この期間は、レポート作成である。
レポート作成に関しては、1時間で完了するはずがないので、4回ほど時間を使う。最初にいろいろ話をして、4回の流れを把握してもらう。
第11回 テーマを決めて情報収集し構想を練る
第12回 構想用紙を提出する
第13回 文章を書く
第14回 印刷し提出する
第11回は
こちらを参考に、論文・レポートと作文・感想文がどう違うのか話す。
序論・本論・結論の流れ、引用の方法、等を強調し、テーマを発表する。
今年は「インターネット時代における著作権のあり方について、今後どうあるべきか述べよ。」「インターネット犯罪の現状について調べ、今後の課題と展望を述べよ。」のどちらかを選択してレポートを書かせてみたが、ネット犯罪を選択する生徒が多かった。著作権はやはり書きにくいのだろう。
またインターネットが使えない状況も想定して、ある程度こちらで探して保存しておき、オフラインでも見れるようにしておく。インターネットが使えないと授業にならない事態はできるだけ避けたいので。
第12回は構想用紙作成。
マインドマップ、トゥールミンモデル、KJ法を簡単に雰囲気だけ話をし、これらを参考にして構想用紙を作成し、次回提出するよう指示する。A4用紙1枚に手書きで書かせる。トゥールミンモデル、KJ法については、以前時間をとって授業したこともあるが、今年はこのタイミングでやるには時間がないのと、他のタイミングでやっても効果があるか、評価ができるかと悩み、却下。
第13回は構想用紙からWordへ打ち込み。
早い生徒は前回から書き始めている。前回まじめにマインドマップなど書いた生徒ほど、ワードに書きにくかったのは申し訳ない。この点は再考必要。フリーソフトのKJPadやIdeaCardも検討していたが、評価が間に合わず先送り。
文章作成上の注意も細々と述べる。 「ウソつきは数字を使う (青春新書INTELLIGENCE)」という本も参考に、数字を活用した説得力のある文章を書くよう話す。
両面印刷で一回持ち帰り赤ペンで推敲、次回完成させる予定。一度コンピュータから離れ、紙の上でじっくり考えて欲しいから。この赤ペンで推敲したプリントも紙ファイルに綴じておくよう指示。ポートフォリオを意識。
第14回で完成提出
しかし、書く速度が遅い。昨年までより分量を減らして2ページということにしたのだが、今年はいろいろ制約をかけたせいだろうか。こちらが一生懸命になるほど、生徒にはプレッシャーが増えるようだ。こちらの細かい指示を生徒が一生懸命やっているのだろう。以前のように何も言わないと、最初の2回ほどはぼーっとしている生徒もいるので、仕方ない。
最近の生徒は、段落の書き始めの1文字字下げをしない傾向が多い。携帯やインターネットの影響だろうか。決して文章作成能力が低いわけではないのに、不思議である。
第15回は期末考査直前ということもあり、学習ノート、タイピング記録用紙を提出させる。
第14回でレポート提出させたものを第15回で相互評価すると、こちらの評価が間に合わないという理由と、期末考査前の時間調整の意味合いもある。何かの影響で突然授業がなくなったり、授業が思ったスピードで進まないということも想定している。ただ、年数を重ねるにつれ、1回の授業の分量はだいたいつかめてきた気がする。多少の誤差はあるが。
第16回はレポート相互評価
隣の生徒とレポートを交換して相互評価。評価する側が一生懸命評価するかも先生が評価する。プリントに手書きで一杯書くことが大事。
こういう授業をしていて思うのは、国語の作文と情報のレポートは何が違うのか、ということである。
きっと国語の作文の場合、書式や文章そのものが問われているのに対し、情報のレポートでは、インターネット等を利用して調べる過程での効率的に情報を収集する力、情報の取捨選択能力、情報の真偽を見抜く力、構想力(例えばマインドマップ、トゥールミンモデル、KJ法、BS法、BW法等での脳の中身を形にする能力)、タイピング力、それをワープロソフトで編集する能力、特に一度入力した後のカットアンドペーストでの編集能力、などではないだろうか。
ワープロは決して下書きしたものを清書するだけのものではなく、作成途中でこそ役に立つものだと思う。
手書き作文がシーケンシャルで、ワープロ作文がランダムアクセスと言えるかもしれない。
ともかく、ここまでが1学期の評価対象。7月からは次の内容に入っていく。