ナチュラルボーンライター

職業:書き手、特技:企画考案…そんな私、夏目幸明がゆるく更新。mixi:ナチヲ twitter:natsumedayo 

フリーズドライと我らが運命

2010-05-13 01:29:20 | 文章と取材の技術
最近、学んだことを。

まず、フリーズドライって、
凍らせ、乾燥させることですよね。

これがどういう原理か、
ご存じですか?

我々が、仕事したり、酒を飲んだり、
くやしがったり、せつながったりする
この世界は、1気圧です。

1気圧だと、水は0度で凍ります。
100度で沸騰して気体になります。

ところが……
気圧が変わると、水分って
別のルートで変化するんですよ。

たとえば、富士山の頂上だと
気圧が低く、約90度くらいで
水が沸騰します。

富士山頂でコーヒーを飲もうとしても、
ちょっとぬるめのコーヒーしか飲めません。
図にすると、こんな感じです。

1気圧の世界

氷氷氷氷水水水水水水水水水気体気体気体
      ↑           ↑
     0度          100度


富士山頂(約0.7気圧)

氷氷氷氷水水水水水水水気体気体気体気体
      ↑        ↑
     0度       90度


さて、もっと気圧を低くしていくと……
水分が「水」でいられる範囲がどんどん狭くなってゆき……
0.06気圧になると、こうなります

氷氷氷氷気体気体気体気体気体気体気体
      ↑
   氷がいきなり気体になる!

とすると、まず、エビを凍らせ、
0.06気圧に下げ、常温に戻すと、
あら不思議、エビの水分だけが
氷から水にならず、
そのまま蒸発してしまうのです。

カップヌードルのエビも、
こんな風にして乾かされているんですね。
熱風乾燥させると、その熱風自体が
ある意味「調理」の役割を果たしてしまい、
味が悪くなります。ビタミンなどが壊れることもあります。

しかし、フリーズドライなら、
風味を損なうことなく、
食品を乾燥させられるわけ。

とまぁ、そんなことをなぜ書いたか。
今日、人と飲んでいて、
こんな話を聞いたんですよ。

「自分がなろうと思うものになるのでなく、
なれるものになりなさい」

以前、こんな言葉をもらったこともある。

「自分が自分の運命を
100%決められると思うのは
思い上がりだよ。
50%くらいがいいところさ」

自分は「なぜ」という問いと共に生きてきました。
なぜ、人は生まれ、なぜ、死ぬか。
なぜ、情熱を持ち、なぜ恋をし、
なぜ、時に笑い、悲しむのか。

大学にも、哲学をやろうと思って入りました。

ところが……そんな「なぜ」のなかでも
「なぜ、この商品が売れるのか」
「なぜ、これはこういう形をしているのか」
「なぜ(ブログに書いたなかで言えば)
100円ライターの真ん中には妙な区切りがあるのか」
みたいなことを調べていくと……

ボクはそこで、世の中の皆さんに認められ、
ボクが調べたことが、書籍になり、
ボクは、それを仕事にしている。

自分の人生を自分が100%決められるとしたならば
ボクは、哲学者になりたかったのですが、

世の中の人が、自分に望むものを
淡々と、極めていく。
半分は、それが重要です。

そこで、今日は
フリーズドライの
「なぜ」を書いたわけです。

ちなみに、いま売っている『DIME』では
ボクがワコールの人に話を聞き、
『リボンブラ』ヒットの「なぜ」を聞いてきました。

では、また!

走れる時に走れ

2010-05-10 19:54:46 | 文章と取材の技術
こんにちわ、ナツメです
ちょっとだけ空き時間ができたので、
久々にブログを書きます。

実は、森ビルさんの“マーケティングアドバイザー”に
就任する予定です。
ヘリコプター事業を盛り上げるんですよ。

森ビルシティエアサービス
http://www.mcas.co.jp/ja/

ヘリコプターや、森ビルのラウンジを使った
イベントができますよ。

日本の中距離移動って不便です。
厚木から高崎までとか
企業の経営者や、優秀な技術者が、
えっちらおっちら何時間もかけて移動するって
ナンセンスです。我ら日本国のためによくない。

そこで、ヘリコプターを盛り上げます。
作戦は・・・いろいろあるのですがナイショですよ。
自分が工場見学し続けてきたのも、
もとはマーケティングの話が好きだったから。

マーケティングの本を書くだけでなく、
実際にやってみたかったんです。
これを機会に、がんばりますよ。

あと、工場見学で言えば・・・
6/6(日)の22時から
TBS系の「となりのマエストロ」という番組に出ます。

志村けんさんと、タカトシのお二人と、
宮崎美子さんと、星野真里さんと
自分が、40分くらい話をします。

っていうか、しました。
もう、収録は終わっているんです。

ぜひ、見てやってください。
ボクの十数年にわたる工場見学の集大成!
ボクの下らないギャグを、
タカトシのお二人が見事に拾ってくださったり、
ボクが志村さんにやりこめられたり・・・

なんだか、活躍できてます。
ボクは思い出します。

以前、ボクの新入社員時代のことを
ブログに、書きました。

そのあと、ボクは新入社員当時の
先輩たちと、お酒をいただくことになり、
いい歳をこいて、緊張しながら
みなさまとお会いしたのですが・・・

(こういう上下関係って、
一生、かわんないものだと思います)

そのとき、Iさんが、おっしゃった。

Iさんは、激務で一時、体調を崩され、
もう、快復されたのですが、
以前の激務には、今すぐには、お戻りになれない。

そんな状況のIさんが
「ナツメ、活躍してるなぁ」とおっしゃり・・・
もう、恐縮するしかできない自分に、
こうおっしゃった。

「ナツメぇ、
いい時に、走っておけよ。
走れる時に、走っておけよ」

ボクは、有り難い時に、恐縮する。
当たり前だ。お世話になった先輩に
「活躍してるなぁ」と言われたとき、
頭をかきながら「いやいや自分なんか」
意外に、言葉なんかない。

しかし、ごまかしのない言葉には
ごまかしの言葉を返したくなかった。

走ります。

自分に、期待してくださる方がいる。
自分を、必要としてくださる方がいる。

これがどれだけ幸せなことか、
Iさん、自分は知っています。

カーチャンが言った通り
自分を使い切ります。
カーチャンオリジナルの言葉かと思ったら、
大河ドラマの台詞だったようなのですが、
いずれにせよ、すごくいい言葉と思います。

夜、天井にぶら下がった
電気のヒモをぱちりと引っ張る。
橙色の光の中で、ヒモがクルクル回る。

ぼくらの生涯が、異常に短いだけで、
地球が太陽のまわりを回るのも、
このヒモがまわっているのと同じようなものだ。

悔いなく生きたい。

では、このへんで。