ケアマネなんかやってられっか!

現役ケアマネが介護や福祉の現場で気づいたこと、腹の立つこと、疑問に思うことなどをごく個人的な思いで語ります。

仮想ケアマネ日記「介護保険は地獄の門」?!

2007-09-28 | Weblog
 介護従事者Ⅹ「もう介護業界に未来はないね。職員は集まらないし、儲からないし、コムスンのことがあったから利用者が見る目も厳しいし、何より保険者や都道府県の締め付けが厳しくて、まともな介護ができない。必要な介護サービスを受けられる条件がどんどん付いて、狭き門になってしまった」
 
介護従事者Y「狭き門ではないよ。地獄の門よ。ロダンの彫刻ならば傑作だけど、こっちの門はホントの地獄の門だ!」
 
介護従事者Z「それじゃ、俺たちは地獄の門番か?!」
 
介護従事者Ⅹ「地獄の門番? その通りじゃないの。あの“考える人”は今の介護保険制度を憂えているんだよ。その横で俺たちはきっとごちゃごちゃっとして、もだえ苦しんでいる。その門を要介護者たちがくぐっていくんだよ」
 
介護従事者Y「おいおい、まったくシャレや皮肉ですまないね」
 
介護従事者Z「『此門を過ぎんとするものは一切の望みをすてよ』か。確かに今の日本では要介護者になって介護保険のお世話になろうとするときには望みはかけないほうが正解だね」
 

介護従事者Ⅹ「例外があるだろ。地獄の沙汰も金次第。金がある奴は有料老人ホームに入って、贅沢な介護を受けられる」
 
介護従事者Y「いや、有料ホームにしても職員が集まらなければ、キチンとした介護は受けられない。実際、有料ホームほどピンからキリまであるんじゃないの」
 
介護従事者Z「介護はつまるところ“金をかけるか人手をかけるか”だろ。金で解決できなければ、やっぱり家族に頼るしか手はないのかね」
 
介護従事者Ⅹ「介護保険制度は“介護を家族から社会に”というのが趣旨だったのに逆戻り。結局、元の木阿弥か……」
 

今日のキーワード 「狭き門」「地獄の門」「地獄の門番」「元の木阿弥」

サガワと介護と国会と…

2007-09-26 | Weblog
 月末は利用者回りで忙しい。利用票にハンコをもらうため「サガワ」などと呼ばれることもあります。なぜ「クロネコ」ではなく「サガワ」なのか。
 
 以前のサガワは非常に態度が悪かった。ほんとに荷物を放り投げていくようにしてハンコをもらったらさっさと走りさっていった。今は少しは良くなっているが、それでも「クロネコ」に比べると荷物の扱いや態度がガサツな人が多い。
 あくまで私の印象なので違うと言う人もいるだろうが、とりあえずそのように私は思っています。

 さて、今のケアマネは以前の50件以上持っていた場合と比べて、35件で「サガワ」をしなくなっているだろうか。35件は要介護の方で残りの4件分を全て介護予防の方を持ったら、35+8=で43件。うち8件は実際の訪問は3ヶ月に一回でよいとされているが、やはりなんだかんだあって、1ヶ月に一回くらいは訪問しているようだ。私は予防支援は引き受けていないので、周りからの情報であるが…。

 以前より書類やら会議やらが格段に増えていることを考えると43件もっている場合、以前の50件より確実に忙しくなっている。35件だけでも以前から比べて仕事がしやすくなっているとか、時間に余裕ができたというケアマネにはあまりお目にかかれない。以前から書いているが、居宅のみで独立している事業者はほんの数パーセントにしかすぎない。他の大多数は訪問介護や福祉用具、施設との併設などで成り立っている。4月の改正(「改悪」?!)でほとんど全ての介護事業者が経営が悪化しつつあると考えている。そこにコムスン事件の追い討ちで介護事業から手を引く、手を引きたいと考えている事業者が出ている。また働く環境は全く良くならないため働き手もどんどん辞めている。

 デイや特養などの施設では、減算を恐れて職員は基準に達していても、辞める人間のことを考えて利用者を定員いっぱいには入れないところも出てきている。

 以上のことから何が言えるか。同じことの繰り返しであるが、今の介護保険制度は介護の担い手・従業者、経営者、もっとも大事な利用者のことを考えては作られていないし、今後も作られる気配がない。
厚生労働大臣が頑張っているように見えるが、官僚の抵抗にどれだけ立ち向かえるのか、立ち向かう気があるのか。

 介護を社会で担うための介護保険制度だが、社会の仕組みを作っている立法・行政の要の国会が茶番劇ばかりでは、未来は暗い。

今日のキーワード  「サガワ」「クロネコ」「35+8=43」「国会は茶番劇」