テレビとうさん

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「固有の領土」 と 「主権を有する領土」 Ⅱ

2020年08月25日 | 国際情勢
 【ネタ切れに付き、過去記事の「編集・加筆」です。】

2019年10月の衆院本会議で、安倍首相は「北方領土は我が国が主権を有する島々」と発言し、これに対して多くの人から「北方領土は我が国固有の領土」の主張から後退したとして非難を受けました。

「固有の領土」には国際法上の定めがなく、各国が勝手に主張しても国際的には何の効力も発生しません。単なるプロパガンダと捉えられる事もあり、実際に世界では「勝手に領土問題」を創り出す国が散見されます。

日本政府は「日本固有の領土」を英語では「An integral part of Japan's sovereign territory(日本の主権領土の不可欠な部分)」と説明しているようです。日本政府は、国際社会ではソブリン(主権)が必須である事を理解していると言えます。しかし、日本国民は「固有」である事が好きなようです。

「主権を有する領土」は、批准された国際条約を除けば排他的な国家統治行為が可能です。しかし、行為が可能なだけであって、実際には国際情勢によって行為を及ぼさなかったり、及ぼせなかったりもします。「北方領土」や「竹島」には国家統治行為を及ぼす事は出来ず、「尖閣諸島」には通常の国家統治行為を及ぼしていません。

2012年に「尖閣諸島の魚釣島」を国有化した事に対して「自民党には出来なかった事を民主党が成し遂げた」と言って、民主党の成果の様に言う人がいますが、「魚釣島」が国有地になったせいで民間人が自由に上陸できなくなりました。民主党がしでかした事は「民有地が都有地になる事を阻止した」だけであり、寧ろ話を複雑にしました。

日本では「個人の土地所有権」は強く、政府は所有者に対して上陸禁止を強制する事が難しい為に「お願い」するしかありませんが、国有地の場合は「国民は国の許可」が無ければ上陸する事は出来ません。

奪われた領土を「固有の領土」と世界に発信しても犬の遠吠えに過ぎませんが、「主権を有する領土」と言えば過去の経緯は兎も角、現在の所有権を主張していると理解されます。

つまり、国内向けには「固有の領土」と言っても、外国に対しては「主権を有する領土」と言わなければなりません。

何れにしても、「実効支配」していなければ国際法上も意味を持たず、「国有地」ならば公務員が常駐すべきです。都有地になっていたら石原都知事が「実効支配」する予定でしたが、残念でなりません。




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