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2024-05-26 | 日記

みずほPayPayドーム福岡に隣接するMARK IS(マークイズ)福岡ももちは、奈保子の家から徒歩7分。

ニトリを通り抜けて、ATMに向かう途中で、その女の人は、奈保子にまっすぐに近づいてくる。

「アレ、馬鹿よ」と奈保子に悪意をぶつけた。

着ていたTシャツの中から左ひじを張り出すように引っ張り、Tシャツの袖をぐるぐる巻きにして、奈保子目がけて突き出して見せる。

何らかのサインなのだろうが、意味が解らない。見ない振りをして通り過ぎると、先回りして、次の角を曲がる通路で待ち伏せする。

「アッ!馬鹿がいた!」と薄笑いを浮かべて、奈保子に近づいてくる。

「人が見てるよ!」とその女の人の同伴者が牽制するが、彼の声に聴く耳も持たず、ただ奈保子を見つめている。

アーモンドアイの幼い、可愛らしい瞳。狂気は感じないが、奈保子に心理的な危害を加えている。刃物は持っていないけれど。

見ない振りをして通り過ぎると、やっと、纏わりつく気配は消えた。

あんなに魅力的な女の人が、同伴者の男性の声や目を気にもせず、奈保子だけに意識を向けることが不思議でならない。彼女の意識にとって、同伴者の男性は、何の価値もないのだろうか。

奈保子が見たところ、コブラ型のバタラー【batterer】に見える。

奈保子だけに意識を向けるその女の人は、猛犬型のバタードウーマン・シンドローム(被虐待女性症候群)のように見える。

ほんの数分の出来事で、被害は何もなかったのだけれど、とても気になった。

奈保子がATMに並ぶと、隣の列で、乳母車に載せられた男の赤ちゃんが奇妙な発音を繰り返している。母親が、赤ちゃんの身体を指でつねったり、爪で引っ掻いて、刺すような痛みを植え付けている。そうしておいて、機嫌をとってなだめすかすように、撫でたり摩ったりしている。代理によるミュンヒハウゼン症候群かもしれない。子どもに病気を作り、かいがいしく面倒をみることにより自らの心の安定をはかる、子どもの虐待である。加害者は母親が多く、巧妙な虚偽や症状を捏造するのだ。「この母親が虐待などするはずがない」と、目撃者には思わせているものの、何か「おかしい」と疑わずにはいられない奈保子であった。

 

 

 


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