日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

名札好きの日本人

2010年08月08日 01時15分56秒 | ブラジル事情
 先週末にサンパウロに旅行した際、サンジョアキン駅からリベルダージ駅に行く道を歩いていたら、前方に東洋人風の観光客グループに出くわした。

 道路脇に横付けしたバスから降りてくる東洋人のご年配方約30名を遠方に見た時、最初は中国人かなと思った。

 しかし、近付いて良く見てみると、日本人だと分かった。なぜか?

 それは彼らが全員名札を胸にぶら下げていたからである。

 うーん。「小学生の遠足か!?」って思わず突っ込みたくなった。

 見知らぬ土地で迷子になりたくないという気持ちが分からない訳ではない。しかし、世界広しと言えども、60歳を過ぎたいい大人が名札を胸にぶら下げて観光旅行する国民は日本人だけじゃないだろうか?

 見ていて、同じ日本人として恥ずかしくなった。

 そもそもこんなことができるのは、幼い頃からの日本の教育による。

 幼稚園では必ず制服に名前がばっちり書かれていたし、小学校では各個人に下駄箱をあてがわれ、決められた下履きを履いて、そこにすらクラスと名前を書いていたのである。と言うか、日本の学校では全生徒が決められたものを着たり履いたりするので、名前を書いておかないと誰のだか分からなくなるのである。

 ノート、体操着、えんぴつ、果てはパンツや下着まで。日本人はとにかく名前を書く。

「出る杭は打たれる」。そんな文化だから、目立ってはいけない。没個性を優先する考え方なのである。

 こういった教育が積み重ねられてきた結果、60歳を過ぎた年配の方々が海外の観光旅行で名札を胸にぶら下げて平気でいられる。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」なのであろう。

 でも、ブラジル人はその光景を奇異に見ていることは間違いない。ブラジルに住んでいる日本人である僕がそう思うくらいだから。

 日本は最先端技術の国なのだから、名札ではなくテクノロジーを活用して団体旅行してはどうだろうか?

 
 

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2 コメント

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バッチも付けたくない (あばかし)
2010-08-09 14:27:17
名札を付けているから日本人という記述には違和感を感じました。私は年老いた親を連れて毎年海外旅行をしています。その時はツアーを利用します。自分と家内だけならそんなことはしませんが年寄り3人がいると車の手配だけでも大変だからです。その際,ツアーのバッチはつけるように言われますが(本当はそれもつけたくはないのですが)「名札」をつけろと言われたことは一度もありません。これでも相当の回数旅行しているつもりですが。あなたが見かけたツアーの一行も旅行社から付けるように言われてしぶしぶしているかもしれなく,別に「名札をぶら下げて平気で」いるとは限らないのではないですか。教育問題まで話を大きくする必要があるのかなと思いましたし,あまりお年寄りに対する敬意が感じられない文章だったのは少し残念です。最後の部分は賛成です。ツアーのバッチも付けずに済ませたいです。なお,このブログ自体は楽しみにしており,とても参考になります。ますますのご活躍を祈ります。
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返答 (たけちん)
2010-08-09 21:18:49
確かにお年寄りに対する配慮が欠けている文章ではあったかと思います。

なぜなら、名札を付けて平気でいるかどうかは内面的なことであり、分からないからです。

もしかしたら、旅行主催者側の意向に泣く泣く従っているのかもしれません。

ただ、日本という国には団体主義を感じます。秩序を乱してはいけないとか、時間厳守とか。。。。

名札ではなく、GPSつきの携帯とかそういうものは使えなかったのでしょうか。

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