レディキャピュレット(母)と乳母は、原作では全く別のキャラです。セリフの感じも違います。でも、初演当時は可愛がり過ぎる現代のお母さんっていうのが恋文を代わりに渡しに行く、なんていうのも面白い、と思ったのです。
今回改めて入れたい視点が、お母さんもまたどこかのご令嬢としてキャピュレット家に入られた、という事です。だからジュリエットの気持ちはよく分かるのに、お父さんの肩を持ってしまう。そうして頼みの母に(そして乳母にも)裏切られたジュリエットは、まさに聖書の「父と母を離れて」というう言葉通り自立します。
妻の見ていた「やんごとなき一族」を途中からですが一緒に見ています。実はこの母役の研究もありました。木村多江さん演じるお母さんに注目しています。娘に執着して何でもかんでも面倒をみてしまう過保護な親(こちらは過保護のカホコの黒木瞳さんか)も面白いですし・・・。難しい。実は本を読んでいる少女の母親がジュリエットという裏設定も考えていたりして。次に作る時はお母さんがポイントだな、と思っていたのです。しかし今更お母さん役を二人には出来ないし・・・。
ロレンスは元々は神父なんですね。そして原作では結婚を執り行っていて、街のことを気にかけている。それで、ジュリエットにも仮死状態にして、親たちが反省したところで真実を明かすというプランを授けます。(これ、実は「から騒ぎ」では成功しているパターン)これも世界史で様々な紛争対立を教えている先生が相談に乗るっていう案がいいと、初演時は思っていました。ただ今回は、作品を短くするので、例えば結婚式のシーンってただでさえ短いので今回はいらないのでは、と思ったり。
じゃあ、先生って役柄だけにしちゃうと、ちょっと前述のプランを実行させるには弱い気がする。まあ、そういう所も生徒たちとワイワイ言いながら作っていきたいところです。
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