ケアマネなんかやってられっか!

現役ケアマネが介護や福祉の現場で気づいたこと、腹の立つこと、疑問に思うことなどをごく個人的な思いで語ります。

「年収300万」で「高福祉」を実現する?!

2008-03-28 | Weblog
 先日、厚生労働省の方の講演を聞く機会があった。建前の話だけではなく、本音の部分も話してくれたと思う講演で、「お役人」の話としては面白かった。ただ、その中で、ケアマネの独立に触れて、「厚生労働省としてはケアマネの独立を促したいと思っているが、一人ケアマネでは本人に何かあったとき、利用者に不利益をもたらすのではないかと考えており、収入的にも一人だけで独立できるケアプラン料を設定するのは無理だと思う。何人かで事務所を借りて独立居宅事業所として運営できるケアプラン料を設定したいと思っている」との話でした。それに続けて「その場合、ケアマネの収入をいくらぐらいに設定するかでケアプラン料も違ってくる。年収を300万にするか、350万にするか…」と言ったのです!

 年収300万って、お前はいくらもらっているんだ! と叫びたくなりました。
 ケアマネの資格をとるのに、何らかの資格をとって最低5年以上は働いている人たちですよ。少なくとも20代後半、平均年齢は30歳後半以上ではないでしょうか。結婚やその後のことを考えたら300万はないでしょう。介護保険の収入しかないわけだから、どんなにがんばって長く続けてもそれ以上は収入が増えないということでしょう。それでは今と変わりません。看護師などからみたらばかばかしい収入でしょう。
 結局、現場を少しでも分かっている人でさえ、その程度の仕事と考えているわけです。
 ケアプラン料や介護報酬をあげたら、保険料を上げなくてはならないから、国民は納得しない。介護保険料を払っても使っているのは2割の人だから後の8割の人が納得せず、制度が存続しないとお役人や政治家は言いますが、だからといってこのままでは年金も頼りにならず、介護保険に携わる人間の量も質も低下したら、高齢者は生活できなくなります。後期高齢者医療制度も始まり、介護難民、医療難民がでるでしょう。 
 税金の無駄使いを省けば、介護保険料も上げなくてすみ、介護報酬も上げられると単純には思っていません。私は必要ならば、消費税や税金をあげることも必要だと思います。政治家の役目は、それらの政策を実行するため、説明責任を果たし、国民を納得、説得することでしょう。

 やはり何度も書いていますが、私たち自身も高負担高福祉を望むのか、低福祉低負担を望むのか選択しなければならないでしょう。もちろん税金の無駄使いを止めさせ、透明化をはかることも同時にしていかなければなりません。


今日のキーワード 「ケアマネの年収は300万という設定」「高負担高福祉か低福祉低負担か」


うーん今日は硬い文章だな。

「ハート」のない保険者

2008-03-13 | Weblog
 『ハートページ』という本がある。居宅介護支援事業者、訪問介護事業者、通所介護事業者などの介護保険事業者の名簿であり、行政も補助金をだして、行政経由で包括や関係各所に無料で配られている。
 私はずいぶんと重宝していた。ところが私の地区の保険者が去年、補助金をださないと決めた。広告もコ○スンがつぶれたせいで大きな広告主がいなくなり、出版されないことになった。それに対して、各方面から声がでて、事業者をどう探せばよいのか、都道府県が出すインターネットなどのホームページなどだけでは見られる人も探せる人も限られると抗議した。それが効いたのかどうか分からないが、とりあえず出た。でも来年は出るかどうか分からない。介護保険の財政はさらに苦しくなっているからである。介護保険の改正(改悪)でどんどん事業者もつぶれており、保険自体が持たないかもしれないのであるから仕方がないが…。

 「格差」が問題になっているが「情報格差」も大きな格差である。じつは隣の保険者が来年は『ハートページ』をださないと決めた。理由は同じである。金がない。公式にはお金の割りに役に立っていないという意見もあるのだが、それにしてもやはり「金」である。
 サービスを使わせないようにわざとそういう情報をださないのではないかと私は思っているのだが、あまりにもうがった見方だろうか。
 
今日のキーワード 『ハートページ』 「情報格差」