結局木曜日になりました。すみません。
「武士は名こそ惜しけれ」竹中半兵衛
「名は良い油に勝る」聖書
「名前って何?バラと呼んでいる花を別の名前に変えてみても美しい香りはそのまま」W.シェイクスピア
名前については、いろんな名言があります。
前半の二つは名は名誉につながるという考えが根底にあると思います。
最後のものは逆に、名前とは勝手につけられたものであって、実体をそのままあらわしているのでもないんじゃないか、という考えがあると思います。
演劇における役名では、わざと「男」「女」としてしか役名がない場合や、端役なので「村人1」とか「男2」ということもあります。
わざと、男とか女とか書く場合は、一般的なものとして代表させたい、という思いがある場合があります。
固有名詞にしてしまうと、その役を演じるという意識が強くなります。そういうキャラクターが実在していて・・・、という。
実在の人物を演じる場合は、さらに慎重になります。その人の名誉にもかかわりますし、その方の縁者がいらっしゃる場合は余計にそうです。
最近読んだ話では、有名な赤穂浪士の討ち入りの敵役、吉良義央が、領民にはとても慕われた名君であったということです。
シェイクスピアの「ヴェニスの商人」のシャイロック役もそうですが、やる役者さん、演出家によって全く変わってくるのは非常に面白いものです。
先週行っていたワークショップでやったテキストは「アウリスのイフィゲニア」です。
アガメムノンやヘレネー、アキレウス、オデュッセウスなど、英雄が出てくる、出てくる。
この人たちはそれぞれ、背負った物語があって、ギリシャ時代の観客にとってはそれぞれの名前にまつわる意味・物語があったのだろうな、と思います。
以前、「ひらめのムニエル」を知らなかったのでなかなかうまく言えなかった、という話を書いたことがあります。
実際、名詞に想いや感情を乗せるというのは少し、難しいことかもしれません。
僕のワークショップや授業、稽古のウオームアップでやるワークで、連想しりとり、というものがあります。
これは、相手から貰った言葉で連想される言葉をまた次の人に渡すワークで、とても盛り上がります。
これも面白いもので、いったん慣れてくると、動詞や形容詞、今思っていることなどが飛び出てきます。
一つ変わったルールは、相手の言った言葉をまずは一回繰り返すこと。
つまり、相手にきちんとその言葉が伝わったかを確認するのです。
これって大事なことで、名詞は名詞でも初恋の相手の松井さんとサッカー選手の松井大輔さんでは、「松井さん」という名詞に載せられるもの、伝えられるイメージはやはり異なると思うのです
そういう意味で、やはり名詞というのは重要です。
今日やった長文読解の授業でも、「主人公=名詞」が「何をするか=動詞」を探すようにといいました。
英文に限らず、物語はすべからくそうです。
誰が何をしたか。ルフィが冒険するのが「ワンピース」。
私が愛し、相手からも愛されて、恋愛なのかもしれません。
あ、片思いも恋だといわれる方もいらっしゃるかも。
そこにも「恋愛」という名詞の持つ不可思議さがあるのかもしれません。
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