日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

日系ブラジル人のブラジル帰国後の再就職の様子をテレビで特集

2010年02月26日 12時24分46秒 | ブラジル事情
 
 ブラジルに住んでいるにも関わらず、ブラジルのテレビ番組はもう3年以上見ていない。何を見ているかと言うと、インターネットで日本のテレビ番組を見ている。

 こんな調子では、僕のポルトガル語能力はこれ以上伸びないだろう事は自分でも分かっているのだが、やはり日本語の番組を見ていたほうが楽なのである。ブラジルの番組は内容を理解しようとどうしても神経を集中するから疲れる。

 それでも、好きなブラジルのテレビ番組がいくつかある。その1つが今日紹介する「Globo Reporter」という番組である。

 この番組は、毎週金曜日に放送され、各回ごとに大きなテーマを1つ決め、その中でサブテーマに分けて深く内容を掘り下げていく。1時間ほどの番組だが、取り上げる内容は、健康、自然、スポーツ、文化、医療などバラエティーに富んでおり、大変勉強になる教養番組である。

 ポルトガル語が中級以上の方には是非お勧めしたい番組である。

 今回このブログで取り上げる同番組のビデオは、世界金融恐慌後にブラジルに戻ってきた出稼ぎ日系ブラジル人の母国ブラジルでの再適応・再就職の状況を特集している。

Globo Reporter - 01.05.2009 - Brasileiros voltam do Japão e encontram novas oportunidades


 番組の冒頭に出てくる日系人夫婦は13年日本で働いて、経済危機の影響を受けて2ヶ月前にブラジルに戻ったと言う。日本では昼間工場で働き、夜は日系ブラジル人向けに食べ物を作るなどして、結構いい給料を稼いでいたそうである。

 しかし、世界金融恐慌発生後は、残業がなくなったり、周囲の日系ブラジル人が解雇されたりした状況を鑑みて、家族で帰国することを決意したそうである。マットグロッソドスル州のカンポグランジ市に戻った同夫婦は、親類がやっている日本料理の屋台で見習いとして働いて経験を積み、将来の自立を目指している。

 また、番組後半には、もう一組夫婦が登場する。最近日本から戻ったブラジル人の旦那は、日本から持ち帰った貯金で自家用車と機材を購入し、庭師として自ら仕事を探す様子を映している。

 どちらの夫婦もブラジルに帰国して、結構簡単に仕事が見つかるような印象を視聴者に抱かせかねないような取り上げ方をしているが、現実はそんなに甘くはないのではないのだろうかと僕は思う。

 もちろんブラジルに帰ってくる出稼ぎ者は、日本で貯めたお金を新事業の開店資金に投資できるから、一般のブラジル人よりはるかに有利であることには間違いない。しかし、中小企業の8割が3年以内に倒産するという現状を考えれば、新規事業を軌道に乗せるのは出稼ぎ者に限らずそう簡単なことではないのである。

 それにしても、一昨年のリーマンショック直後は、日系ブラジル人が先陣を切って解雇されたため、彼らの悲惨な状況をマスコミがよく取り上げられた。しかし、去年の後期頃からその波が一般の日本人の派遣労働者にも及ぶに至り、日系ブラジル人の解雇をマスコミが特別扱いすることはなくなった。それは、日本の労働制度の構造的な問題であり、その場限りの政策で短期的に解決できるような問題ではないという事だからだと思う。

 日本は昨年の選挙で自民党が大敗し、民主党が与党として政権に就いた。日本国民の多くは、民主党が日本をいい方向に導いてくれることを期待して、民主党への政権交代を後押ししたと思うが、果たして日本は復活できるのか?

 日系ブラジル人が日本で働けて、それなりの暮らしを送れるというのが、日本経済の状況を判断する上でのいい指標になるのではないかと思うがどうだろうか?

 頑張れ、日本!!

 


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