ケアマネなんかやってられっか!

現役ケアマネが介護や福祉の現場で気づいたこと、腹の立つこと、疑問に思うことなどをごく個人的な思いで語ります。

要支援者の行方(不幸?)

2006-07-26 | Weblog
 今日、包括の人と話しました。
 要支援の人が4月から7月までで100人になったそうです。委託している分が約半分で、50人を包括で受けているそうです。ケアプランが間に合わないとのこと、当然ですね。10月くらいには完全にパンクするでしょう。包括の人も認めていました。ではどうするか、どうしようもない。これが現実です。

 要支援の人にも単位が割り振られています。でも受けてくれる事業者が無いので実質的にはほとんどデイサービスか訪問介護の二つのサービスに限られます。でもデイサービスは、たくさん来られては採算がとれないので要介護の人が養支援になると断るところがあるそうです。訪問介護も同じです。たくさんサービスを要求されたら赤字になるので受けないところが多い。事業者のほうから断ってはいけないことになっていますが、保険者のほうも事情が分かっているので強くはいえない。
 結局、一番、迷惑するのは利用者です。

 10月になって包括がパンクしたらまたいろんなことが言われるのでしょうが、事前に分かっていたことを何をいまさら言うのかって感じですけど。


 

最近の認定結果から視る「傾向と対策」

2006-07-23 | Weblog
 リハビリセンターの相談員の方からの紹介で、ある利用者の暫定プランを受けました。その方は、60代の男性で糖尿病のため膝から下を切断した方です。糖尿病性網膜症で、自分では字を書くのがうまくできません。糖尿病性腎症もあり、一度は腎不全の診断を受けました。少し、状態が良くなったので、リハビリセンターで義足を作って歩けるまでになりましたが、歩行は不安定で転倒の危険性があります。
  糖尿病のコントロールもうまく行っていないので訪問看護も必要である、と医師からは言われています。
 
 でも認定結果は「要支援2」でした。病院への訪問、相談員の方との調整、自宅訪問、住宅改修の手配、ヘルパーの手配等行いましたが、ケアプラン料はでません。

 最近の認定結果がかなり厳しいとは思っていましたが、これほどとは思いませんでした。この結果を受けてあちこちで具体的な例を聞いたところ、第1種1級のほぼ全盲の方でも要支援1とか、何とか室内は歩けるが、ほぼ一日部屋で寝たきりの状態で一人暮らしの方でも要支援とか、包括センターの人でも明らかにおかしいと思うような認定結果が出ています。
 行政は結果がおかしいとか不満であれば、区分変更をしてくださいと言いますが、上記の私のように暫定でプランをつくると大変面倒なことになります。 区分変更は、当然ですが、認定結果が出てから出すものですから、それまでに使ったサービスなどは要支援の範囲内でのものになります。ケアプランは包括で作らなければなりません。包括もすでに使ったサービスについて、後付でケアプランを作らなければなりません。もしオーバーすればすべて利用者の自費になります。


 それを知っていて、なぜ暫定でプランを作ったのかと言われたら「私の注意が足りませんでした」というしかありません。しかし、利用者にしてみれば、退院してすぐに生活上に支障が生じるのですから、それを支援してほしいと思うのは当然ですし、また支援するのがケアマネージャーの仕事だと私は思って「いました」。
 
 しかし制度がこうなった以上、それに対する対策を考えなければなりません。
 まず最近の「傾向」ですが、
 ●「歩ける」となったら、要支援。「歩ける人」に介護度が付くには「認知症」が必要、または手のほうに障害が必要。
 ●主治医の意見書は以前ほどには重視されない(ケアマネにとっては喜ぶべきことか?!)。意見書にきちんと介護の必要性が書いてあり、チェックが入っていても2次判定にあまり影響しない。
 ●障害者の等級はあまり関係ない。従来の国際障害分類ではなく、ICFの考え方になったため、例えば、目が不自由でも、足が切断されていても、自由に室内が歩ければ普段の生活にあまり支障がない、と判断される。

 以上の「傾向」から「対策」を考えると
 ●暫定プランは受けない!!!
 ●利用者には寝たきりのふりをしてもらう
 ●家族には認知症を思いっきりオーバーに言ってもらう
 ●議員の知り合いがいたら圧力をかけてもらう
 ●1次判定のコンピューターにバグをしかける

 ということでしょうか。おわかりでしょうが「対策」は「冗談」ですよ