先日触れたこの記事。
非常に長い。
さすが長年Nature、Scienceでサイエンスライターをやっていた方だけあって
SARS-CoV-2の起源の3つの仮説など、
詳細に説明されていて科学的に興味のある人向けの内容のあと
最後の部分。
私の関心は、
「コロナウイルスタスクフォースのトップとして果たしてきたファウチの役割とその責任」
アメリカ連邦政府の職員の中で、最も高給を得ている彼の責任について。
のみ。
さて、あまりにも長い文章の最後で、
やっとその核心に触れる部分が出てくる。
【和訳】
『4. 武漢ウイルス学研究所の資金調達における米国の役割
2014年6月から2019年5月まで、Daszak博士のEcoHealth Allianceは、米国国立衛生研究所の一部である国立アレルギー感染症研究所(NIAID)からの助成金を得て、Wuhan Institute of Virologyでコロナウイルスの機能獲得研究を行っていた。SARS2(SARS-CoV-2)がその研究の成果であるかどうかは別にして、リスクの高い研究を、安全性の低い外国の研究所に、最小限の安全対策で委託するのは、方針としては疑問が残る。そして、もしSARS2が本当に武漢の研究所から逃げ出したとしたら、NIHは、50万人以上の自国民を含む全世界で300万人以上の死者を出した悲惨な実験に資金を提供したという恐ろしい立場に立たされることになる。』
強調:私
NIHは、50万人以上の自国民を含む全世界で300万人以上の死者を出した悲惨な実験に資金を提供したという恐ろしい立場に立たされることになる。
『NIAIDとNIHの責任はさらに重い。というのも、EcoHealth Allianceへの助成金の最初の3年間は、機能獲得研究へモラトリアムしていたからである。なぜ両機関は、法律で定められているように、連邦政府の資金提供を停止しなかったのか。それは、誰かがモラトリアムに抜け道を作ったからである。』
モラトリアム:資金提供を一定期間保留すること
『このモラトリアムでは、インフルエンザ、MERS、SARSウイルスの病原性を高めるような機能獲得型研究への資金提供を明確に禁止していた。しかし、モラトリアム文書のP.2の脚注には、"米国政府の資金提供機関の長が、公衆衛生や国家安全保障を守るために研究が緊急に必要であると判断した場合には、研究休止の例外を得ることができる "と書かれている。』
モラトリアムには但し書きがあった。
つまり、例外があった。
『これは、NIAID所長のアンソニー・ファウチ博士かNIH所長のフランシス・コリンズ博士のどちらか、あるいは両方が、シー博士の機能獲得型研究に資金を流し続けるために、この脚注を発動したということのようだ。
"残念ながら、NIAID長官とNIH長官は、この抜け穴を利用して、一時停止の対象となるプロジェクトに免除を発行し、免除された研究が『公衆衛生や国家安全保障を守るために緊急に必要である』というとんでもない主張をして、一時停止を無効にしてしまったのです」と、リチャード・エブライト博士はIndependent Science Newsのインタビューで語っている。』
問題は、この両者がどうやって『公衆衛生や国家安全保障を守るために緊急に必要である』と判断を下したか。
『2017年にモラトリアムが終了したとき、それは単に消滅したのではなく、報告システムである「潜在的パンデミック病原体管理・監督(P3CO)フレームワーク」に取って代わられ、各機関が資金提供を希望する危険な機能獲得研究 を行う場合、そのを審査するための報告が求められた。
Ebright博士によると、コリンズ博士とファウチ博士は、「リスク・ベネフィット・レビューのための提案にフラグを立てて転送することを拒否し、P3COフレームワークを無効にした」とのことです。』
コリンズとファウチは、P3COを無視し、秘密裏に武漢ウイルス研究所のコロナウイルス機能獲得研究に資金を提供し続けたということ。
『彼の見解では、二人の当局者は、モラトリアムとそれに続く報告システムに対処する中で、「ホワイトハウス、議会、科学者、科学政策の専門家が懸念されるGoF(gain-of-function)研究を規制しようとする努力を組織的に妨害してきた」という。』
ファウチとコリンズは、科学者や専門家だけで無く、
ホワイトハウスさえ無視していた。
連邦政府の研究所のトップ2人が、クーデターを起こしていた?
ではいったい誰が彼らのボスだったのだろう?
中断
『また、他の科学者も問題提起に乗り出していない。政府の研究費は、大学から集められた科学専門家の委員会の助言に基づいて配分される。厄介な政治的問題を提起して船を揺らすような人は、助成金が更新されず、研究者としてのキャリアを絶たれてしまうリスクがある。』
中断
『ファウチ博士は長年の公務員で、トランプ大統領の下で誠実に仕え、バイデン政権ではCOVIDの流行への対応でリーダーシップを再開している。議会は、当然のことながら、武漢での機能獲得研究への資金提供における明らかな判断の誤りについて、彼を火の上に引きずり出そうという気はないだろう。
『もう一つの理由は、メディアの多くが政治的に左傾化していることであろう。トランプ大統領が「ウイルスは武漢の研究所から逃げ出した」と言ったからといって、編集者はその考えをほとんど信用しなかった。彼らはウイルス学者たちと一緒になって、研究室からの漏出を否定的な陰謀論とみなした。トランプ政権下では、研究所からの漏出を否定できないという情報機関の見解を否定することに問題はなかった。しかし、バイデン大統領の国家情報長官であるアブリル・ヘインズが同じことを言っても、彼女もほとんど無視された。これは、編集者が実験室脱出のシナリオを支持すべきだったということではなく、その可能性を十分かつ公正に検討すべきだったということである。』
左傾化したメディアは、ウイルスの起源について公正・客観的な情報を発信する意欲を全く失っているということ。
日本のNHKも。
『この1年間、家に閉じこもっていた世界中の人々は、メディアが出している答えよりも良い答えを求めているかもしれない。おそらく、そのうちに答えが出てくるだろう。結局のところ、自然発生説が一片の証拠も得られないまま月日が経てば経つほど、その信憑性は薄れていくのではないだろうか。おそらく、国際的なウイルス学者のコミュニティは、偽りで利己的な(素人に対する)指導者とみなされるようになるだろう。武漢でパンデミックが発生したのは、武漢の研究室が危険極まりない新型ウイルスを安全でない環境で作っていたことと関係があるのではないかという常識的な認識が、トランプ氏が言ったことが真実であるはずがないというイデオロギー的な主張に取って代わることになるかもしれない。
そして、清算が始まるのである。』
常識的な認識、つまり世論の盛り上がりが、政府を動かし始めたということなのだろうか?
トランプを引きずり下ろすために、COVID-19禍を積極的に利用してきた左派も
そのあまりにも大きな代償にたじろぎ
今やパンデミックの真の責任者を追及する側に参加し始めた一部のリベラルの
(民主党支持者の1/3もワクチンを拒否している)
矛先をかわす必要が生じてきたということだろうか。
その矛先は、もちろん
サイエンスライターにも向けられている。
よね。笑
『そして、清算が始まるのである。』
さて、どんな精算が始まるのだろう。
凄惨でなければよいが。
それにしても、日本のテレビ・ラジオ、新聞
buzzfeed の
間抜けぶり。
新型コロナの恐怖を煽る以外、ジャーナリズムとして何もやっていない。