タロウ助教授GTの研究室

タロウ助教授の日頃の研究成果を、不定期に発信。。。

ビル・ブラッフォードの引退!!に悩む

2009-11-16 20:54:41 | 音楽のあれこれ
しばらくぶりの音楽ネタ。
フィル・コリンズ絡みの有名人とはこのお方だ。
トンチキなカッコのボーカルさんは、いずれまた。

だんだんドラムマニア御用達になってきたこのブログ。
続いてフィル・コリンズ絡みで、お友達の
ビル・ブラッフォードさんをご紹介。

でも取り上げるのが恐れ多い。語るのがコワい。
なぜなら、熱狂的な信者が多いはずだから。

とても悪口が書けない・・・

大英帝国を代表する、超大物ドラマー。
リンゴ・スターなんか、目じゃないぞ!!

・・・と、まず書いておこう。
(リンゴなんかと比べるな!!といきなり怒鳴られそう・・)

いや、ホントに凄い人でございますヨ。

この人の参加アルバムを聴いていくだけで、
似非プログレマニアを気取る事が出来るし。
しかも音楽的に王道のバンド、押さえられる。
(フロイドは演奏がタルイから無視無視。)

プレイも端正で、まさにドラマーの為の生ける教科書。
落語家でいえば、柳家小さん師匠みたいな感じ。

実は、今年の一月に、ライヴからの引退を発表されて
いらっしゃるんですよね。

でも一応、音楽活動は今後も続けるし、何かしらのアルバムは
出すようでは有るので、そんなに深刻なお話ではないかなと。

ま、どうせ誰かに担ぎだされて、どこかで単発ライヴを
演るとは思うけど・・・。


さて、この人のおススメ盤、いっぱい有ってどれでもいいや!!
というのが私の本音。どこでもしっかりと自分の音でプレイ
していらっしゃるし、名演だらけ。
その中でも特に良いのはどれだろう?

では、ファンに聞いてみよう。
プログレに造詣の深い、悪友Oに早速メール。

帰って来た返事は、
『ブラッフォードの“One of a Kind”に決まっとるわい』

おお、そうですか。では一番の聴き所ははどこ?

『ホールズワースとジェフ・バーリンのプレイ』

はぁ・・・で、肝心のビルさんはどうなのよ?!

『YESのライヴでのドラムソロが、なかなか良いよ』

あのー、結局ブラッフォードでのドラムはどうなのよ?
まず彼を褒めてやってくれよ・・・まぁ、いいか・・・

とにかく、貴重なご意見ありがとう。コレを踏まえて、
・・・やっぱり私の独断で選ぶ事にする。



そう、結局は誰でも知ってるクリムゾンだ!!
(というのは、プログレマニアの大きな勘違い。)
 
しかも、私の趣味でコレ。ジャケットも大きくどーんと。





『レッド』
1974年発表のキング・クリムゾン通算8枚目のアルバムであり、
第3期(いわゆる再結成クリムゾン)のラスト・アルバムにあたる。
クリムゾンマニアにも『最高傑作』との評価。

あれ!? そうですか。

私はずっと『太陽と戦慄』の方がわずかに上かな、と思って
ました。いや、どっちもどっちか。いい意味でだけど。

ただ『太陽と戦慄』は、ジェイミー・ミューアによるキ◯ガイ
じみたパーカッションが目立ち過ぎで、ドラムのビルさんには
分が悪いので、今回はあえて外したというのが本音。
でもホントは『暗黒の世界』でも良かった。再再結成後の
『ディシプリン』でも全然OKだった。

しかしやっぱりクリムゾンのある意味、総決算的なこれを。
一言で言ったら非常に『息苦しい』アルバムだ。
全ての曲に、息苦しさを感じる。でも好きだ。
中でもこのアルバムの3曲目『One More Red Nightmare』が
大好きだ。悪いか!!

あと基本的に、ビルさんがトリオでバンドやってるのがこの時だった
ので、まぁ、ある意味レアだから。(ゲスト、バンバン参加してるけど)

でも、フリップ先生のギターの音とか、非常にメタリックな歪みで
かなり時代を先取りしてるし、ウェットンのボーカルも、あの重い曲調で
後のエイジアとかを彷彿させる良いメロディーラインで歌ってて、ある意味
非凡なセンスを感じさせる。
当然、ビルさんのドラムも気合い入ってて、重くて息苦しいまでのビートを
絞り出してて、凄い。YES時代の軽やかさが微塵も無い。

ホントかどうか知らないが、あのニルヴァーナのカート・コバーンが、
このアルバムのことが大好きだったらしい。
(ニルヴァーナのファンよ、クリムゾンくらいちゃんと聴いときなさいよ!!)

ともかくキング・クリムゾンは、私の中ではド硬派なバンドだ。
やたらと解散と再結成を繰り返す、優柔不断な点は否めないのだが、
再結成しても、常にその時の音楽の方向性がブレていないところは
感心する。これはやはりロバート・フリップ大先生のコダワリか。

と言いつつも、再再結成クリムゾンのエイドリアン・ブリューの
存在は、音楽性ブレまくりの象徴じゃわい!!という辛口のマニアの方、
ごめんなさい。

しかし余談ながら、90年代になってから『VROOOM』や『THRAK』を
出した時は、本気で再結成してまで、こんなプログレのアルバムを
売る気なんですか?!フリップ先生!!と余計な心配をしてしまった。
が、相変わらずなハードな音楽性には心底スゲぇ!!と思ったのだが・・・

あぁ、こんな事をスゲぇと思う、私みたいな連中が、フリップ先生の
生活を支えているんだなぁ・・・

けれどビルさん、こんな頑固なフリップ先生にしっかりと付き合って、
クリムゾン復活の度に呼び出されては、気紛れなエレキ楽団ごっこに
しっかりと参加していらっしゃる。・・・なんだか健気。

でもそうは言っても、フリップ先生のギター共々、ビルさんの
ドラミングは、もはやクリムゾンには不可欠なものになっている。
あのドラムが有るからこそ、クリムゾンの風格と威厳が保たれて
いるのも事実。マニアも信じて買ってしまうし。

・・・しかし、ジョン・ウェットンは人望無いな。

このアルバムで、クリムゾンは解散してしまうが、ウェットンは
しきりにフリップ先生に再結成を呼びかけてたらしい。
とりあえずビルさんを口説き落として新バンドの活動を了解させ、
次にフリップ先生に打診するも乗ってこず。止むなく他のメンバー
を探して最終的に出来上がったバンドが、UKらしい。

ま、UKは結果的にあのメンツで良かったんだけど。
アラン・ホールズワースのギターが絶品だし。
(アランは、『人生最大の汚点!!』とか言ってるけど・・・)

で、ともかく。

信頼のブランド、ビル・ブラッフォード。
英国プログレ界のご意見番で、頼りになる男。
彼が参加するだけでバンドの音と格がグーンと上がる。
コージー・パウエルとは、またひと味違う、ネームバリュー。

凄いお方だ。



では、ここらで機材のお話を。

ビルさんはこれまでシモンズやらロートタムやらと、割と様々な
ドラムセットを参加しているバンドごとに使い分けていたけれど、
私は『TAMA』のドラムを使用しているイメージが強い。
おそらくTAMAのユーザーでは、一番の大物だろう。
で、この人の次がスチュワート・コープランドさん。

そんなビルさんと、愛用のドラムの数々を。


タイコはすべて、フラットに並べる。これが英国紳士。



いかなるときも、フラットに並べる。さすが英国紳士。



うーん、アメリカっぽくたくさん並べて斜めにもしたけど、
なんか調子悪いなー。姿勢も悪くなったし・・・



やっぱり、フラットに戻すか。この感じが一番かなー?





ビルさん、大満足。


いや、真面目な話、この人のドラミングは独特のスネアに
特徴を感じるのだが、お得意看板フレーズであるスネアの
『パタパタパタ』という連打は、相当しっかりした手首の
スナップ運動から出ていると思うのだ。
(音はチューニングで、なんとか作れるから・・・)

ドラムの機材に詳しい人ならご存知と思うが、一時多用していた
シモンズのエレドラは、叩いたときの手への反動が独特で、
ヘタしたら、手首を痛める不自然な感触をしていて、それを
トレードマークとしてビルが多用しているのを見るたびに、
『手首、大丈夫かよ?』と心配していた。

しかし、どうも手首をヒドく痛めたという話も特に
聴いていないから(私が知らないだけなのだろうか?!)
さすがプロだ、と今更ながら感心。

やっぱり、相当強い手首をしているんだろうな。
これだけでも、立派な一流のドラマーの条件だ。

ビルさんの『スパンスパン』というはっきりしたドラム音は、
いつの、どのアルバムでも個性を発揮してて、素敵である。
どちらかといえば、リズムキープよりも、曲の展開に合わせた
アクセントを、的確且つテクニカルに入れてくるプレイスタイル。
正に、インプロ&変拍子だらけのプログレを演奏するために
生まれて来た様な感じである。

しかしインプロ主体といいつつも、実に丁寧なドラミングは、
世の中のドラマーはもっと尊敬して然るべきだと思うが。

バカテクの手数の多いドラミングも、当然カッコいいのであるが、
デニスなんとかさんとか、夢劇場のマイク・ポーなんとかさんとか
元パンテラのデブとかにばかりに目を奪われず、しっかりとした
こういう方をお手本にするのも、非常に大事なんじゃないかと思うので
ありました。




あ、でもジョン・ハイズマン大先生は別ですよ。あなたはOK。
大先生に比べたら、ビルさんなんて・・・ ( 以下、コワくて書けない・・ )


  

泣く子も黙る、英国ジャズ・ロック界の首領。
この写真も、コワい・・・





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