□審判は年末商戦
Wii『だれでも楽しめる』
PS3スパコン並み高性能
Xbox360巻き返しへ低価格機
PS3
├メーカー:ソニー・コンピュータエンタテイメント
├発売日:11月11日
├価格:6万2790円
│(ハードディスク20ギガバイト)
└記憶媒体:DVD、ブルーレイ・ディスク
Wii
├メーカー:任天堂
├発売日:12月2日
├価格:2万5000円
└記憶媒体:専用ディスク
Xbox360
├メーカー:マイクロソフト
├発売日:05年12月10日
├価格:3万9795円
└記憶媒体:DVD
※価格は税込。発売時期は国内
任天堂が14日、新しい家庭用ゲーム機『Wii(ウィー)』の発売日と価格を発表し、年末商戦を前に大手3社の次世代ゲーム機が出そろった。国内のゲーム機人口が減収する中、各社ともこの商戦を『ゲーム復活の天王山』と位置付ける。『だれでも楽しめる』を全面に出す任天堂と、『高性能』を売り物にするソニー・コンピュータエンタテイメントが正面から激突する一方両社に押され気味のマイクロソフトは低価格機で巻き返しを図る構えだ。
任天堂の岩田聡社長は同日、千葉市での記者会見で、『ゲーム機以上の物を目指すのではなく、ゲームをしない人たちがはじめるきっかけを作りたい』と話した。Wiiは大ヒットしている携帯ゲーム機『ニンテンドーDS』と同じ路線にある。ゲーム機以外の機能を盛り込んだソニー・コンピュータエンタテイメントのプレイステーション3を意識し、違いを強調した。
Wiiも、インターネットに接続でき、パソコン代わりに使うこともできる。ただ、ゲームになじみの薄い人でも触れるようにして、最終的にはゲームに引き込もうとの狙いからだ。
次世代ゲーム機の中では最もやすい価格となったが、一部には思い切った低価格を予想する声もあった。これまで大手各社は、シェア拡大を急ぐためゲーム機を採算割れの値決めをしてきた、しかし、岩田社長は『ゲーム機の投入時は赤字というのはおかしい』と、こうした手法を批判した。
欧米でもクリスマス商戦前に発売する予定で、年内に全世界で400万台、2007年3月までに600万台の出荷を見込む。
迎え撃つソニー・コンピュータエンタテイメントは11月に日米で発売するPS3にソニーグループの業績復活をかける。
PS3は大容量の次世代DVD『ブルーレイ・ディスク』を載せ、スーパーコンピュータ並みの高性能中央演算処理装置を組み込み、ゲーム機の枠にとどまらない高性能映像機器としての性格も持つ。
とはいえ、内蔵ハードディスクが60ギガバイトの上位機種の価格は約7万円と見込まれ、従来のゲーム機に比べて高い。ブルーレイ・ディスクの基幹部品の量産が遅れ、欧州での発売を2007年3月に延ばした。その結果、日米での年内発売台数が200万台と当初の計画より半減しそうだ。
日本市場ではソニー・コンピュータエンタテイメントや任天堂に水をあけらられているマイクロソフトは、11月2日にXbox360の低価格機『コアシステム』を発売する。昨年12月に発売した従来機についていたハードディスクを省いて約1万円安くし、シェア拡大を狙っている。
引用:朝日新聞朝刊2006年9月15日付け10面より