横山浩史 | 横山意匠設計事務所の日誌

横山意匠設計の新着情報やお知らせ/日々の戯言

新横浜公園

2013-01-20 | 土木/景観
先日1年ぶりに新横浜公園周辺を散策してきました。

新横浜駅から程近い鶴見川多目的遊水地が運動施設をメインとした公園として整備されているのですが、やはり目立つのはその中に建つ日産スタジアム。

ご存じ横浜Fマリノスのホーム。
2002年のFIFAワールドカップでは決勝が開催されたスタジアムで、当時チケットは入手できなかったものの周辺に繰り出したら、諸外国のサポーターも参加しての大騒ぎに大興奮したこと思い出します。

この公園は遊水地なのでスタジアムは高床のピロティ形式。いざという時には公園内のグランドなど施設は全て水没します。

ですのでアプローチも全て高架橋。

コチラは新横浜駅からのメインルートとなる西ゲートへのデッキ。

職業柄どうしても高欄に目がいってしまいます。
スタジアムのボリュームに見合う適度な量感と、地覆外に羽を伸ばした鋳物バラスタの繊細なバランスがやはり美しい。。



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新横浜のギャップ

2012-12-11 | 土木/景観
新横浜駅に程近いお寺さんの参道にあるイチョウの大木が見事。
15時で少し陽光が傾いた時だったので黄金色に輝いていました。


それにしても・・、新横浜は一応新幹線も停まる駅で北口はオフィスビルが立ち並ぶ整然とした街並みですが、南口はいきなり何にも無いホントに静かな佇まいです。
起伏のある地形だし道も入り組んでいて、駅付近までが雑然とした住宅地なのでそのギャップに未だ驚きます。

その南側にあるイチョウの下からの新横浜プリンスホテルビル。

コレ、コチラ側から観るとかなり目立つので、このあたりの複雑な知らない道に敢えて入り込もうとする自分にとっては重要なランドマークになっています。


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大仏のこと

2012-11-29 | 土木/景観
鎌倉は大好きで1年のうち何回か足を運んでいます。
欠かせないスポットの一つは高徳院の鎌倉大仏。
見上げる程大きい大仏様が居ることで求心力がある魅力的な景観を創り、ゆったりとした空気感の境内でとても気持ち良い時間を過ごせます。


夏に撮影した大仏。海外からも多くの観光客が。

ところで大きさでいえば鎌倉大仏は高さ13.35mなので、奈良の東大寺大仏18.03mには及びません。
しかし案外知られていませんが千葉県の鋸山日本寺大仏は高さ31.05m。鎌倉大仏のように鋳物を組み合わせて造形したのではなく、岩山を削り出し彫刻したものですが坐像としての大きさならば日本一ですので、その見事な景観を現地にてご覧になって戴きたい大仏様です。

鋸山日本寺は大仏以外にもこちらも巨大な百尺観音、すごい数が並ぶ千五百羅漢、また地獄のぞきからの絶景も素晴らしいので、是非こちらを→ 鋸山日本寺公式サイト


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古墳の景観

2012-11-25 | 土木/景観
群馬県高崎市には数々の古墳群があります。調べると結構な数。
なぜこんなにこのあたりに密集しているのかよく知りませんが、その中の国指定史跡の観音山古墳を視察して、とても面白かったのでご紹介です。

全景です。古墳公園になっているので誰でも自由に登れます。
前方後円墳の形が非常に整っていて美しい景観。


階段から見上げると何とも言えない魅力的なスカイライン。


中段の通路部。全周を歩けます。


後円部から。前方部のカタチがとても綺麗です。


横穴式の石室。奥から入口を観る。


石室天井は牛臥砂岩とのこと。えらい大きい石材でした。


石室壁面の角閃石安山岩石積み。
きちんとした加工の跡が見て取れて感動です。
すごくしっかり積んでる。


全長97m、高さは9m、6世紀後半に築造された観音山古墳。
醸し出される現実感から遠ざかる感覚はとても心地よく、景観的にもすごく魅力的です。

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馬車道の馬

2012-11-22 | 土木/景観
元町商店街とならんで横浜で人気のストリートといえば馬車道。
歴史ある建造物とオシャレな店が融合して、いつも多くの人で賑わっています。


ガス灯もレトロでカッコいい(逆光で見難いですが・・)。


国の重要文化財指定旧横浜正金銀行本館(現神奈川県立歴史博物館)のエントランス。
手の込んだ美しい石造り。やはり立派!


近すぎてドーム状の屋根がみえないのは残念ですが。


馬車道なので馬の車止め。

実はコレ10年ほど前に自分がつくったモノ。デザインではなく、馬の鋳物原型を粘土で。
彫刻の勉強してないのに良くやったと、今となってはそのチャレンジ精神に感心します。


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東京駅行幸通りのこと

2012-11-20 | 土木/景観
先月駅舎復元のイベントが大々的に行われた東京駅。この前やっと観てきました。



とても丹念に造られています。

しかし今回の本当の目的は駅舎ではなく丸の内口から皇居外苑に向かう「行幸通り」の視察でした。
行幸通りは幅員73mで内30mの中央帯が歩道化されていて、そこから東京駅を望むとこんな感じです。

とても広々とした空間。すばらしいビスタ。

街路灯です。



周りのビル群に押し負けない量感と近代的なキレのあるデザイン。
八角形は駅舎ドームとのイメージ整合か?

こちらが歩道灯。



こちらは量感がありながら流れるような優しいフォルム。

歩車道分離柵。


そして植栽帯と鋳鉄ベンチ部。重厚です。


一番驚いたのがこの石材舗装。

石の小口部をノミ切りの様な処理で荒らし、創ったばかりの「新しさ」を敢えて削り取ってる。
歴史感の演出なのでしょうがなかなかできない設計です。

ファニチャーのデザインはナグモデザインの南雲さんですが、いやはや、ある程度の予算が確保されているとはいえ意図を押し切ったデザインです。ファニチャーを含めた空間全体でこの場の風格や品格を見事に表現していました。
この行幸通りの整備も東京駅舎同様に大変素晴らしいので一見の価値有りです。

巨大なエアコンプレッサー

2012-11-17 | 土木/景観
横浜ランドマークタワーの足元の目立たない植え込みに中に見たことも無い巨大なエアコンプレッサーがモニュメントとして置かれています。
これがまたすごいサイズなのです。まるで機関車のような風貌。とてもイカツイ。





1918年アメリカのニューマチック・ツール社製。
この場所から造船所が移転する65年間稼働し続けたという歴史的価値のある代物とのこと。
剛健な機械構造の造形が圧倒的。魅力的な無骨さです。

チタンの柵

2012-11-14 | 土木/景観
横浜市臨海部の臨港パーク。パシフィコ横浜の裏手にあります。
開けた臨海空間に高木に囲まれた大きな芝生広場もあり、近隣に住まう方や働く方がのんびり過ごす静かで心地よい場所。
みなとみらいあたりで一番好きな広場です。

ここから見るベイブリッジはとても良いです


ベンチや腰掛階段で弁当を広げるいつもの風景


自身も子供を連れてよく来るのですがこの場所でいつも最も気にしているのがコレです。
チタ二ウム製の柵。


貝類などが付着しているものの腐食が全くみられません。


設置されたのが1991年なので既に20年以上が経年しています。しかし状態は全く良好。確かボルトやナットなどもすべてチタンで造っているはずです。
常に海水に浸っているハードな環境なのに、やはりチタンの防食性はスゴイのだと感心します。

以前にここと似た環境条件に対する柵素材について検討する際にチタンも調べたのですが、値段が高すぎて検討から外れました。が、環境が過酷であればやはりスチールやアルミ、ステンレスでも数年もすると腐食や劣化が進行し対応が大変なこととなります。
結局、ある程度の初期投資をした方が長い目でみれば安く済むということですね。
耐食性能に優れたステンレス材などでも日本では何故か比較的安価なSUS304が一般的となってしまっていますが、屋外使用の土木資材として永続的な耐食性を考えるならばやや高価でもSUS316を選択するべきです。

海への眺望を最優先するため、柵を海面まで下げてテラス上から見えないようにする設計ですが、柵材の質を下げれば海面から離れたテラス上に設置されてしまいます。かなり高額であったチタンを選択してまで海との親和性を確保した臨港パークの設計は大変すばらしいです。

GTS観光アート

2012-11-07 | 土木/景観
先日参加した日本デザイン学会環境デザイン部会の見学会。視察した東京芸術大・台東区・墨田区共催の観光アートプロジェクト作品を抜粋でご紹介します。

まずはコレ。浅草神社の境内で作業中でした。
黙々と漁網を編む「そらあみ」。一般の方も編めるそうです。ふむ。



次はコレ。花川戸公園内にある石の塊。「石の舟」。
表面には浅草小学校の児童も作成した色んな生き物の顔が。ドラえもんもいました。



墨田公園内の「スカイネスト」(鳥の巣)。
良く観ると木の格子籠の中にはタカやインコなどの鳥たちが。籠の足元はベンチかな?


墨田公園内の「LOOK」。ジャングルジムのような2階建て。
座ったり登ったり寝転んだりしてスカイツリーを正面に眺められる休息兼眺望装置。



一番面白かったのがコレ。墨田公園内の「グリーンプラネット」。
宙に浮いたお椀の底の穴に顔を入れると内部は緑の異空間。見知らぬ人とも笑顔で。



屋外公共空間に設置されるモノは、コンセプトが立派な眺めるだけの彫刻作品でなく、やはり子供も大人も楽しく関われるタイプが良いと感じます。それもキチンと景観との折り合いや場の歴史や風土を考慮した造形で。
他にも様々なものあります。詳しくはGTSのサイトをご覧ください。


浅草寺

2012-11-05 | 土木/景観
昨日11月4日、デザイン学会環境デザイン部会主催の隅田川界隈に展開されているGTSの見学会に参加してきました。GTSとは、東京芸術大・台東区・墨田区が協働して行っている地域連携の興味深い観光アートプロジェクトです。
設置されている作品のご紹介は後程として。

こちら雷門前にある浅草文化観光センター。
いつ新しくなったのか知りませんでしたが、内外装とも木材をストレートに見せた綺麗な建物。



ここは自由に出入りできるのですが、8階からの眺めは素晴らしいです。この近辺でこんな高い位置から眺望できる場は無いのでは?
観光の際は是非利用することお勧めします。

8階から観た東京スカイツリーとアサヒビールビル。


手前の雷門から仲見世、浅草寺までを俯瞰できる見事な視点。こんな視点は初めてでした。


そしてご存じ雷門。この日は天気も良く朝から人出が多かったです。


仲見世と浅草寺。国内外からの観光客でスゴイ賑わいでした。



さすが国内外に知れ渡る観光スポットです。GTSのプロジェクトはここ浅草エリアとスカイツリーエリアをアートで結び回遊ルートを創ることを目標としています。
また後日ご報告します。





象の鼻パーク

2012-11-02 | 土木/景観
横浜市の開港150周年に合わせて平成21年にオープンした象の鼻パーク。
復元された防波堤はゆるやかにカーブして先端に丸みがあり、ホント象の鼻の形です。
天気が良かったので久しぶりにブラブラしてきました。

象の鼻の先端 鼻先には赤レンガ倉庫が


鼻の根本に横浜らしい古っぽい店発見 カッコいいです 雑貨屋かな?


モニュメントパネル かなりの枚数が設置されています


パネルは鋳鉄製 細かく開孔した平板による構成です


鼻の上から見た大さん橋 ちょうどでっかい船が留まってました


復元された重厚な石材と対岸のみなとみらい地区


鋳鉄製のパネルは夜間ライトアップされるのですが一度も見たことありません。
今度は是非夜の散歩をしてみようかと思います。




手動式の踏切

2012-11-01 | 土木/景観
そういえば、ワイヤー柵リゾシリーズの販売元である日本鋳造株式会社の正門前にはJR鶴見線が通っていて、珍しい手動式の踏切があります。
左右の鉄柱間に張られたワイヤーロープを人力でハンドルを回して上げ下げします。まるで踏切が会社正門のようなもの。場所は川崎市川崎区の工業地帯内です。





国内にも手動式の踏切は多々あるようですが、確かワイヤーを昇降させるタイプはここだけと聞いたことがあります。ホントかどうか調べてませんが・・・。

鶴見線の運行本数はそれほど多くは無いとはいえ、昇降ハンドルを回す作業はうっかりミスが絶対許されません。毎日定刻に日本鋳造の守衛さんが行っています。
気を抜けない作業、ご苦労さまです。

東横フラワー緑道

2012-10-17 | 土木/景観
随分前に完成してから1度もきちんと観ていなかった東横フラワー緑道を歩いてきました。
東急東横線の横浜駅から反町駅の先までが地中化されたので、その跡地や高架上を遊歩道化したもの。
延長は1.7キロくらいでしょうか。

東白楽駅から横浜駅方面に進みました。

東白楽駅近くの地上部からスタート


スロープで高架上へ 右手が東横線


高架上はこんな感じ 東横線がこの下


さらに進むと自然に地上へ


線路をそのまま使った路面モニュメントもあり


反町駅手前でまた高架上へ


この真下が反町駅


また地上に戻り今度は高島山トンネルが


遊歩道のスケールではない異様な迫力


トンネルの先には横浜駅付近のビル群


この先が横浜駅

元々が線路なので遊歩道にしてはゆったりとした幅員ですし、緑も多く気持ちの良い道でした。
特に歩道用としては造られないであろうトンネルはかなりインパクトあります。利用時間の6:00~21:30以外は閉門されてしまうようですが・・・。
地上から高架上、トンネルもあり変化に富んでいるので2駅くらいは楽に歩けますが、並木など少ないので日差しの強い時には厳しいか?もう少し日陰とベンチなどの休息施設が欲しいところです。
幅員がこれほどあれば日除けと雨除け用に歩行用シェルターなどが連続していても良かったかも。

隅田川の橋

2012-10-06 | 土木/景観
先日フォトアルバムにアップした隅田川に架かる橋梁のライトアップ写真です。
撮影したのは少し前ですが、夜の護岸遊歩道は人通りもほとんど無くとても静かでした。
橋のデパートと云われるように橋梁形式も多様な橋梁群は夜間の顔もこれまた多彩。

勝鬨橋


新大橋


清州橋


中央大橋


永代橋


吾妻橋

シャープな表情の中央大橋の主塔も綺麗ですが、
密な桁下構造を内照した吾妻橋のライトアップが奥行きがあって一番美しいです。
光源を直に見せて点が連なるような演出が多いのですが、
少々稚拙な印象を受けるので投光照射に変えたらどうかと思います。

萬代橋

2012-09-14 | 土木/景観
新潟の萬代橋の夜景。
軽快なアーチも美しく大好きな橋です。




重要文化財指定に合わせて橋上灯や橋側灯などを架設時の状態に復元した萬代橋。
当時末端で検討作業していたので何度も通って調査など行い、とても思い入れがあります。
橋側灯は遠目では小さく見えますが、現物は3メートルほどもある立派なものです。