この国を想うとき powered by 紫

日本を支える経済、科学技術、文化を語り、日本人の魂の復活を願う者より

アメリカの北方領土見解

2005年11月30日 | 外交の論点
前回の記事のコメント欄で北方領土について議論が盛り上がりましたが、今度は諸外国、特にアメリカの北方領土に対する見解について少々

この前の日曜、西海岸のある本屋さんで日本の観光ガイドを見つけて立ち読みしていました。北海道の欄で立ち止まりながら「アメリカ人もウニ食べたがるのか。中国産との見分け方わかってんのかな。」などと思っていたところ、たまたま知床方面の地図を見つけた私の目は釘付けになりました。

Kunashiri
(Russia)


は?


恥ずかしながら、私は今までアメリカの世界地図や教科書で北方領土がロシア領とされていることを知らなかったのです。
サンフランシスコ条約で「千島」の範囲を明確にしなかった、アメリカがわざと曖昧にしたとか聞いていたのですが、もまいら、お国ではロシア領だとはっきり教えてるんかい!

ちなみに、余り一般には知られてませんが、中国の世界地図では北方領土は日本領ということになっています。
これは中ソ間でのかつての領土抗争を反映しているのでしょうが、ともかくこの国が靖国云々を言い出したのは90年代に入ってからであり、80年代前半までは「日本は軍事力を強化し、日中で対ソに向けて共同戦線を張るべき」などと言っていたことを忘れてはなりません。

これは知っている方にぜひ教えてほしいのですが、アメリカが「北方領土⊂ロシア」のスタンスをとっているのは何故でしょうか?
連合国側だから?それとも日本をアメリカが占領する交換条件として、ロシア側の北方領土占有を認めてしまったというような歴史的事由があるとか?

さらに今後アメリカはその見解を変えてゆくつもりはあるのでしょうか。

いずれにせよ、日露の交渉の際には日本が妥協せず態度を曲げないこと、必要とあらば経済などのカードをうまく使うこと、そして他の欧米諸国にうまく根回ししてゆくことなどが重要かと思いますが、以前トラックバックを頂いた非国際人さんがいみじくも論じられていたように、このままのアメリカの態度では、アメリカの様子を伺いながら外交を進める小泉さんが、本気でロシアと渡り合うとは思えません。ここでは硬派安倍さんに期待しておきます。

一般の日本国民に出来ることは、忘れないで心に留めておき署名運動を見かけた時は必ず署名するとか(古典的ですが)、必要とあらば(ネットも含めた)公の場で主張することににより、メディア・世論を通じて政治家に動いてもらうなどでしょうか。


ちなみに、ネット上に置いてある世界地図は北方領土はDisputeしていると書いてあるものが多く、旅行会社のサイトなどでは日本領としてある!ものまであるようです。モノによっては南樺太も「白抜き」ですね。上の図を探すの、多少苦労しました。(Googleで "Map of Japan" -site:.jp などして探してみてください)

IQは大人にも意味ある?

2005年11月28日 | その他の戯言
昨日、大作(?)を書きすぎたので、今日は軽めの話題で。

昨日はテレ朝系で「テスト・ザ・ネイション」をやっていたそうですね。IQモノが流行ってますが、早速友人からのメールで知りました。更に、「お前のIQは?」と問われ、教えてもらった以下のサイトで計ってみましたので、晒します。

http://iqtest.dk/main.swf

最初に言語を選ぶページがありますが、実際のテストには全く言葉は出てきません
右下のマスに入る絵を下の8枚から選ぶという問題を、40分以内にひたすら39問解く設定で、わからない時はとりあえず飛ばして、後で戻ってこられます
終わってから一番右下の「Menu」にマウスをあわせると「Send」という文字が出ますので、それをクリックして終わり。

中にどうしてもわからないやつがありましたが、とりあえず138と出たので、友人(135)には結果画像を送ってあげました。こんな運転免許の適正試験みたいなのだけで、本当にIQが出るのか疑問だ。(そもそもIQに意味があるのか不明ですが)。40問しかないし、きっと慣れている人ほどできるでしょう。標準偏差が15らしいので、99.5パーセンタイル。世界人口60億人のうち、上から3000万人くらいには入るということでしょうか。たいしたことないなあ(笑)。

IQそのものに異議を呈すると長くなるのでやめるとしても、元の定義では、12歳までIQとは(精神年齢)/(実際年齢)×100で計算するのが正しいらしいです。

ゲームみたいなものですので、ボーリングのスコア比べみたいなものだと思って、お暇な時にやってみてください。規則性を考えるのと、わからない時は飛ばして後で考えるのがコツだと思います。

トヨタは日本では何を目指すの?(3)レクサスは何故米国で成功したのか

2005年11月27日 | 日本発メーカ トヨタ論
「トヨタが如何に(日本の)高級車市場を勝ち取るか」というテーマで前の記事から議論始めましたが、ヒロさん、catさんが「カローラではないが、トヨタ流の哲学を体現することでは」という面白いコメントを下さいました。

私もトヨタが他の商品で築いてきた商品コンセプト(哲学)、ブランドイメージ、技術、顧客、そういうものをもっと生かすべきではと漠然と思うものの、問題は、それを日本の高級車市場で具体的にどうやるのかです。少なくともこのままではレクサスは日本では失敗する、と思う。

真面目に考えるに当たって、とりあえずレクサス本をいくつか買ってきて読みました。ただ、ヒロさんが推薦してくれた大前研一氏の記事は、SAPIOのバックナンバーがこちらで手に入らず、まだ読めてないです。

さて、トヨタが如何に(日本の)高級車市場を勝ち取るか」を考えるに当たって、私なりの疑問点をあげてみます。
  • そもそも高級車市場にいる客ってどういう人たち?何を重視して車を選ぶの?
  • 競合であるBMWやメルセデスはそこに対してどう攻めてるのか?
  • 高級車市場で活かせるトヨタの強みってあるの?例えばレクサスはどうしてアメリカでは成功したの?カローラやマークIIが日本で成功した理由は?
てな感じです。特に第一の疑問は、私は一番大事だと思いますけど、トヨタ自身にも見えているのかどうか疑問です。 確か今年の正月のワールドビジネスサテライトの特集で出ていた張さんが、高級車市場のセグメントが見えない、と言っていた気がしますし、急拡大すると同時に、多様化が進んでいるので、実はまだ誰にも見えていないのではないかという気がします。

とりあえず今回は米国でのレクサスの成功の鍵なんですが、本を読んでいる限りでは、「トヨタが自社の強みを生かせば確実に切り崩せる市場セグメントを特定でき、その人たちが車に対して不満に思っていることを全て解決した理想の車のイメージを打ち出せたから」というのが一番大きいのではないか、と思いました。

もちろん
  • 技術的に相反するデザイン、低燃費、馬力を、実際に実現すること(基本デザインへの何度もの立ち返りや50回以上に及ぶ風洞実験)
  • 米国にレクサスオンリーの販売店網を作り、最高級のサービスと車の知識を徹底させること
  • 生産拠点を米国に移してTPSを徹底しコスト削減。また日本の工場と同じ最高の品質を実現できたこと
なども重要な成功要因で、それぞれにプロジェクトX並みのストーリーが存在するわけですが、こういうのってトヨタの十八番ですよね。

非常に苦労はしたかもしれないけどトヨタならやれば出来ることだと思うわけで、そのこと自体は彼らの大きな強みです。むしろ、そういう強みを持っていても切り崩せない難しい顧客というのは必ずいるわけですから、逆にこの強みを活かせる顧客は誰なのか、きちんと特定し、次に彼らが本当にほしいと思っているのは何か探れたこと、これが成功要因だったんじゃないかと思うわけです。

ビジネスウィーク編集者のチェスター・ドーソン氏の著書「レクサス-完璧主義者たちがつくったプレミアムブランド」の中の「ボボズを探せ」という章にこの辺りにこの辺の詳しい話が載っていますが、まとめるとこんな感じです。

トヨタは、古典的なマーケティング手法で高級車市場を次の3つにセグメントした上で、コンサルタントや専門家を利用してそれを裏づけしていったようです。
  1. 比較的年配で、キャデラックやリンカーンの黄金時代に成人した層。生活に対する考え方も保守的。車で重視するのは、快適な乗り心地と充実した装備、そして「メイドインアメリカ」

  2. 若く高学歴で、高収入の層。彼らのお気に入りはBMW。車の乗り心地自体には大きな不満を持つが、一番重視するのは隣人や友人に「見栄を張れること」なので有名ブランドであることが何よりの購買要因

  3. そして最後のグループは、大半がメルセデスの所有者で、社会的地位は高いけれど、別に隣人に見栄を張りたいとは思わないし、自分のライフスタイルにふさわしいものを重視している。高級車というものに対しても、外見よりも、もっと実際的な価値を求めていた。高価なのだから、メンテナンスの手間はかからず、信頼性があり、サービスは良くて当然。そしてこれらはメルセデスでは十分に満たされていなかった。
最後のセグメントは、ベビーブーマー世代の成功者に多く、学生運動を経験していたり、「高度な教育を受け、創造性を追及するボヘミアン的世界に片足を置きながら、一方で世俗的成功というブルジョア的領域に足を置いている」ブルジョア・ボヘミアン(ボボズ)と名づけられた人たちでした。そしてトヨタが対象としたのも当然このセグメントだったようです。2は今後ブランドが確立してから可能性があるとしても参入時はゼロ、1も対象にしても詮無いことは確実ですから。

こういった手法は特に新しいものでもなく、商品開発の序の口に過ぎないのでしょうが、いったん正しいターゲットを絞れば、品質であれ、販売体制であれ、確実に最高のものを出せるスピリッツと文化・技術力が備わったトヨタという会社にとって、このターゲットを定めてやるというのが最も大切なのではないかと思うわけです。

それから論点ずれますが、日本の高級車市場はまだ確立されたものではなく、急拡大・急変化中で、こういうベーシックな手法は当てはまらないだろう、とは思っています。顧客像がはっきり見えることは大切ですが、製品が顧客ニーズや価値観を作ってゆくという余地も十分に残されている市場ですので。

ところで、これらの本を読んで気がついたのは、レクサスはあくまでアメリカで成功させるために精細精微に渡って設計されたものであって、日本人のために作られたものではないということです。今の状態はアメリカで大成功したものを、とりあえず日本市場にぽんと放り込んだ以上の何ものでもありませんから。

もしかしたら、レクサスは単なる様子見であって、日本の高級車市場を狙う新・マル秘プロジェクトがトヨタ内で粛々と始まっているのではないかという気がしました。そして、同様に本丸ともいえるヨーロッパの高級車市場への進出に向けての足がかりに過ぎないかもしれません。

成熟したネット社会とスモールワールド

2005年11月26日 | 科学系ざつだん
ブログをはじめて一週間ですが、自分の意見を衆目に晒すとなると、それだけ勉強して考えることになるし、ご意見を頂くと更に勉強になります。
ブログを始める前に思っていたより、良かったなあと思っています。

その昔(98~99年ころ)ホームページ開設ブームの頃は、ご他聞にもれず私もホームページで掲示板を開設しておりましたが、良く「荒らし」対策とかに追われてました。「匿名で書き込める」という特権がまだ新鮮で、透明人間になったばかりの人がやりたい放題やる感じだったのでしょうか。

その後のメーリングリストブーム(99~01年)では、ちょっとしたことで嵐のように突っ込みが入って一人が攻撃対象になり、管理者が調停役に入っては、それがまた原因になって朝起きたらメールボックスがすごいことになっているなどしばしばでした。(無論、こういう話は今でもまだあるのでしょうが。)意見交換で得られるものも多かったけれど、失ったものも結構あったと思っています。

今では皆さん対応が紳士的で、寛容です。きっと皆さんも今までいろんな経験をなさって、歴戦の手練なのでしょう。「成熟したネット社会」ってこういうのを言うのでしょうか。

ネット社会が成熟していますが、私自身はブログに未熟なことも書くかもしれません。その際はどうか寛容にご教示を。今後ともどうぞ宜しくお願いします。


さて、上のグラフィックは、「世界の人は6人を介せば結ばれる」ダンカン・ワッツの「スモールワールド」の本でも有名になった、ウェブのリンク状態を点と線で表した図(点がサイト、線がリンク)です。ちなみにウェブの場合は1999年時点では「19クリックで世界の人が結ばれていた」そうです。(もしかしてこの絵自体はインターネットのIPと接続状態だったかも知れません、が細かいことなのでご容赦)

何が面白いかというと、この接続状態は、点を置いて、全くランダムに人工的に線でつなぎ合わせるのとは、全く異なる様相を示すこと。そのように人工的に作ったランダムネットワークでは、どんなに線を増やしても、「世界の人が6人を介せば結ばれる」というような効率的なことは起こらず、いつまでも結ばれない人たちというのが存在し続けることになるそうです。

一方インターネットや人脈など、自然にできる効率的なネットワークはスケールフリーネットワークと呼ばれるそうですが、何故「6人で結ばれる」という効率的なことが起こるかというと、多くのリンクを持つ有力なハブが存在するからで、その点を介することで殆どの点が結ばれているという関係になっているからだそうです。
なるほど、Webではヤフーだのポータルを通して結ばれているんでしょうし、人脈では「ものすごい顔の広い人」が世界の人を結んでいるってことですね。(どんな人だろう?ブッシュとか?)

以下、スケールフリーネットワークの例です。
  • 人脈(点が人、線が知っている関係、ハブは普通に考えて世界の有名政治家でしょうか)
  • Webサイトリンク(点がサイト、線がリンク、ハブはポータル?)
  • 論文の引用関係(点が論文、線が引用関係、ハブは有名論文でしょう)
  • アメリカの空港のネットワーク(点が空港、線が直行便がある関係、ハブはSFOやJFKかな)
  • 生態系(点が生物の種、線が食う食われるの関係、ハブは雑食でしょうか。人間?)
  • 遺伝子のネットワーク(点が遺伝子、線が抑制関係だそうです。ハブってこき使われる遺伝子なんでしょうね。何だろう)
上の例を見ると、空港のように互いに結びついている例と、人脈やWebリンクのように一方的リンクとが混在していますが、多少次数は異なるがどちらもスケールフリーになるそうです。

一瞬えっ?と思いますが、例えばイギリス人Aさんと私のリンクを考えると、Aさん→日本国天皇、と来て、次に陛下が私なんぞを探し出すお手間を考えると、確かにその苦労は相互リンクは殆ど一緒かな、という気がするので、ちょっと納得です。

現在のウェブのサイズはどのくらいなんでしょうかね?
1999年以降、圧倒的にサイト数は増えていると思いますが、一方で巨大ハブも増えていますので、「19クリック」というのは案外変わっていないかもしれません。(知っている方は教えてください)

愛子様はダンナを立てられるか -「女帝」論争

2005年11月25日 | 歴史問題
こちらの国は、今日は「Thanksgiving」というお休みで、仕事が休みなばかりか、周りの店も閉まっており、さらに周囲のアメリカ人も皆実家に帰ってしまったため、行くとこもなく部屋に引き籠っております。

さて、挑発的なタイトルですみません。所謂「女帝」容認論争について議論したいと思います。長子優先が決まりつつある今、いまさら議論も何もないとは思いますが。

ちなみに私は敢えて言うと「容認派」でした。(積極的な反対論拠がないと思うので)

たぶん本質的な論点は「女を天皇に立てて、国民が感情的に納得するのか」ということなんだと思いますが、女性差別的でマトモに議論できないし、個人的には女帝が立っても、適応の早い日本人はすぐに慣れてしまい、心配ないんじゃないかと思っています。もちろん最初のうちは、何かある毎に批判の的になり、ご苦労はされるでしょう。

ここでは、マトモに論点となっている二つの点について意見を述べたいと思います。

女性皇位継承権を容認すると、皇族が増えてしまう問題はどうするのか
女性に皇位継承権が生じると、皇族を出ないで独立家計を認める、という選択肢を認めざるを得なくなるため、皇族の家庭がどんどん増え、国家予算がとんでもなくなる、という話です。現在皇族の独立家計は5つありますが、将来的にマコさんやカコさんにまで独立家計を認めたら、その数はどんどん増えてゆくでしょう。

これに関しては極論を言うと、皇族への支出は一定に保って、英国王室みたいに皇室もある程度自力でお金を稼ぐように仕向ければよいのではないかなどと思いますが、どんなものでしょうか。英国に限らず、タイなんかでも、王室は夏宮を公開して金儲けしてますし、大概の王室は国家経済の負担を減らすべく努力しております。


以下、執筆者の単なる勘違いなので削除。「女系」を認めるのと、「女性天皇」を認めるのは別の問題ですね。ここでは「女系」には踏み込むつもりはなかったので、削除します。ご指摘有難うございました。

歴史上の女性天皇は、すべて「男系」であり、「女系」を認めるのは事実上初めてとなる

うーん。
これって、だから何だという感じがしなくもない。時代が変わって、今は女性も男性と同等に働いてる時代なわけですから、日本だけその「伝統」を踏むのは「時代遅れ」に映るのではないか、と感じてます。
そんなわけで、女帝を阻止する論拠は客観的に見て薄いのではないかと思いますが、どうでしょうか。(いやもっと重大な問題があるぞ、という方はコメント下さい)

個人的に気になるのは、そんな愛子様がお世継ぎをお生みになるための、ダンナは見つかるのかという問題です。ご降嫁された紀宮様も苦労されたわけです。「私が女帝」になる愛子様と結婚を望む男性がどれほどいるか…。

英国のエリザベス女王の口癖は"My husband and I…"だそうです。どんな時も常に自分のダンナを先にして、立てる。女帝として男性国民の反感を買わない努力を欠かさない。

問題は、愛子様がそれを実践できるほどオトナになれるか、というところだと思います。

トヨタは日本では何を目指すの?(2) レクサスのマーケティング・番外編

2005年11月25日 | 日本発メーカ トヨタ論
トヨタがお台場にレクサス展示場を開設したそうです。「いつかは○○」ってクラウンと同じブランディングの仕方ですね。

いつかはレクサス 東京・お台場にギャラリー開設 トヨタ
FujiSankei Business i. 2005/11/25

バブル前、日本人が漸く豊かになってきて、一家に一台車があるのが当たり前になってきたころ、トヨタは「今はカローラだけど、いつかはクラウン」「今はカムリだけど、いつかはクラウン」と消費者に思わせる、というブランディングをしていました。

展示場でも、カローラと同じ建物の中にありながら、一番いいところにおいてありました。幼い私なんかも、そのうち父親が偉くなったら、クラウンに乗れるようになるんだろうとか、自然に思っていました(笑)。

いや、これは個人的な感覚だけでなく、裏づけするエピソードがあるようです。車の好きな友人の話ですが、伝統的なトヨタのセダンのネーミングは、カローラ(英語で花冠)、カムリ(冠)、マークII(=コロナ、太陽の冠)、そしてクラウンとすべて「冠」を意味する言葉になっているそうで、「すべての冠はクラウンに続く」という意味合いでネーミングされているそうです。(もちろん最近のとか、ミニバンとかは違いますが)

前の記事で、トヨタはレクサスという別ブランドをたて、しかも海外で流行らせて日本に逆輸入するという戦術を取ったが、上手く行ってないのでは、と書きましたが、今度はかつて成功したクラウンのやり方を踏襲しようというのでしょうか?

それでは上手くいかないと思うんですけどねえ。

だって実際、クラウン売れてなかったじゃないですか、ゼロが出るまで。

バブルを過ぎて、消費の仕方が多様になり、特にぜいたく品については「個」を重んじるようになっている今、「いつかは○○」という発展途上国的マーケティングは上手くいかないんじゃないかと思っております。

かなりありきたりですが、「私が優雅になれる空間」とか「私が作るこだわりの場所」とかそういう方がまだ受けるんじゃないのかなあと、思うわけです。

日本半導体メーカー ファブレスへの道(1) 一番の難関は「すりあわせ」

2005年11月24日 | 日本発メーカ 半導体
半導体プロセス関連を検索していた時に、たまたま訪れた Takekida's logさんのページでコメントしたのがきっかけで、私もブログで書いてみることにしました。

先週、こんな記事が読売新聞から出ました。
次世代半導体で国内5社が共同工場、来年着工へ

日本の半導体メーカーがファブレス化を目指すべき、という議論は以前からありました。
汎用品化したメモリ事業の切り離しが終わり、ロジック中心となると開発工程こそ、各メーカーの強みが活きる競争領域である。生産は共同化するなり、外注するなりすべき、というような議論です。

さらに、私の見解ですが、ASIC(カスタム品)や通信用ASSPや車載半導体など特殊品が、日本のメーカーの強みだと思っています。海外でこの分野で成功しているのは、ザイリンクス、クアルコムなど、どこをとってもファブレスです。開発に集中投資することで素早い製品開発を行い、生産外注でコストを下げることで成功しています。

一方、設計から生産までの垂直統合で事実上成功しているのはインテルMPUやマイクロンDRAMなど汎用品一点投資型。一製品で、工場の何ラインも占めるほどスケールが巨大なので、垂直統合の弱み(コスト高)を十分カバーできます。

多品種少量生産の日本メーカーが、これらのメーカーと戦いながら、垂直統合を続けてゆくのはかなり難しいと思うのです。

さて。

ここまでファブレスの利点がありながら、何故、今までファブレス化ができなかったのか?

私は、日本の半導体メーカーの一番の強みは「高品質」で、それは開発と生産の「すりあわせ」によって実現していたから、というのが最大の理由だと思っています。「すりあわせ」、つまり開発と生産の密接な連携が鍵になっていると思ってます。

例えば、開発段階で十分に半導体のパフォーマンスがあげられない時があります。そんな時、高い生産技術を持つ日本のメーカーは、現場でのテクニックを駆使して、高いパフォーマンスを実現してしまったりします。

または逆に開発段階で、自社の工場の生産技術の特徴などを組み入れ、良い品質が出るように最適化したりします。

そういうことは、ファウンドリの生産管理のノウハウを知らず、口も出せないファブレスには出来ないことです。

こういうの、半導体に限らず、自動車メーカーでも機械メーカーでも同様で、たぶん日本製造業一般の強みなんじゃないかと思います。どのメーカーにも、開発側、生産側にすり合わせのためのノウハウが蓄積しており、簡単に切り離すことができないのでしょうか。

生産を台湾のファウンドリに委託するのもってのほか、としても、日本メーカーが共同でファブを作る、という方法がなかなかうまくいかなかった理由もこれだと思います。どのメーカーでも開発と生産が「すりあう」ためのプロトコルは違ってますし、異なるノウハウが蓄積しており、それを活かせなくなってしまうのは痛い。

個人的には、あくまで垂直統合を維持し、高品質を強みとしたままで、生産コストを下げるべく製品開発・生産技術を変えるというのが日本の半導体メーカーのあるべき姿ではないかと思っていましたが、どうやら次世代ではファブレスへ動き始めているようです。

であれば、成功するためにはこの「すりあわせ」を超えてゆかなくてはならないと思いますが、どう克服してゆけばよいのでしょうか?

トヨタは日本では何を目指すの?(1)

2005年11月23日 | 日本発メーカ トヨタ論
実はいま、アメリカ西海岸におります。
こちらに来てまず驚くのは、公共の交通機関が殆どなく、車がないと生活できないほど田舎 多くの人が車で生活してるということもありますが、何より走っている車の殆どが日本車だということに目を見張ります。

「殆ど」は言いすぎかな。でも半数は日本車、という印象。

例えば駐車場を見ると、トヨタ、トヨタ、ホンダ、フォード、シボレー、マツダ、BMW、トヨタ、ホンダ...という感じで並んでます。アメリカ人の同僚に聞くと、一番理想の車は、 "Camry, because Toyota cars are most reliable and have good gas mileage, and COOL. Everyone likes it"だそうです。いやはや面映いというか、そう言われると本当に嬉しいです。

彼らによると、トヨタがアメリカで売ってる車で一番高いのは、レクサスを除くとカムリなので、「手が届く価格で一番理想なのがカムリ」ということらしいです。

ちなみに韓国車には興味がないとのことでした。

私は所謂"車好き"ではないですが(乗るのは好き)、トヨタが如何に高級車市場を勝ちとるかというテーマには非常に興味があります。

日本では近年、トヨタや日産が高級車市場を下から追い上げる形になっていますが、まだまだ日本勢は弱い印象です。700万だの1000万だのというお金を、車に投資できる裕福な層の人たちは、BMWにしようか、アウディにしようか迷っても、日本車の名前は出てこない。

結構大きな市場で、かつ拡大していると思うのですが、トヨタ・日産・ホンダともに完全に取りはぐれています。

何が難しいんでしょうか?
技術力で差があるとは思えないので、取り組めば日本企業なら必ずできるはず、と思いますし…(良く知らないので違ったらコメント下さい)

私の仮説は、「ブランドイメージの構築に失敗している」ことではないかと。高級車を買う人は、大枚はたいて何を買っているかというと、「自分は最高品質の車に乗っているのだ」という安心感やステータス、普通では得られない高級感、というものだと思います。

ところが、トヨタが高級車を出しても、「え、だってカローラのトヨタでしょ」と思われてしまう。(カローラ乗ってる方すみません)

それを知っていたトヨタは、「レクサス」という全く新しい別ブランドを立て、しかもまず欧米で流行らせてから日本に逆輸入という戦術を取ったわけですが、成功したとはとてもいえない。むしろ「トヨタ」という馴染みのあるブランドを外してしまったため、下の層にも評価されない、寒い状況になってしまったのではないかと、思います。

じゃあどうすれば、「高級感がある」というブランドイメージを構築できるのか。
いつものことながら、次のお題として残しておこうと思います。

経済と政治の二極化(2)-日本人の意思表示

2005年11月22日 | 外交の論点
「北方領土の領有継続すべきだ」73%…露世論調査

【モスクワ=五十嵐弘一】ロシアの世論調査機関、全露世論調査センターは21日、プーチン大統領訪日に合わせて行った日露関係に関する世論調査の結果を公表した。

 北方領土を「ロシアが領有を継続すべきだ」とする回答は73%と、1991年当時(32%)の2倍以上に上っており、返還反対世論の高まりを改めて示した。これに対し、「日本が4島すべてを領有すべきだ」とする回答は、91年の6%から2%に下落し、「日露の共同管理を導入すべきだ」との回答者の比率も18%から10%に減少した。

 北方領土の価値については、49%が周辺海域に「豊富な水産資源がある」と指摘、41%が「ロシアの前線基地だ」と回答し、安全保障面を重視する見方が広まっていることを示した。

 また、仮にプーチン大統領が日本への北方領土引き渡しを決定したら、64%が「大統領への見方は悪化する」と答え、大統領への支持が激減する可能性を示唆している。

 調査は15、16の両日、ロシア各地で1500人余りを対象に行われた。

以上引用-------------------(2005年11月22日10時34分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051122i102.htm

これですよ。さっきの論点に戻ります(自分の文章引用します)が、

今回の日露会談でも、北方領土を返してもらうべきだと主張するマスコミがどれだけあっただろうか?どれだけの人が、今回の会談で本当に返してもらうべきと思っていたか?たぶん、ほとんどの人が「如何に中国より良い条件でロシアの石油を確保するか」ということにしか目が行ってなかったのでは? それで「北方領土については両国に溝」と聞いて、「ああ、やっぱり」と思う、最初からあきらめモードだったのではないか。

それって、プーチンの思う壺なんじゃないかと。
国民が領土問題に興味がなく、石油確保にあれば、カードはロシア側に握られているわけですから、如何に日本が経済で優位にあっても、切り札にはならないわけです。


ってことなんです。
日本でこの会談前に、大々的に世論調査するくらいのことをやらないと…

経済と政治の二極化-日本はなぜ経済をカードに政治で主張できないのか

2005年11月22日 | 外交の論点
日露首脳会談 経済関係強化で合意 パイプライン建設、順位には触れず

小泉純一郎首相と来日中のロシアのプーチン大統領は二十一日午後、首相官邸で会談し、東シベリアの石油パイプラインの早期建設を確認するなど両首脳が二〇〇三年に打ち出した「日露行動計画」に基づく経済関係強化で合意した。しかし、焦点の北方領土問題で進展はなく、会談後の共同記者会見で首相は「(日露間の立場には)率直に言って相当開きがある」と述べ、両国間の溝が埋まらなかったことを認めた。大統領も「領土問題は複雑で簡単ではない」と語った。
---------------以上フジサンケイビジネスアイより引用[2005/11/22]


さて。

個人的には日本ほど、外交における経済と政治が乖離してる国は他にないんじゃないかと思ってます。
いくら景気が悪いとは云え、アメリカに次ぐ第二位の経済大国であることは変わりなく、どの国も経済的結びつきを強めたいと思っている。特にアメリカと違って、日本は一次産品を輸入に頼っているので、発展途上の国にとっては都合が良い。さらに日本企業を自国に呼び寄せることができれば、技術移転や雇用促進も期待できる。

なのに、日本はその強みを外交カードとして十分使えていない。これが経済と政治の乖離の原因だと思っています。
ではなぜ、その外交カードを切らないのでしょうか?

中国では今年の春、大規模な反日運動が起こったが、それを受けて日本企業が中国への投資を控えたため、大きな打撃をこうむった。
そんなわけで中国は、あまり大きな声で「反日」と叫べないはずなのだが、民衆に暴動を起こさせないギリギリのところで、「靖国参拝反対」を最大限主張している。

なぜ日本はそれに甘んじているのか、ということです。

個人的にはまだ答えは出ていないのだけど、ひとつの仮説は、「とりあえず経済がうまく行けばよい」という国民意識の「逃げ」と、政治的なポジションを取ることを極端に嫌うマスコミにより中立的な世論が作られており、政治家としても、経済をカードにしてまで政治的な問題で勝負する必要がない、ということではないかとおもっています。

今回の日露会談でも、北方領土を返してもらうべきだと主張するマスコミがどれだけあっただろうか?どれだけの人が、今回の会談で本当に返してもらうべきと思っていたか?たぶん、ほとんどの人が「如何に中国より良い条件でロシアの石油を確保するか」ということにしか目が行ってなかったのでは? それで「北方領土については両国に溝」と聞いて、「ああ、やっぱり」と思う、最初からあきらめモードだったのではないか。

それって、プーチンの思う壺なんじゃないかと。
国民が領土問題に興味がなく、石油確保にあれば、カードはロシア側に握られているわけですから、如何に日本が経済で優位にあっても、切り札にはならないわけです。

ソニー復活を祈る(2) 次世代DVDで勝つために

2005年11月21日 | 日本発メーカ ソニー論
ソニー・NEC 次世代DVD“呉越同舟” 駆動装置で新会社

ソニー(東京都品川区)とNEC(同港区)は十七日、パソコンやデジタル家電に組み込むDVD(デジタル多用途ディスク)のドライブ(駆動装置)事業を統合し、来年四月一日に共同出資で新会社を設立すると発表した。
(中略)
ブルーレイとHD DVDの二方式に対応することで、リスク分散を図る狙いもあるとみられる。ただ、ソニーの出資比率がNECを上回るため、「ブルーレイ陣営がNECを取り込んだ」(業界関係者)との見方も出ている。
--------------以上引用------[Fujisankei business i 2005/11/18]

先ほどの記事に加えてソニー再論。

両陣営の規格統合は失敗したとはいえ、ソニーは今度こそベータの二の舞を避けるべく、開発段階から他陣営の巻き込みを図っています。今回は、記事にあるようなリスク分散、というよりDVD規格そのものの標準化は叶わないものの、部品・インフラ技術など標準化可能な部分を他社と共通化することで、コスト競争力をつける、という戦略に出ているのではないかと思います。

前の議論に戻りますが、
  1. 競合よりはるかに優れたデザインや技術力などのブランドによって、価格を維持
  2. スケールや技術で競合よりコストを抑え、価格が下がっても利益を出せる体制にする
  3. まったく新しい技術により、競合の追いつけない新しい市場で戦うこと
のうち、確実に「負けない」方策は2だと思ってます。

「次世代DVDの市場をどちらが獲得するか」
その成功の鍵は結局、先に広まることです。

「価格が安い」というのも消費者が買う理由のひとつなので、当然そこでは価格競争が行われるものと思われます。そのときどちらがよりコストを下げて、より安い価格で提供できるかが、成功するために重要になってきます。

ソニー側の戦略は、コストを下げてブルーレイを広めることでしょうし、NEC側としては、コスト競争力で東芝など他のHD DVDに勝つ、という思惑なのだと思います。

紀宮様はクラリスがお好き

2005年11月21日 | サブカルを論じる
いまさらで申し訳ないのだが、紀宮様ご成婚おめでとうございます。(写真は共同通信Webより)

サーヤが結婚式で着ていた純白のドレスは、「カリオストロの城」のクラリスのコスプレを模した衣装だったと別ソースで、先ほど知りました。何でも、NHKでご学友が話したそうですね。

真偽はともかく、個人的には彼女が前より好きになりました。
いまや現代日本文化を(ある意味)代表するアニメを、princess自身が体現なさるっていうのが素晴らしい。

私自身は、直接アニメにはまった事はないんですが、クラリスはちょっと憧れましたね。
宮崎駿の描く女性像って、女性らしい優しさや気遣いだけでなく、芯の強さがあり、いざという時に機敏に動ける決断力・行動力に溢れている。例え運命に流されても、自分というものを強く持っていて、自分で道を切り開くことができる。

降嫁ということで、今まで以上に何かと苦労なさるかもしれないが、一人の日本人女性として、幸せになってほしいです。

ソニー復活を祈る(1) 家電業界で勝つ条件とは

2005年11月20日 | 日本発メーカ ソニー論
新型ウォークマン、異例の値下げ iPodナノに対抗

ソニーは19日、年末商戦向けのデジタル携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」を国内で一斉発売する。米アップルコンピュータの「iPodナノ」に対抗するため、9月の製品発表時に公表した想定価格を2000―5000円前後引き下げる異例の戦略をとる。

新型「ウォークマン」のうち、フラッシュメモリー記録型商品は記録容量が2ギガ(ギガは10億)バイトの製品で、店頭推定価格が2万7000円前後となる見通し。9月の発表時の想定価格より5000円前後安くする。ハードディスク記録型も6ギガバイトの機種で2万9000円前後と2000円前後下げる。
以上引用------------[2005年11月19日/日本経済新聞 朝刊]

http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?i=2005111811721ea

値下げ自体が問題とは思わないけど、
ソニーの戦略がすべて裏目裏目に出て、そもそもmp3プレーヤー自体に出遅れたのみならず、mp3小型容量市場で出遅れ、考慮していなかった値下げをする羽目になってしまうと・・・
またもや「家電大手の中でソニーだけ赤字」となってしまうのではないかと心配。

競争の激しい家電業界では、値下げ競争は起こりがち。
そのまま飲み込まれてしまうと、利益率が下がり、赤字決算…
そんな激しい競争の中で生き残る方法は三つ。
  1. 競合よりはるかに優れたデザインや技術力などのブランドによって、価格を維持
  2. スケールや技術で競合よりコストを抑え、価格が下がっても利益を出せる体制にする
  3. まったく新しい技術により、競合の追いつけない新しい市場で戦うこと
ソニーが70年代後半から90年代初めにかけて強かったのは、1のブランド力と3の新市場開拓によるものではなかったかと思います。例えば、
  • 60年代後半、トランジスタで小型ラジオを最初に成功させ、その高い技術力で世界に浸透するきっかけを作った。(もちろん営業現場の活躍があったことも、プロジェクトXで語られていたけどね。)
  • 携帯オーディオでは、このトランジスタラジオに始まり、ウォークマン、CDウォークマン、MDetc常に先頭を切って新たな市場を作ってきたし、VAIOなど常に斬新なデザイン性によって「ソニーブランド」を確立し、価格をキープし続けた。
ところが、90年代半ば以降のソニーの負けパターンを分析すると、
  • 薄型テレビでは、自社ブラウン管技術へのこだわりか、新技術・有機ELにこだわりすぎたか、ともかく液晶・プラズマに遅れて、サムスンなんぞと提携する始末。
  • そして携帯用音楽機器では自社のMD用規格にこだわり続け、mp3市場に乗り遅れる。
などなど自社の高い既存技術にこだわり過ぎて、手段3が打てない、もしくは新市場を見誤って大博打を打ち失敗(有機EL然り、ブルーレイ然り?)というのがソニーの負けの原因という気がしてくる。

VAIOなどで1に食い込もうとするものの、すでにPC市場でデザイン性を求める消費者は少なく、(他の失敗を償うほどの)大きな利益を得るには至っていない。そもそも近年、家電業界で純粋に手段1で勝つのは、全体的に難しくなってる気がするわけです。

というわけで二つの疑問が生じます。
  • なぜソニーは、3.新市場開拓で失敗するようになったのか
  • なぜ家電業界で、1.ブランド力・技術力で価格保持することが難しくなっているのか


  • gooの技術魂というか

    2005年11月19日 | ITビジネスモデル
    出張で日本を離れてから、二週間が経ちます。
    こちらの生活に慣れるにつれ、日本語で物書きをしたいという思いが強くなりました。で、ブログを始めることに。

    さて、はじめるに当たって、一応いくつかのブログサイトを見ました。
    それで、gooに決めたのは、機能とかアクセス数とかじゃなくて

    自社のブログをデータマイニング的なことをして、トレンド解析しようなんていう
    ・さらには、それをタダで発信してしまう(まだ実験段階だからでしょうが)、

    研究熱心さというか、ある意味技術オタ的な魂に共感したからです。

    考えてみれば、ブログって、みんなが今一番興味があることとか、注目している事を書くわけですよね。モノを売るためにプロモーションを仕掛ける企業さんたちが、一番知りたいことです。

    最近一番注目されている話題がわかれば、「共感される」宣伝が打てますし、興味をもたれている商品分野がわかれば、ヒット商品を打つこともできるかもしれない。

    そんなわけで、Web情報のデータマイニングは、各社のマーケティング戦略上、期待されているところでもありますが、正確なデータを出すためにはある程度技術力が必要で、まだまだ研究開発費がかかる、枯れてない技術です。

    そんなことを熱心に研究してるgooが気に入りました。

    ちなみに情報を提供してくれる会員の情報を統計的に提供するというのは、Yahoo!なんかもやってます。例えば、Yahoo!がWeb広告の広告主に提供している資料を見ると、ポータル使用者の性別や年齢層、職業などの統計が毎月提供されています。
    企業はこれを元に、Yahoo!に広告を出すのが効果的かどうか判断することができます。


    でもYahoo!もライブドアも、データマイニングからトレンドリサーチなんて、
    面白いけど、余り利益率の高くないことはやってないですよね。

    流石そこはgooを運営するNTT、その資本力は現在より未来の技術に向かうわけですね。