文型SVOCをとる動詞です。「SはOをC(という状態)に保つ(V)」と訳します。
私たちが創る舞台というものは、稽古と本番を通じて何度も同じことを飽きる以上にやります。
その中でいかに、鮮度を保つのか。
以前お世話になった俳優もされる演出家は「本番はジェットコースターのようなものだ」とおっしゃっていました。
つまり一旦舞台に出てしまえば、毎回最後まである種自動的にラストまで行くことができる、と。
稽古場でしっかり“その台詞を言う”きっかけ、“その行動をする”きっかけを作っていければ、
舞台上では何も考えなくても、そこに居るだけでそのまま芝居が流れていく、ということです。
ただし、その根元を捕まえるのがなかなか難しい。
例えば、ベンチから立ち上がって前の人に声を掛けようとする、という芝居をする際に、
①きっかけを自分の中に創って、声を掛けたくなる。
②前の人が声を掛けられるような行動をとる。
③雷が鳴ってびっくりして立ち上がり、声を掛ける
④缶ジュースをあげようとして、立ち上がる
⑤一旦暗転にして、明るくなったときには立ち上がっている
などのやり方が思いつきますが、まあ、なかなか難しい。
基本的に①や②の芝居で解決しようと思いますが、③以降の音響、小道具、照明による解決に託す場合もあります。
とにかく、毎回その言動を取るきっかけを人工的に作り、かつ精度の高い正確さで再現できるようにすることに稽古の大半が費やされるのです。
まあ、でもこればっかりはやってみないとわからない作業かもしれません。
一回きりではないのが舞台ですから。
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