おはようがんす
古い顧客で北軽井沢の大笹というところにA氏がいる
もう40年も前に家を新築した。まだ私が建築を始めて間もないころのことだ。
A氏は父上が満蒙開拓団に応募し今の中国からモンゴルの一部の地方に移民した、散々な苦労をして漸く何とか軌道に乗り始めたころ敗戦となり
日本に命からがら引き上げて来た。日本に来ても家も畑もなく仕事もない、の、ないないづくしの中で北軽井沢の一角に開拓精神を生かして入植
し、カラマツ林を開墾し。浅間山の噴石を除去して耕地を作って生きてきた、
A氏は17歳の時だったという。幸いにも旧相馬村という隣村の出自で多くの村人、同胞が開拓団として一緒だったので、その仲間と共に励まし合い
出自の相馬村の相と満州の満を合せて、「相満開墾」と命名したという、今もその碑が有るが、すっかり山里の農地と言う趣だ
そこから吾妻町の鳩の湯温泉に抜ける林道がある、狭いが舗装された立派な林道である、仕事で行く当時は未だ未舗装であったが
一番近道の道であったし、いろいろな花の出会える道でもあった
今思うとそこで初めて遭った花達のなんと多い事か、花好きには懐かしい楽しい道であった
今も其処から仕入れて来た野草の残党が何種類か在る、最近はすっかりご無沙汰になって仕舞い久しぶりに訪れてみた
もう先代は天界へ赴き次代が後継して頑張っているがもうお孫さんができたと言っていた、さらにその後継者は建設関係の塗装会社を創って
頑張っている、昔のことを辛抱強く忘れづにいて下さり、何かと疎遠ながらもお付き合いがある
其処への道すがら見つけた、、鹿の子下野だ
南向きの崖下に有っ、いろいろな夏草の中に有る、とても毅然として咲いている
その色合いも見事で有りよくぞこんな時期の邂逅をしたものだと嬉しく見た
獅子独活、芒、薊、ギシギシ、痛取りなど等大型の夏草の中で存在感が一番に咲いている
山もりの赤に圧倒すら感じてしまう。しかもそれが道端にあるというのが高齢者には嬉しい事だ、歩かなくても見られる
あそこにはこれがあるはずなのだと、、想像して当て込んでゆくと案外想像したほどではないという事がままある
想像だにしないで巡り合う出会い事こそが本当の出会いなのだと思って居る。人でも草木でも景色でも同じだ
こうして後ろ髪惹かれる思いをしながら帰路に就いた、嬉しい邂逅を、山の神に感謝しながら、、、、、
そんじゃあまたはなすべえ
遊童子
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