陽廣院日誌

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地蔵菩薩

2008年05月24日 | 仏、地蔵

久遠の昔、インドに慈悲深い2人の王がおり、一人は自らが仏となり人を救う為に一切智威如来という仏となり、もう一人の王は、あえて仏となることを拒否し、自らの意で人の身のまま地獄に落ちいり、すべての苦悩とさ迷い続ける魂を救おうとした。それが地蔵菩薩。

菩薩は如来に次ぐ仏ですが、地蔵菩薩は「一斉衆生済度の請願を果たさずば、我、菩薩界に戻らじ」と、その地位を退し、六道を自ら行脚し、救われない衆生、親より先に世を去った幼い子供の魂を救って旅を続け、膨大な地蔵菩薩の霊験で、人々の罪業を滅し、成仏させ、苦悩する人々の身代わりになって救済する。

地蔵菩薩の足下には餓鬼界への入口が開いているとする説が広く説かれ、地蔵菩薩像に水を注ぐと、地下で永い苦しみに喘ぐ餓鬼の口にその水が入る。

仏教上、餓鬼は、生前嘘を他言した罪で燃える舌を持ち、口に入れた飲食物は炎を上げて燃え尽き、飲み食いすることは出来ないのだが、地蔵菩薩の慈悲を通した水は餓鬼の喉にも届き、苦しみが暫くの間とぎれるその間に、供養を捧げたり得の高い経文を聞かせたりして成仏を願うのが施餓鬼の法要の一端でもある。

P5180016P5180017これは六道全てに隔てなく慈悲を注ぐと言われる地蔵菩薩の功徳を表す説であり、施餓鬼法要と地蔵菩薩は深い関係として成立していった。


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