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2024-10-09 | 日記

 

三田文學 新人賞に応募する予定で、小説の原稿を書いています。

締切 2024年10月31日 

枚数 400字詰原稿用紙100枚以内

小説のタイトルは、『ハート・デザイナー』

 

 ロシア人の父子は、部屋の中に入って来ると、いきなり老婆に猿轡を嵌めてしまったのです。

「アンナさんはたぶんそのとき眠っていたか、そうじゃなければ、目を覚ましていたにしても、恐ろしさで縮み上がって、声を立てることも出来なかったものに違いないわ。」

精神科医の滝川玲は、事件の真相を語ろうとしました。

「そうして、アンナさんを縛り上げてから、ロシア人父子は何をしたのかと云えば、私の想像では、アンナさんをどういう方法で殺そうかという相談をしたのだろうと思うわ。」

「しかも、その相談はかなり長く続いたと見えて、この通り煙草の吸殻が灰皿いっぱいに捨ててあります。たぶん、ロシア人の父親はそこの椅子に腰かけていたのです。サンクトペテルブルグ産のベルモールカナールを吸ったのは、彼でしょう。それから、ロシア人の息子のほうは、そちらのほうにいて、引き出しの淵で煙草の灰を落としていたのです。そして、受付のナースは、その辺を行ったり来たりしていたのでしょう。アンナさんは、たぶんベッドの上に座らされていたと私は思うのですが、確証はありません。」

「やがて彼らの相談は、アンナさんを吊るして首を縊らせようということに決まったのです。そこで彼らは、何かの用にしようと思って持って来たプーリー(滑車)を絞首台をつくるのに応用したのです。そのネジ回しとネジとで、それをしっかりそこに括り付けたのです。」

「こんなふうにして、すっかり細工を仕上げてから、彼らは悠々と入り口から出て行ったのですが、そのあとはちゃんと彼らの共謀者が病院の中にいて、鍵をかけておいたものだと、私は思うのです。」

心理カウンセラーのココロ♡愛は、この事件の真相解明に関するトリックを理解しました。

精神科医の滝川玲は、誰も気が付かないような小さな、捕えどころのないようなことから推論して説明してくれたからです。

それからまもなく、警察が、受付ナースの身柄を確保しました。

ナースは、ロシア人の息子の、日本での恋人でした。

ロシア人の息子は、ロシアに妻と3人の子供を置いて、日本へ来たのです。

では、果たして、このロシア人父子は何者でしょうか?

20年前に、ウクライナの首都キエフで起きた銀行強盗事件の首謀者なのでした。

そして、老婆も、あの事件に関与していたのです。

あの事件は、歩兵携行式多目的ミサイルで、銀行員を殺害して、日本円で7億円を奪って逃げたものの、ほどなくみんな捕まってしまいました。ところが、残念なことに証拠が甚だ不十分でした。ところが、この老婆すなわちアンナという女が、まあ一番悪賢かったわけなのでしょうが、たちまち寝返って、密告してしまったのです。

 そこで、アンナという女の密告のおかげで、ユーリイという男がとうとう首謀者と決めつけられて死刑にされ、ロシア人父子はどちらも15年ずつの刑を着せられたわけです。

年月が過ぎて、やがて、彼らも刑期を終えて、社会へ出て来ることになったわけです。

そこで、ロシア人父子は、自分たちを売って刑を着せたり、また仲間を死刑にしてしまったりして、強奪金を独り占めした女に、復讐をしようと計画したわけなのです。

彼らは、復讐の相手が、日本へ逃げていることを最近になって、ようやく突き止めました。

そしてようやく復讐を遂げることに成功したわけなのです。

 

 

 


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