あなたはLDP になっていませんか?
こんにちは!最近私は声が低くなりました。またむせたり空咳したりします。人にあら、風邪引いた?声変わりしたみたい。とか言われます。あなたは声がこもる、大きな声が出ない、風邪でもないのに空咳や咽(むせ)が多いなどはありませんか?それはもしかするとLDPかもしれません。
それは、喉の筋肉が硬くなり、舌骨・甲状軟骨・輪状軟骨が頚椎方向に移動すること。そのように喉頭が深い位置にあることを、LDP(Larynx Deep Position)と言います。Larynxは喉頭、Deepは深奥、Positionは位置ですね。実は、この状況は、確定的な病気ではありません。耳鼻咽喉科や整形外科へ行っても、病気として取り合ってくれません。いろいろ調べても、どこにも異常がないからです。
LDPには評価の指針
①声の様子:こもっている、響きがない、声量が小さい、嗄声(かすれ声)が存在、滑舌が悪いなどがあります。
②喉の見え方:深く入っていると、喉頭隆起が見えにくい状態や甲状軟骨板縁に沿ってくぼんだ部位を確認できます。また、発声時頚部ジストニアが否定される肩甲舌骨筋Floatingのケースも、ほぼ100%LDPを誘発します。
③咽(むせ)の頻発:風邪や気管支炎でもないのに、日ごろ、咽が多い。実際は、自分自身よりも他者に指摘されて気づく程度の軽い場合が多いそうです。
これらから判断します。LDPは病気ではなく、喉頭の状態を示す造語で、単なる筋肉の“癖”のようなものです加えて個人差が大きいのも特徴です。
LDPは自然改善するのでしょうか?
•程度が軽かったり経過が短かったりする場合は、深呼吸・積極的なリラックス行為・頚部のストレッチング・十分な睡眠などで回復します。軽いレベルならば、本人もLDP状態に気づいていないことが多いですね。
LDP状態が長く続くと、以下のような症状が出てきます。
①喉が奥まることで、共鳴腔を狭くする。とくに舌骨後方の咽頭共鳴腔がかかわると、声の響きや音色が大きく損なわれる。
②舌骨甲状軟骨間が狭小化して上喉頭動脈の血流が低下。これにより声帯周辺への酸素・栄養が不足し、分泌液も減少。結果的に、発声のスタミナがなくなり、喉が乾燥しやすくなる。〔乾燥によって粘膜が脆弱になり風邪やインフルエンザにかかりやすくなる〕
③発声関連筋の硬化に伴い、舌骨上筋群も悪影響を受け、言葉をかみやすくなる。つまり、滑舌が悪くなる。
④披裂軟骨小角部が圧を受け、外側へのスライドや回転を強いられ、声門が開いてしまう。結果、声がかすれてくる。〔枯声の発現〕
LDPは改善できるの?
ボイスケアで改善は可能です。ただし、程度や経緯による個人差が大きいため、確約はできません。
•「回数は?」早いひとで2~3回の施術、遅いひとは2~5年、途中であきらめる方も少なからずいらっしゃいます。
•「何をするの?」これも状態に応じて異なりますが、専用機器(のど筋ストレッチング牽引機、発声関与筋リラクゼーション超音波、発声力向上微弱電流、のど運動性アップ赤外線レーザー、その他)と手技(ピンポイントマイクロストレッチ、舌骨引き出しアプローチ、輪状甲状関節モビリゼーション、その他)を駆使して改善に努めています。
私もLDPかも?と思われている方は、早めに改善しましょうね❗️