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日本を支える経済、科学技術、文化を語り、日本人の魂の復活を願う者より

成熟したネット社会とスモールワールド

2005年11月26日 | 科学系ざつだん
ブログをはじめて一週間ですが、自分の意見を衆目に晒すとなると、それだけ勉強して考えることになるし、ご意見を頂くと更に勉強になります。
ブログを始める前に思っていたより、良かったなあと思っています。

その昔(98~99年ころ)ホームページ開設ブームの頃は、ご他聞にもれず私もホームページで掲示板を開設しておりましたが、良く「荒らし」対策とかに追われてました。「匿名で書き込める」という特権がまだ新鮮で、透明人間になったばかりの人がやりたい放題やる感じだったのでしょうか。

その後のメーリングリストブーム(99~01年)では、ちょっとしたことで嵐のように突っ込みが入って一人が攻撃対象になり、管理者が調停役に入っては、それがまた原因になって朝起きたらメールボックスがすごいことになっているなどしばしばでした。(無論、こういう話は今でもまだあるのでしょうが。)意見交換で得られるものも多かったけれど、失ったものも結構あったと思っています。

今では皆さん対応が紳士的で、寛容です。きっと皆さんも今までいろんな経験をなさって、歴戦の手練なのでしょう。「成熟したネット社会」ってこういうのを言うのでしょうか。

ネット社会が成熟していますが、私自身はブログに未熟なことも書くかもしれません。その際はどうか寛容にご教示を。今後ともどうぞ宜しくお願いします。


さて、上のグラフィックは、「世界の人は6人を介せば結ばれる」ダンカン・ワッツの「スモールワールド」の本でも有名になった、ウェブのリンク状態を点と線で表した図(点がサイト、線がリンク)です。ちなみにウェブの場合は1999年時点では「19クリックで世界の人が結ばれていた」そうです。(もしかしてこの絵自体はインターネットのIPと接続状態だったかも知れません、が細かいことなのでご容赦)

何が面白いかというと、この接続状態は、点を置いて、全くランダムに人工的に線でつなぎ合わせるのとは、全く異なる様相を示すこと。そのように人工的に作ったランダムネットワークでは、どんなに線を増やしても、「世界の人が6人を介せば結ばれる」というような効率的なことは起こらず、いつまでも結ばれない人たちというのが存在し続けることになるそうです。

一方インターネットや人脈など、自然にできる効率的なネットワークはスケールフリーネットワークと呼ばれるそうですが、何故「6人で結ばれる」という効率的なことが起こるかというと、多くのリンクを持つ有力なハブが存在するからで、その点を介することで殆どの点が結ばれているという関係になっているからだそうです。
なるほど、Webではヤフーだのポータルを通して結ばれているんでしょうし、人脈では「ものすごい顔の広い人」が世界の人を結んでいるってことですね。(どんな人だろう?ブッシュとか?)

以下、スケールフリーネットワークの例です。
  • 人脈(点が人、線が知っている関係、ハブは普通に考えて世界の有名政治家でしょうか)
  • Webサイトリンク(点がサイト、線がリンク、ハブはポータル?)
  • 論文の引用関係(点が論文、線が引用関係、ハブは有名論文でしょう)
  • アメリカの空港のネットワーク(点が空港、線が直行便がある関係、ハブはSFOやJFKかな)
  • 生態系(点が生物の種、線が食う食われるの関係、ハブは雑食でしょうか。人間?)
  • 遺伝子のネットワーク(点が遺伝子、線が抑制関係だそうです。ハブってこき使われる遺伝子なんでしょうね。何だろう)
上の例を見ると、空港のように互いに結びついている例と、人脈やWebリンクのように一方的リンクとが混在していますが、多少次数は異なるがどちらもスケールフリーになるそうです。

一瞬えっ?と思いますが、例えばイギリス人Aさんと私のリンクを考えると、Aさん→日本国天皇、と来て、次に陛下が私なんぞを探し出すお手間を考えると、確かにその苦労は相互リンクは殆ど一緒かな、という気がするので、ちょっと納得です。

現在のウェブのサイズはどのくらいなんでしょうかね?
1999年以降、圧倒的にサイト数は増えていると思いますが、一方で巨大ハブも増えていますので、「19クリック」というのは案外変わっていないかもしれません。(知っている方は教えてください)

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