TaizanのWhite Mountain

北部白山管理人&中宮温泉くろゆり館主がお届けする白山情報満載!

白山公園線沿線の紅葉

2020-11-08 | 白山情報

(市ノ瀬手前カーブの紅葉)

先週、例年よりもやや早く市ノ瀬六万橋のゲートが閉鎖され、白山は冬籠りに入った。しかし市ノ瀬周辺から別当出合までの紅葉は益々見頃を迎えている。

夏の交通規制期間はシャトルバスに揺られて、外の景色をゆっくり眺める事は出来ないが、今こそ車の通らないこの区間は紅葉散策にはちょうど良い。とにかくカエデの種類が多く、赤や黄色、オレンジが目を引く。カエデは他の落葉樹よりもしぶとく葉っぱを残しているので特にこの時期が一番良い。この区間は白山随一のカエデ密生地帯だろう。市ノ瀬から対岸に渡る歩行者専用の吊り橋の板も早々と取り外されてしまったのだが、雨の日でもしっとりとした紅葉を眺めるのには素晴らしい区間だ。

普段は登山口に急ぐあまり全く立ち止まろうともしない、白山国立公園入口の白峰から市ノ瀬の間も実は、渓流と紅葉の織りなす風光明媚な区間だ。この区間車道の対岸に遊歩道が有れば良いのにと思う。

 


2020幻の紅葉 岩間道下部

2020-10-25 | 白山情報

中ノ川の渓谷を覗き込む林道が崩落して通行止めになったのは、2014年の春の事だった。以来斜面の土砂崩れ復旧工事が続けられているため、岩間道下部(小桜分岐から下)が閉鎖されている。登山道に問題がある訳では無く、登山者の通わないこの道を絶やすまいと、閉鎖後も毎年草刈は続けている。3年草刈をしなければそれは廃道を意味するからだ。再開には伐開と同等の労力が掛かってしまう。登山道は草刈をしただけでは維持できない。登山者の踏圧が加わる事によって、新たな藪の侵攻を防ぐことが出来る。かつては山崎旅館までバス路線が通っていたと聞く。別当出合から白山に登り、室堂に宿泊した多くの人が岩間道を下山し、温泉に入ってバスに乗って帰ったという。奇しくも来年は岩間道が開通して100周年の節目の年である。来年こそは北部全ての登山道を通行可能に出来ないものか検討したいものだ。白山の長い歴史を振る返ると、全ての登山道を自由に歩けるのは恵まれた条件である事が分かる。(北部白山登山道の歴史については2017/5/11の記事参照)


中宮道上部の紅葉

2020-10-11 | 白山情報

晴れの特異日10/10は台風の影響下で終日雨模様だったが、11日は晴れる予報。満天の星空が白み始め東の空がピンクに変わって来る。ご来光は中宮道の翠ヶ池付近の見渡しの良い県境峠で待つことにした。昨日とは打って変わって素晴らしい雲海が果てしなく広がり、北ア連峰、乗鞍、御岳が雲の海に浮かんでいる。

ガスの切れ間から見下ろした朝日に染まるお花松原の紅葉はもう終わっているかのように見えたが、低小木は絨毯のように染まって見えた。

チングルマがひと際赤く染まっていた。

2349付近のお花松原展望台から全体を眺めるが晩秋の様子だった。一方仙人谷に転ずると谷あいの斜面に最高潮の紅葉がどこかしこに広がっていた。

その後北弥陀ヶ原に期待するが、こちらも同様ナナカマドの葉っぱは既に散ってしまって、いつもの坪庭の場所も冬支度が完了という装いだった。

帰り道はもう一度紅葉を楽しみながら、山頂部の晩秋を楽しんだ。

 

 

 


中宮道 上部

2020-09-12 | 白山情報

中宮道は登山口へのアプローチ道路であるホワイトロードが土砂崩れのため石川県側が全区間閉鎖されているので、それに伴いゴマ平から下部は閉鎖されている。しかし北縦走路と絡めて歩けば中宮道上部は紅葉の絶景ルートを堪能できる。中宮道は長い縦走路を楽しみたい登山者にとって極上の絶景が至る所に点在している。そろそろ秋の足音が近づいて来ている。間名古の頭からお花松原までのビューポイントの現在の様子を紹介する。

 

 


加賀禅定道 上部

2020-09-11 | 白山情報

台風10号通過後は天候不順が続いている。高山帯では風は既に秋で雨に濡れれば体温を奪われていくので、防寒対策が必要な季節になった。

もう2週間もすれば全体が紅葉に包まれるだろう。

暖冬、少雪に続き長雨の7月だったにも関わらず、千蛇ヶ池の万年雪もかなり残っている。

釈迦新道は登山口までの土砂崩れ工事のため、長年通行止めが続いているが、今年は七倉辻に通行止め看板が設置されていない。


珍しい雲海

2020-08-22 | 白山情報

8/22(土)朝、小桜平分岐付近から見下ろす白山市と白川村は見渡す限り全面の雲海に覆われていた。しかし、白川村側の雲海の方がはるかに高く、大笠~笈の間や仙人窟~三方岩の間から雲が滝のように白山市側に流れ込んでくる珍しい現象が観察できた。


岩間道上部の眺望

2020-08-22 | 白山情報

暑い日々が続いているが、気圧も安定していて風も無い。高山帯では、日陰は涼しいが直射日光は相当堪える。岩間道上部は、これぞ夏山という風景にふさわしい絶景の連続だ。

※岩間道は大正10年(1921年)開通。楽々新道は、小桜平分岐まで昭和30年(1955年)に開通したので小桜分岐から七倉辻までを岩間道上部と表記している。

小桜平の池塘

小桜平避難小屋

火の御子峰

大汝峰(右上)

 

 


別山-三ノ峰 山は呼ぶ万歳の声

2020-08-05 | 白山情報

いよいよ夏山本番!平日でも天気が良ければ、このチャンスを逃すまいとマイナールートでも多数の登山者が訪れている。

三ノ峰から別山平まではササの濃い区間で、岐阜縁側荘川の源流カラスノ谷に広がる斜面には所々お花畑が点在する。

ニッコウキスゲの密生地別山平も例年の1/10以下のようだ。それでもここ2~3日の日差しで高山植物は彩を取り戻してきた。

 

別山から望む主峰の更に奥には北部の各ピークが居並ぶ。ここからは遠い世界に思える。

振り返れば赤い三ノ峰避難小屋が、ちょこんと斜面に張り付いているかのような壮大な風景。何と広大な高山帯を持つ白山であろうか…。吹き上げる風は下界の灼熱地獄とは無縁だ。これをこの世の天国と言うのだろう。白山万歳!!!


三ノ峰

2020-08-02 | 白山情報

待望の梅雨明けで天候が安定し、この週末は市ノ瀬にも登山者が殺到したようだ。その混雑を避けようと、三ノ峰にも多くの登山者が訪れた。朝6時前で駐車場は満車、道路や下の駐車場にまで及んだ。上小池管理人によると、秋の紅葉以外でこのような混雑は初めての経験だという。先々週辺りから週末毎に登山者が多くなってきているという。やはり地元福井ナンバーは多いが、関西、中京からの車も多数有った。皆この梅雨明けを待ち望んでいたのだろう。

六本檜に出ると、目指す頂きが遠くに見えてくる。

剣ヶ岩から稜線に出ると、激坂が目の前に立ちはだかる。本当にあそこまで辿り着けるのかと圧倒される。

先日加賀禅定道天池付近で見たミネウスユキソウもここには多数咲いていた。ここも長雨の影響であろうか、全体的に花は少ないがこれから夏の日差しを受けて色んな花が一気に開花してくれることだろう。

早朝下山して来る登山者に聞いたら、昨夜は計10名の宿泊だったそうだ。それ以上になると密に成りかねない。今年はどの避難小屋も、団体での利用は避けて欲しい。


加賀禅定道 天池周辺 今年の異変

2020-08-01 | 白山情報

長かった梅雨も明けようとしている。偶然に雲が切れると青空が覗いた。

百四丈の滝壺にはもう雪片のかけらも残ってはいなかった。しばらく滝を眺めているとあっと言う間にガスが立ち込め、ブロッケンが現れた。

天池周辺の白山を代表する広大なお花畑は、ガスが立ち込め全容が見渡せない。

ここで気付いたのは、今年は極端に花が少なく元気がない。長雨による日照不足が原因だと思われるが、特にダメージを受けているのは長い期間夏山を彩るハクサンフウロであった。この周辺ではごく僅かなエリアでしか見る事が出来なかった。

それでも珍しいミネウスユキソウも見る事が出来た。


北縦走路

2020-07-22 | 白山情報

梅雨の長雨がもう1ヵ月も続いているだろうか。最近は毎日雷雨が有り、身の危険を感じる。22(水)は思いがけず梅雨の晴れ間となり何日ぶりかで朝日を拝む事が出来た。ゴマ平で迎える朝は通算100回は超えるだろうか?思い出に残る朝の情景だった。

シンノ谷の鉄橋。濡れていると滑るので要注意!

念仏尾根の端(妙法山側)に有る念仏鏡池。タマミクリの群生地で、イガグリの様な花が咲いていた。

緑が眩しいモウセン平。ニッコウキズゲが咲き乱れていた。

野谷荘司から見下ろす野谷橋。爽やかな風が吹き上がる。

三方岩から見下ろすホワイトロード。最近には珍しく終日太陽に溢れ暑さとの戦いだった。

(注)ホワイトロードは2年連続、同じ個所での土砂崩れで、今年は一里野から三方岩(石川県側)全線で通行止めとなっている。中宮道は中宮温泉に下山できないのでゴマ平から下方は通行止めとなっているのでご注意ください。


令和2年夏至のご来光と平瀬道

2020-06-21 | 白山情報

今日は一年で最も太陽が長く拝める夏至。穏やかな立山方面からのご来光を拝む事が出来た。その後は登山口までの道路工事のため封鎖されている平瀬道を途中まで下り、新緑と雪渓の絶景を楽しむ。

朝5時、池の水は凍っている。雪渓周辺の6月はまだ冬のよう。

カンクラ雪渓は山頂から谷底まで繋がっている。

 

 

平瀬道側は雪渓が多く雪が残っている。

平瀬道側から見ると室堂もまだ雪に埋もれているように見える。

 


加賀禅定道 百四丈と天池

2020-06-06 | 白山情報

昨年11月から毎月氷の滝壺創成期から観察を続けて来た。12月には謎のメカニズムを解明することが出来た。4月、5月は観察を続けられなかったことは残念だがGWからこの時期の融けゆく様子は過去に何回も観察しているので大体の想像は付く。GWが過ぎた頃に大雨が降れば巨大な氷のドームは自重に耐え切れず大きく割れ時には崩落する。そして現在の様な残骸が残り、梅雨時の雨の降り方に大きく左右されるが7月頃までには消えてしまう。そしてまた今年も11月下旬ごろから凍り始めるのだ。コロナロックダウンで世界各都市の空気が清浄化されたニュースはあちこちで聞かれるが、少し不便な生活をする体験が出来た事はコロナの副産物でもある。人類はまた元の過剰なエネルギーの浪費に戻るのか、新しい秩序を身に付けるのか?この機会に今後の地球環境に向き合っていく方向性を見出したいものだ。そのために今後も百四丈観察は続けていきたい。

さて本日の目的は今年最初のお花、ハクサンイチゲを見る事だった。天池先の目附谷(メッコ)の支流カブト谷の斜面に広がる広大なお花畑は季節ごとの花が素晴らしい。しかし今年は雪が少なかったのに春が遅くお花も遅れがちである。目当てのイチゲもようやく芽吹き始めたばかりという状況だった。登山道は百四丈展望台までは殆ど残雪は無く、天池から先は逆に登山道が出ている部分が少ない。四塚山方面、カメワリ坂や長坂のハイマツ帯はすっかり雪が融けて登山道が遠望出来た。行ってはいないが、四塚山山頂部はまだまだどっしりと残雪に覆われているだろう。七倉辻も色んな方向から風が吹き雪が多く積もる所だ。この時期ガスに巻かれるとルートをロストし易いし、残雪トラバースも有るのでアイゼンは必要。奥長倉避難小屋は昨年屋根の修理も終わり、ついでに外壁も塗装され綺麗になった。

 


加賀禅定道 百四丈滝

2020-03-01 | 白山情報

今シーズンは昨年の12月から定期的に観察を続け、前回12/30には巨大な氷の滝壺生成のメカニズムを解明することが出来た。その後1月の観察が出来なかったがこの程例年と大きく変わりない造形を確認し、安心した。今年は極端に積雪が少なく、それは奥長倉避難小屋の屋根の出ている部分でも確認出来る。この時期屋根の三角部分だけが少しだけ出ているのが通常なので、3m以上は少ない。滝壺の谷も埋まり切っておらず沢筋が見えている事でも分かる。しかし氷の滝壺は一回り小さく感じるが、それほど極端に低いという事は無かった。

小屋の裏側の窓は例年は埋まっている事からも積雪が少ない事が分かる。

出発時、麓では雨で濃霧だったが高度を上げて行くと雪に変わり、しかり場を過ぎるころは朝日も射し丸石谷のガスも消え始めた。

百四丈を見に行くにはこの威圧感の有る美女坂を突破しなければならないが、今日の美女坂は雪も安定していて、今までで一番登り易かった。

美女岩を見下ろすこの辺りから美女の頭までが核心、氷化していると気が抜けない。目附谷の支流、立尾谷底まで一気に滑落の恐れあり。

清浄ヶ原と百四丈滝

四塚山と天池室までの稜線