やまざくらの日記

やまざくらの日々の出来事をつづっています。.

グローバル恐慌の謎を解く

2009-10-23 08:43:24 | 日記
 文芸春秋11月号に掲載された浜矩子氏のこの論文はサブタイトルがリーマンショック後の「経済白書」であっり、誰もが気がつかなかったグローバル化の本当の恐ろしさ・・・上にリーマン・ブラザーズ本社の写真、下に「派遣村」の炊き出し

の状況を映した写真、そしてマニフエストを掲げる鳩山首相の写真。浜氏の論文はは初めて読んだがとても興味がもて、あらゆる角度からグローバル化の状況を説明していた。
 すべては20年前に始まった、20年前のベルリンの壁の消滅に象徴されるように、人、モノ、カネが国境を越えて盛んに動き始めた。IT技術の進歩がそのネットワークの形成を促進し、活気に溢れ、これまでのルールが通用しない弱肉強食の世界経済が出現した。私はそれをグローバル・ジャンルと呼んでいる。


 格差社会の元凶はグローバル化にあり、グローバル化は外からやってこなかった
コスト削減と生産性向上に駆り立てられた日本企業。世界を徘徊するマネーはハイリターンを求めて、株式や債券、資産、様々な金融商品などを買い漁っていく。その中で生まれたのが「投資ファンド」と呼ばれる「疑似資本家」だ。投資ファンドに買収されないためには企業は株価を高値で維持しなければならない。

 1990年代後半、ハゲタカファンドは不良債権の処理にてこずっていた日本の銀行を次々と買収していった。日本にも会社は株主のものといった考えや、マネーこそが実体経済を統御し、効率的にする役割を担っているという考えが浸透していった。
 「もの言う株主」として現れた「村上ファンド」や時代の寵児としてもてはやされた「ホリエモン」はまさにその思想を体現していた。
 
 グローバル化した世界経済がつながりすぎている現在、一国の政府が経済に対してできることは極めて限定的になっている。しかし私はそれでも国、政府には重要な役割が残されていると考えている。それは的確な現状分析を踏まえて、的確な時に出現する「月光仮面的」役割だ。

 それは、グローバル化に適応せざるを得ない中で生じた国民の痛み、著しい格差や「豊かさの中の貧困」を軽減し、安寧と幸せを求める国民を後ろから支えるようなレスキュー隊を努めることである。この役割を政府が果たすためには、やはり現状を見極める力と機敏で的確な政策を柔軟に運用できる高度な能力が必要とされるだろう。

 私はリーマンショック以後の世界は、「国破れて山河あり」の時代だと考えている。「国」=政府の力が弱まっても「三河」=人々、自然環境、そして日本の文化がしっかりと残ればいい。グローバル化された世界経済の中で、いかに「山河」を守り、自分たちの住みやすい場所として育んで行くか。そこに、「では、どうすればいいのか?」の答えが隠されている。



1 コメント

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ハゲタカ (ミー)
2009-11-17 17:11:08
夏ころ、「ハゲタカ」という映画をやっていておもしろいと話題でしたが、とうとう行かずじまい。