goo blog サービス終了のお知らせ 

ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

困惑のサイラーグ【18】(ゼロシル)

2013-11-08 18:24:55 | 困惑のサイラーグ(ゼロシル/完)
注意!こちらはゼロス×シルフィールのカップリング小説です。妄想と捏造に溢れておりますので、苦手な方はお戻りください。

-------------------------------------------------


「ゼロス、あなた勝手な事をしましたね」
海王ダルフィン様は、言葉では僕を非難しつつ、とても楽しそうな顔をした。
「すみません」
僕はただ頭を下げた。
僕とシルフィールさんの会話、今までの僕の行動など、海王様は全て見ていらっしゃった。言い訳など無用だ。
「ふふ、別に構いませんわ。どうせ『不死の契約』などする気は始めから無いのでしょう?」
ぱちり、と扇子を鳴らして海王様は目を細める。

「分かっていましたか」
「当たり前でしょう。『不死の契約』など弱い者が人間を利用する愚かな契約。あなたには必要が無いわ。...ただ、あなたがあの娘を気に入っている事は本当でしょうけど」
「それは......ノーコメントでお願いします」
おどけて言えば、彼女はころころと笑った。
「まあ。でも、本気なら私はもとよりゼラスが怒るでしょうね」
「はは、お二人を煩わせるような事は致しませんよ」
僕は肩をすくめて見せた。
「事実、フラグーンは死に、街はまた絶望に呑まれる。......ダルフィン様のご指示通りでしょう」
「そうね、これであのお方も......」
海王様は遠くを見るような目をして、小さくため息をついた。

「さてゼロス、後はあなたにお任せしますわ。どう収めるつもりなの?」
「......そうですね、あちらの出方次第、でしょうか」
僕はそう答えると深く一礼してその場を去った。

さあ、彼女はどう答えを見つけ出すだろうか。自己犠牲精神を発揮するのか、無謀にも僕に戦いを挑むのか。絶望に呑まれて自ら命を捨てるかもしれない。
どちらにせよ彼女の見せる絶望をこの目で見たい。僕の望みはそれだけだ。

****************

彼女は市街地から少し離れた場所に一人佇んでいた。祈るように手を合わせて、目を閉じている。
そこはまだ復興の手があまり届いていないらしく、荒れた様子だ。
風が吹くたび土埃が舞う。

彼女の前に少し離れて降り立つと、彼女は僕をじっと見詰めた。その目があまりにも澄んでいて、僕は少し驚いた。

「こんばんは」

声を掛けても、彼女は返事をしない。
ゆっくりと近づいて行くと、彼女の唇が小さく震えているのが目に入った。
僕は小さく微笑んで、彼女に一歩近く。
「シルフィールさん。考えてくれま......」

僕の言葉を遮って、彼女は叫んだ。

「......『竜破斬(ドラグスレイブ)』!!」

彼女の手には、赫い光。
「!?」
僕は、轟音とともに赫い爆発に自分が巻き起こるのを感じていた。


続く

-------------------------------------------------
次回に続きますっ!



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 困惑のサイラーグ【17】(ゼロ... | トップ | 困惑のサイラーグ【19】(ゼロ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

困惑のサイラーグ(ゼロシル/完)」カテゴリの最新記事