで,南米の人でもアルゼンチン人を嫌う人がいたりするそうです。ペルーでは入国審査や裁判所へ入る際のチェックも牧歌的な雰囲気がありましたし,先住民の血を引いた多くのペルー人に対しては,モンゴロイドに対する親しみやすさを感じました。

■ 日系人

ペルーに9万人程度(約300人に1人)いるはずですが,ほとんど見かけませんでした。ペルーでは広く東洋系を「Chino(チーノ)」と呼称し,日本人もチーノに含まれます。

■ ペルーの法制度と運用

アジア諸国にあるような投資優遇制度がありません。強い保護主義的な制度があるというわけではありませんが,日系企業からすると,インセンティブがないため投資はしにくいようです。また,役所への届け出でも人によって対応が違ったり,賄賂を払わないと対応してもらえかったりという途上国特有の問題を抱えています。そのため,ビジネスを行う際にはキーパーソンとのつながりが特に大事になってくるようです。

労働法は,アルゼンチンとは異なり,解雇に正当事由が必要であることなど,労働者保護に傾いています。これは,労働者の中に多い先住民を保護すべきという文化的要請が背景にあるようです。アルゼンチンで,アルゼンチンに投資しようとする白人の側に立ち,使用者を保護すべく解雇に正当事由が不要であることと対照的でした。

労働裁判は,今年11月から口頭審理を行う新しいシステムに移行して裁判の迅速化を図っているようです。労働裁判所の一室(日本の弁論準備室のようなところ)で行われた裁判期日を傍聴しましたが,期日後にその裁判官が我々にペルーの労働裁判につき懇切丁寧に英語で説明してくれたのが印象的でした。

■ 貴重な友人関係

IPBAのメンバーでもあるシンガポール国立大学時代の親友の紹介で元労働大臣に逢えたり,親友の自宅に泊まらせてもらったり,ハイヤーを手配してもらったりと,大変な歓待を受けました。留学やIPBAを通じて人との貴重なつながりができることの有り難みを,改めて実感しました。

■ 自動車

リマを走っている車のうち日本車は2割程度でしたが,新車のうち日本車のシェアは4割だそうです。アルゼンチン同様,高級外車はほとんど走っていません。マーケットが大きくないことと輸入関税の低さから,自動車をはじめとする製造業の進出は難しいという意見もあるようです。

交通量の多いところでは,排気ガスの匂いが漂ってきます。走行車両の排気設備が日本と比べ悪いのでしょう,日本よりかなり空気が汚染されていることが分かります。なお,タクシーはほとんど空調設備がないようで,窓を開けて走っています。

■ グルメの国

ペルーは自他ともに認めるグルメの国です。肉料理の多いアルゼンチンと違い魚料理が豊富で,味付けも脂っぽくなく,日本人の舌に合っています。日本に導入したら流行るだろうという料理がいくつもありました。

調べると,ペルーの漁獲量は中国に次いで世界第2位。また,ポテト(じゃがいも)の原産地はペルーだそうで,ペルーには2,000種類以上のポテトがあるそうです。

■ リゾート地としてのリマ

リマの中心から太平洋岸まで数キロのところに,ラルコ・マールという商業施設があります。断崖の下に美しい太平洋を臨む景観は,世界でも有数と言えるほどで,リゾート地としての魅力を有しています。

東京の都心から太平洋を臨むビーチの開放的な気分を味わうには1時間以上かかりますが,リマではそれが目と鼻の先にあります。ペルーといえばマチュピチュばかりが語られますが,リマだけでも観光資源が豊富な魅力のある街だと知りました。

以上

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