テンリュウ クレイドル50L
ディパックの中に食料・飲み物と雨具、そして予備のルアーを入れて、厳選されたルアーはチェストパックに入れたスタイルで、1日を渓で過ごす。ワイルドだろぉ(爆;)。いきなりスベりましたが、実は僕の渓流デビューは、中学生の時、父に連れられていった大井川水系の小さな沢でのエサ釣りでした。まだ本流釣りというカテゴリーは存在してなかったその頃、渓流のエサ釣りといえば小継の振り出しロッドでした。エサ釣りからルアーに転向したあとも、最初の刷り込み効果のせいか、小継ぎ振り出しのルアーロッドに対する憧れはずっと持ち続けていました。
実際渓流を移動しているとちょっとしたへつりなど「両手が自由になったらなぁ」という場面や、藪こぎなどロッドが邪魔に感じる場面に出くわすことがよくあります。また、車に戻るのが困難な釣り場では、コンパクトなサブロッドがあると安心です。実は、シェリー53Lを購入してからすぐに、4本継ぎでディパックの中に収まるテンリュウのクレイドル50Lをサブロッドとして購入していました。幸いシェリーは今まで折れることがなくクレイドルを使う機会はほとんどありませんでした。折角買ったのだからと何回か小渓に入ったときに使ってみたのですが、たったの3インチの差なのに随分勝手が違う・・・一言で言うとティップが硬くてキャストの際のリリースポイントがシビアかつつかみにくいのです。ロッドの継ぎ目はどうしても硬くなるので、ティップに近い部分に継ぎ目がある小継ぎ竿は、構造上ティップのしなやかさを出すのが難しいのだと思います。ULにすれば良かったかな・・・まあ慣れの問題とは思いますが。
ABU トラウティンマーキス ボロン TMBS-506UL TE (写真は後日アップします)
もう少しティップのしなやかなロッドなら軽量ルアーを多用する小渓流でも使いやすいのではないか、さらに振り出しタイプであれば、両手を自由にしたいときにはルアーをセットしたまま、ロッドをたたみ、ポイントに付いたらすぐにキャストできるからすごく快適なのではなかろうか、と思っていました。しかし、当時、小継ぎ振り出しルアーロッドの元祖である喜楽のロッドの生産はとうに中止され、細々と作られていたダイワのシルバークリークも生産終了、小継ぎテレスコの選択肢はスミスのマジカルトラウトのみで、お値段もお試しとは言えない価格でした。そんな中2011年春にABUのトラウティンマーキス ボロン TMBS-506UL TEが発売されました。当時最新のKガイドにボロンコンポジットのブランク、さらに実売1万3千円強のお手頃価格・・・飛びつきました。振った感じもしなやか、何しろたためば超コンパクト、まだ雪解け前の小渓に持ち込みました。ファーストキャストは小規模のトロで、ルアー2gのスピナーでしたが、結構投げやすい。いいぞいいぞとほくそ笑みつつスプーンにローテーションしてしばらく楽しむもそのポイントではノーフィッシュ(いつものことです)。早速ルアーをつけたまま竿をたたみ場所移動。このコンパクトさが良いんだよね、などと思いながらお目当ての落ち込みへ。ここではミノーの操作性を確認しようとツインクルSDにルアーチェンジ・・・あれ?ティップが変???え???
はい、全て私の不注意です。移動中にルアー付きのティップを木の枝か何かに当ててしまったのでしょう。なんと使用初日にティップを折り、修理となりました。ちなみにそれが僕の生涯2度目のロッド折れでした。結局修理品が戻ってきたのはシーズンも終わろうかという8月下旬(なぜか無償修理でした)・・・そのままお蔵入りとなりました。
エゲリア・ネイティブパフォーマンス ERNS-53UL/T5
もうテレスコ妄想はやめよう・・・と思った僕でしたが、翌2012年何とも魅力的なロッドが発表されました。エゲリア・ネイティブパフォーマンスのテレスコバージョンです。エゲリアのコスパの高さは体験済みでしたし、飯田さんがテストを重ね、発売を延期してまで熟成させたロッドです。テレスコの弱点であるたたんだときのティップ周辺を守るため、リールをつけたままロッドを収納できる立派なバッグまで付いています。「さすが飯田さん、テレスコの弱点わかってるねぇ~」テレスコ熱が再燃して受注開始と同時に予約注文しました・・・で初釣行は奇しくもトラウティンマーキスのテレスコと同じまだ雪解け前の小渓でした。スプーン・スピナー・軽めのミノーと使ってみましたが、キャストフィールもルアーの操作感も上々です。おまけにファーストフィッシュも無事キャッチ(小さなイワナでしたが)。移動時も付属のバッグにしっかり収納すればバッチリ???・・・・・・バッグが結構大きくて僕のSIMMSの防水ディパックからはみ出てしまいます。結局片手がふさがってしまいました。さらにバッグにしまうときも、ルアーのフックにカバーをしないとバッグ内側の布に引っかかったりして面倒くさい。さらにさらに竿をたたむときは良いのだけれど、伸ばすときってガイドの直線性に気を遣ったりとこれも面倒くさい。結局面倒くさがりの僕がたどり着いた結論は「ルアー付けたままノーガードティップ作戦」でした。2ヶ月ほど使用しました、ハイ。竿自体はすごく良いです。キャストフィールとルアーの操作感は、メインロッドとして使っても不満がないレベルです。ホントにすごい。ヘビーシンキングだって5㎝クラスだったら何とかいけます。でもルアーを付けたままの移動は思ったほど快適ではありませんでした。ティップにかかる負荷を軽くするために、ラインをギリギリまで巻き込まないようにすると、ラインの遊び分継ぎ目が伸びてきてかえって危ない感じ。おまけにカタカタ動くので、ルアーのアイとぶつかるトップガイドが痛みそうで心配。結局ロッドをたたんだあとはトップガイドギリギリまでラインを巻き取った状態で移動することにしました(というか自然にそうなりました)。当たり前ですがこの状態でルアーが枝に引っかかったり、ティップが何かに当たった場合のティップ部分にかかる衝撃は、2ピースロッドで同じことが起こった場合と比べ、竿が曲がって衝撃を吸収できない分遥かに大きいです。結局初夏の釣行の藪こぎ中に生涯3度目のティップ破損を経験し、修理となりました。通販で購入したため、ロッドを梱包して送ったりと多少面倒ではありましたが、1ヶ月ほどして免責金額1万円也の支払いでロッドが戻ってきました。戻ってきたのはなんとグリップにラップがかかった新品でしたが、そのままお蔵入りとなりました。
【結論】
トラウティンマーキス、エゲリアのテレスコですが、どちらも竿自体に不満があるわけではありません。ルアーを繋いだままロッドをたたみ、ティップをカバーすることなく移動した僕が悪いのです。でも、テレスコの利点ってルアーを繋いだままロッドをたためることではないのかなぁ・・・。トラウティンマーキスの購入時に付いてくるティップカバーははっきり言って使えるものではありませんし、エゲリアのバックは僕には少し大きいように感じます。ルアーを繋いだままロッドをたたむことにこだわれば、テレスコロッドにはちゃんとしたルアーキーパーと、ガイドを全てカバーして、なおかつバッドセクション(グリップと接続したブランク)にきっちりと固定できるカバーが必須だと考えます。市販(Fujiなど)の振り出しロッド用のカバーは磯竿、投げ竿、船竿あたりを対象に作っているようで、ガイドを全てカバーしようと思えば固定部のバンドの径が大きすぎるし、固定部を基準にするとKガイドはうまく収まらなかったりと適当なものがありません。さらに、藪こぎのときにルアーを外し2つにロッドを分割し、再び釣りをするときにロッドを繋いでガイドにラインを通しルアーをセットする手間がかかる2ピースロッドと、ガイドにラインを通す手間とルアーを結ぶ手間を省くために色々なことに気を遣わなくてはならないテレスコロッドを比較した場合、現時点の僕の感想は、「もしかしたら2ピースの方が楽じゃね?」って感じです。たたんだときのコンパクト性が何より大事(両手フリーが必須のへつりとか、バイクでの移動など)でなければ、小継ぎのロッドは要らないし、どうしてもコンパクト性が必要な場合、僕なら並継ぎ方式を選びます。
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