建築設備実務の知識とセンスを養う!(全日本土木建築情報センター提供)

1960年創業の春日書房(全日本土木建築情報センター)提供の給排水設備・衛生設備・空調設備・電気設備に関する最新情報集。

太陽光発電をめぐる経済産業省と国土交通省の縄張り争いか!

2010年04月11日 | 建築・建築設備最新情報
4月9日の朝日新聞に、太陽光発電をめぐり、経済産業省と国土交通省が縄張り争いを始めている、との記事がありました。

太陽光発電の設置工事では、雨漏りなどの苦情が「国民生活センター」や「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」に寄せられているそうです。

経済産業省は、メーカーや建設事業者など105社・団体で作っている「太陽光発電協会」と施工技術や使用部品のガイドライン作りを始めており、当該ガイドラインに合格した個人を「PV(太陽電池)施工士」(仮称)に認定して、2011年度からの運用を目指しているとのことである。

こうしたガイドラインを検討し始めたのは、経産省は、太陽光発電装置を作っている京セラ、三菱電機、三洋電機、シャープなどのメーカーから見て、据え付けの工事が不良であるために、太陽光発電がなかなか普及しないことを懸念してのことだそうである。

その記事によれば、太陽電池のサイズから部品の強度、施工の方法や手順、販売の際の説明内容まで施工業者の言動を44項目にわたって徹底的にガイドライン化することでトラブルを防ぐことが想定されているようです。

一方、国交省は、工務店やリフォーム業者約150社は、専門の技術者を育成する太陽光発電工事専門校(本部・東京)を設立して、3か月のカリキュラムで技術者の養成を目指しているところです。
4月からは、悪質工事に備えたリフォーム保険をスタートさせ、この中に太陽光発電の設置工事も含めており、設置業者が最低限守るべき施工基準を定めて、リフォーム保険の適用対象となっています。

上記からすると、経産省ガイドラインと国交省施工基準というWスタンダードになることは必至であり、ここでも省庁縦割りの弊害が出てくることが懸念されてなりません。
そもそも、販売・施工業者の独自の業界団体の「太陽光発電販売施工協会」の池田真樹会長は「太陽電池はメーカーが独自の形や大きさで争っており、ガイドライン化は難しい。大手各社が小異を捨てて新制度に取り組まなければ、実効性のあるものにならないだろう」とも指摘されているそうです。

全日本土木建築情報センターでは、太陽光発電・エコキュートなどの必要な知識を1冊にまとめた冊子を作成し、弊社書籍をお買い上げの方に差し上げております。
是非、このリフォームを行なう建築設備業者様の実務必携書をお役立てください。

【国土交通省】官庁営繕事業におけるBIM導入プロジェクトの開始について

2010年04月01日 | 建築・建築設備最新情報
国土交通省のHPに、「官庁営繕事業におけるBIM導⼊プロジェクトの開始について」と題するペーパーが掲載されております。

まず、BIMは何の略称かというと、Building Information Modelingです。
当該ペーパーによれば、コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室等の名称や仕上げ、材料・部材の仕様・性能、コスト情報等、建物の属性情報を併せもつ建物情報モデル(以降、BIMモデルという。)を構築することです。
設計から施⼯、維持管理に⾄るまでの建築ライフサイクルのあらゆる⼯程でBIMモデルを活⽤することは、建築⽣産や維持管理の効率化に繋がる、とされています。

官庁営繕部では、設計における3次元データの活⽤として、BIMを⽤いた設計を実施することになり、具体的には22年度の官庁営繕事業において対象事案を設定し、BIMを⽤いた設計を試⾏することとなったとのことです。

国⼟交通省では、「国⼟交通省CALS/ECアクションプログラム2008」に基づく具体的な実施項⽬として、「3次元データを活⽤したモデル設計・施⼯の実施」を掲げており、今回の試⾏はその⼀環として実施されるものです。


<国交省が考えるBIMのメリット>

①設計内容の可視化
②建物情報の⼊⼒・適合性確認
③建物情報の統合・⼀元化

の3つを挙げています。

また、BIMによるメリットが営繕業務にもたらす変化の可能性として、次の3つに着⽬しています。

①設計内容の可視化による変化

・設計の透明性・説明性が⾼まり、関係者間における意思決定が迅速になる。

②建物情報の⼊⼒・整合性確認による変化

・官庁施設に必要な性能⽔準と合致した設計を、効率的・効果的に実施できる。

③建物情報の統合・⼀元化による変化

・設計・施⼯を通じて、施設管理者による施設の運営・管理や、官庁施設のファシリティマネジメントに活⽤可能な建物情報モデルを構築できる。

参考まで、RIBCの資料へのリンクを貼らせていただきます。