あ、蕾が膨らんでる。ピンク色が見えてきた。ちょっと咲いてる! ひとつ、ふたつ。今日は五分咲き?身を縮こまらせながらずっと桜、桜。七分咲きぐらいでもう満足してしまって、満開の日は桜並木のある道の隣の道から帰ろうとした。桜は桜のメカニズムにしたがって咲いているだけよ、なんて思いながら。・・・本当にそうかな?足が止まる。上を見る。空が青い。引き返す。桜はただ咲いているだけかもしれない。けれど見る人をこんなにも喜ばせてる。