テレビとうさん

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「映らないテレビ」 と 「走らない自動車」

2021年03月09日 | NHK
 筑波大学映像メディア工学専攻の掛谷英紀研究室が開発した「イラネッチケー」を付けたテレビは、そのままではNHKを受信することが出来ないのですが「不良品」ではありません。逆に、NHKを見たくない人が通常のテレビを買った場合でも、不快な思いをするかも知れませんが「不良品」として返品する事は出来ません。

 東京高裁の廣谷章雄裁判官は知らないかもしれませんが、世の中では「自動車」を売っています。フル装備で何時でも公道を走れる自動車を買っても、公道を走る意思がなく、単にオブジェとして自宅の敷地に飾って置く場合は「購入時の消費税」以外の税金は徴収される事は有りません。勿論、ガソリンも入れて無いので私有地ですら走行する事は出来ないのですが「不良品」ではありません。

 何れの場合も「承知の上で購入」しているのでクレームの対象にはなりません。しかし、「オブジェ自動車」でもガソリンを入れれば公道を走行する事が可能と云う理由で、通常の諸費用(自賠責や自動車税など)を請求される事は有りません。当然、関連する諸税を払わずに公道を走行したら違法行為になります。

 NHKが映らない「イラネッチケーTV」を買った人は、NHKとの受信契約は結ぶ義務がないことを確認する裁判で、2月24日に東京高裁の廣谷章雄裁判長は、「ブースターを取り付ければNHKの受信は可能なことから、受信料の支払い義務はある」として、一審判決を取り消しました。

 しかし、「イラネッチケーTV」の購入者にはブースターの購入義務はありません。当然、「イラネッチケーTV」は「(NHK)協会の放送を受信することのできる受信設備」では無いので「受信契約」を結ぶ義務はありません。

 放送法第64条(受信契約及び受信料)

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

 単なる「モニター」や「プロジェクター」でも、別の機器(チューナーなど)を取り付けることでNHKが受信可能になります。と云うよりも、その別の機器そのものが「受信することのできる受信設備」なので当然ですが、「イラネッチケーTV」は受信することのできない受信設備なので、ブースターを当人が所持していない限り「受信契約を結ぶ義務は無い」と言えます。

 これは、「リアカーでもエンジンを取り付ければ自動車になる」とか「免許不要の船舶所有者でも、2馬力以上の船外機を付ければ船舶免許が必要になる」事を理由に、免許の取得を強制するのと同じです。

 それが可能ならば、「麻薬を使用したら犯罪者になるので、廣谷章雄裁判官を直ちに逮捕すべき」との判決を下したのと同じで、誰でも犯罪者にできます。




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