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「現代金融理論」 と 「通貨」

2019年05月20日 | MMT
  「MMT(現代金融理論)は、論理的に確定した数式の裏付けがないので論外だ。」と言う人がいます。
 
MMT:Modern Monetary Theory

Modern:現代的、最新の。
Monetary:金融、貨幣、通貨。
Theory:理論、説、論。
 
 MMTを積弊経済学者は「現代金融理論」と訳し、自称経済評論家は「現代貨幣理論」と訳しますが、素人の私は「最新通貨仮説」と訳し、以下MMTと書きます。
 
 「貨幣」は「お金」そのモノで、「通貨」は「貨幣」とその「仕組み」を含みます。但し、日本の法律では「貨幣」は「政府硬貨」のみですが、ここでは「日銀紙幣」も含みます。
 
 「金(ゴールド)」は、その魅力が多くの人に対して価値を「担保」する場合、その総和としての担保能力が「(兌換通貨を含む)通貨」の価値になる。
 
 「お金(紙幣)」そのモノには価値が無いが、「お金」の決済機能を政府が保証すると「通貨」になり、政府の担保能力が「(不換紙幣としての)通貨」の価値になる。
 
 「銀行預金(記帳された数字)」そのモノには何の価値も無いが、銀行の債務保証能力の範囲内で担保され、それが「(預金)通貨」としての価値になる。
 
 「暗号通貨(暗号化されたデータ)」自体には紙屑ほどの価値も無く、担保能力も無い「幻想通貨」と言えるが、流通能力に優れ一瞬で世界を駆け巡ることが出来るので、他の「信用通貨」との組み合わせが可能ならば、これが「(暗号)通貨」としての価値になる。
 
 過去の経済学で、論理的に正しいとされた数式を利用して実体経済が「予定(予想)通り」に推移した例は見た事がありません。と、言うより「数式通りに経済を誘導する」事を「計画経済」と言い、その典型が「共産主義」です。
「共産主義経済」が「虐殺主義経済」である事は歴史が証明していますが、未だに「計画経済」の有効性を信じている人は、再びこの世界を地獄に陥れる片棒を担ぐことになります。
 
 MMTは「通貨」の仕組みを再定義する「仮説」なので、これを否定する人は論理的に反証をすべきですが、多くの人は過去に失敗した「経済理論」や保守的な「現状維持論」を持ち出し、行き詰まると最後には「感情論」を展開します。但し、この中では「感情論」が最も正しいようにも思えます。「景気は感情の表れ」だからです。

 一般に「仮説」とは、その時点で証明されていると言われる理論の不合理性を指摘し(実際に現在の経済学は不合理なので)、通説の逆説から展開します。例えば、「天動説」に対する「反証」は、天動説では説明できない天体の不規則性を「地動説」によって説明できると云う「仮説」から始まり、更に、「特別とは言えない地球を含む宇宙全体が、未知の力の影響によって等しく動いている。」と理解されて、各種の新しい数式が生まれました。決して、「地動説」を主張していた人が最初から公式を持っていた訳ではありません。
 
 MMTは、「自立している各国政府は、任意の自国通貨建て国債等の発行により財政支出量を調整することで、望ましいインフレレベルを目指す経済政策を、税収に制約される事なく行える。」を仮説の出発点にして、展開されています。
 
 つまり、現在における国家の経済政策の主流である「財政均衡論」では説明できない経済状況の不規則性を「MMT」によって説明できると云う事から始まって、更に、「特別ではない貨幣を含む通貨全体が、未確認の要素やその値も含み、経済全体の要素の一部として動いている。」と理解されて、各種の新しい数式が生まれます。当然、「MMT」を主張している人が最初から数式を持つ必要はありません。
 
 未確認の要素とは、望ましい「インフレレベル」「通貨量」「需給性向」や「国家の信用度」「敵対国の超限戦力」・・・等々ですが、何れにしても当座の結論は、「望ましいインフレレベルを目指す為に必要な量の『自国通貨建て国債』を発行するだけでは、財政破綻は起きない。」という事です。


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