ケアマネなんかやってられっか!

現役ケアマネが介護や福祉の現場で気づいたこと、腹の立つこと、疑問に思うことなどをごく個人的な思いで語ります。

底の年

2008-12-29 | Weblog
 この年末に来てインフルエンザにかかってしまった。予防注射もしていたのだが、やはり「病は気から」である。公私ともにストレスが重なって頭の中でぐるぐるぐるぐるマイナスなことばかり考えてしまう。そんなところにウイルスが入ってきたのだろう。39度近い熱で頭、喉、関節が痛く、身体が重く、寝ているのか覚めているのか、幽明の境を行きつ戻りつしているというと言いすぎかもしれませんが、気力、体力ともに底に落ち込んでいく感じでした。

 そうやって寝ている間に飯島愛が亡くなり、ガザで大規模空爆が起こり、介護報酬の改定が決まりました。

 たった数日なのに自分の意識が飛んでいるような状態になると自分と世の中との繋がりが感じられない、気持ちの良くない浮遊感にとらわれる。

 
 このブログでは介護報酬改定について書くことが正しい(?!)のでしょうが、今は「改定でまたパソコンのソフト会社が大変になるんだろうな」ぐらいのことしか考えられません。4月以降、実際に始まってみていろんなことがでてくるのでしょう。

 とりあえず今年は私にとって底の年でした。来年こそは良い年でありますように。皆様も良いお年をお迎えください。



 今日のキーワード  「インフルエンザ」「底の年」



悩みは身体を蝕む、でも越えれば心も身体も強くなる…か?

2008-12-10 | Weblog
 ピカソ展を見てきました。東京で国立新美術館とサントリー美術館で開かれているものです。もともと好きな画家なのですが、改めてその魅力に引き込まれた感じがしました。年譜にでているだけで7人の女性遍歴にもうらやましさを感じました。男だからでしょうか。

 ピカソと比較するのは問題外でしょうが、あそこまで自由に生きられたら本当に悔いがないと言えるのではないでしょうか。そのときどきで悩むことがあっても、本人が言うように「日記代わりに作品を書いて、作って」いたのだから。
 80歳すぎても元気で若い恋人もいて、うーん、やはり比べるのが間違いでしょうが。


 自分の状況がおかしくなるとどんどん変なことを考えます。銀行強盗は無理だろうかとか、競馬で大穴当てられないかとか、いきなり遺産が入ってこないかとか。
 知り合いに話したら、その人も分かるといっていました。その人の場合、苦しかったときに自分がスーパーマンになれないか本気で考えたそうです。
 なんだか認知症の妄想のような感じになります。それだけ追い詰められているということなのかもしれません。この1ヶ月ほどで体重が3キロ以上減って、お腹が始終重い感じです。今まで人並み以上に食って飲んだことで引けをとったことはないのに。「病は気から」は確かにそうです。滅入っていると、あっというまに身体がおかしくなってきます。


 

 先日、利用者が亡くなりました。いつも利用者が亡くなるとそれなりの感情が起きますが、今回は特に堪えました。
 ある病院の相談員から退院するから、と言われ引き受けたのですが、亭主関白で二人暮しでまだ寝たきりに近い状態だったので、もう少しリハビリをしてからと退院を伸ばしてもらったのですが、どうしても本人が退院したいと言って、その間にガンが進行して食事も取れなくなったようで、退院を決めたときには末期状態でした。先生もこんなに早く進行するとは思わなかったようです。
 退院して、2週間ほどで亡くなってしまいました。私が退院を遅らせたばかりに、もう少し自宅で過ごせて家族との安らかな最後を向かえられたのではないかと思うと悔しい、情けない、申し訳ない気持ちになりました。ご家族に話しましたが、「一生懸命やっていただいたし、ガンの進行は予想以上に早かったし、実際、自宅に戻ったら、母が倒れていたかもしれない。最後に決めたのは私たちだから」とかえって慰められました。

 自分の至らなさをつくづく感じます。それも公私ともに……。

 「生きることはつらい。でも死ねないから…」と、ときどき利用者の方から聞いていた言葉が、自分の言葉として心のなかに何か得体の知れない大きな影のように覆っている毎日です。
 


今日のキーワード  「 ピカソ」「自由」「妄想」「病は気から」