長崎の地酒あい娘倶楽部

私の実家である酒蔵で造る清酒「あい娘」にまつわる話題をまったりとお話しします。お酒・グルメ好きな方との交流の場です

甑(こしき)倒し

2009-02-12 19:35:48 | 執念の酒造り
ここまでの工程で日本酒仕込みの前半の過程が終了したことになります。前半は材料をタンクに詰め込むまでの作業でした。ここで前述の「蒸米」とかで活躍した甑(こしき)と呼ばれる米を蒸すための大型のセイロがお役目終了となるのです。



この甑を使う作業が終了したことを業界の言葉で「甑倒し(こしきだおし)」といいます。文字とおり甑を倒して片づけてしまうのですが、酒蔵では大事な行事が行われることでもあるのです。



お湯を沸かす大釜もお役目ごめんできれいに洗います。ごくろうさま。また来年の仕込みもよろしくお願いします。



甑倒しでは材料仕込みの作業が無事に終えたことを蔵の神様に感謝する儀式が行われるのですが(うちにも神棚があります)、目的は蔵の男達の労をねぎらう宴会が催されます。
近場の小浜温泉で宴会を催し、一昔前は10人以上の多人数の賑やかなものでしたが、今は家族や親せきのささやかなものです。宴会場は小浜温泉の「吉長(よしちょう)」温泉が楽しめる料亭です。もちろんあい娘のお酒が飲めるお店です。



料亭のおいしい料理を楽しんだあと、近くのお得意様の「湯町酒屋」にお邪魔しました。あい娘の酒をはじめ豊富なお酒や焼酎が楽しめるいい雰囲気のお店です。



義姉と従業員の姉さんと気風のいい夫婦とのお酒を飲みながらの話は絶えません。ときおり、旦那や男衆への愚痴が聞こえてきそうな。。
私にとっても家族と飲めた有意義な時間でした。帰りに大好きな「たこせんべい」買って帰ってからも飲みまくりました。お酒っていいね~

醪(もろみ)

2009-02-01 16:57:10 | 執念の酒造り
ここんとこ忙しくて酒造りの記事が滞ってました。反省 反省
さて、執念の酒造りの「もとをつくる」に続きですが、水、麹米、蒸米をタンクに入れて発酵が進んでいって醪(もろみ)ができつつあります。


タンクに麹米、水、蒸米と投入されていきます。さながら、乳製品のような白濁した飲み物です。ここから酵母の働きによって糖分をアルコールと二酸化炭素へと変化させていきます。


耳を澄ましてタンクを覗くと「プク」と炭酸ガスの泡が発生していきます。まるで中に生き物がいるような不思議な光景です。


発酵がどんどん進んでいき、タンク内は泡がどんどん膨らんでいき、最初白濁水だったものがドロっとした状態になっていきます。いわゆる「どぶろく」と呼ばれるものです。少し口に含むと甘さとかすかなアルコールの味がなんとも不思議な味覚なんです。


こちらは大吟醸用の小さなタンクです。中の金属の器には氷水が入っていて温度上昇を防いでいます。まるで白いデザートのようにクリーミー状態になっています。