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『箸』
昔はどこの家庭でも、幼少時に必死の思いで、箸の使い方を覚えたものだ。大豆、小豆を箸で摘み、小皿から小皿へ移し変えて身に付けた。単純な同じ動作を繰り返し、何度も反復練習をして身に付けたものでした。
食事を急いで食べても、人と会話しながら食べても、料理を溢すことなく食べる事が出来る。
ゆっくり食べても、テレビを見ながら余所見してても、同様に食べられる。小さな食べ物、大きな食べ物、いびつな形の物、軟らかい物、硬い物、魚の骨など細かい物の除去など、何でも箸で掴み、食べる事が出来る。
そして、口の中に異物が入ったような突発的な出来事があっても、それを飲み込むとなく、口中内で防ぎ、排除する事が出来る。家庭で使う箸、食堂で使う箸、長さの違う箸、重さの違う箸、形は違えど、どれも同じ仕事をする事が出来る。
きちんとした持ち方をしていれば、指や手が痛む事もなく、食事に専念が出来、料理を美味しく味わう事が出来る。
初めに教わった基本が、きちんと身に付いていれば、時間を経て大人になっても忘れる事はない。それが“身に付ける”という言葉である。
箸を上手く使い、美しく食べる装いは、傍から見ていても綺麗である。逆に箸使いが下手で、ボロボロこぼす食べ方は、本人のみが、旨く美味しいと感じていても周囲に嫌悪を撒き散らしている。口に運び、食べられればいいという自己満足は自己中心となっていく。
常日頃に使われる箸の使い方一つをとっても、忘れてはいけない意味が含まれている。その意味を把握して、その道具を使うか、知らぬままに過ごしていくかは、先々に行って進む角度は違っていくことであろう。
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【解説】
きちんとした道具の使い方、動作を覚える事(身に付ける事)の重要性とその影響は社会との関わりとも通じている事を理解し、一つ一つの教習の意味を考えてみませんか?単純な動作は反復練習により、“脳”に記憶され、感覚神経の伝達速度を早める事が可能となります。
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