しねまき ~月刊シネマ鑑賞記~

毎月、劇場で見たすべての映画の記録です。

2006年4月の感想記

2006-05-28 | しねま感想記(終了)
劇場鑑賞本数 35本

SPL/狼よ静かに死ね
スタイリッシュかつハードな香港ノワール&肉体アクション。思いが強すぎて暴走するサイモン・ヤム。そんな仲間と正義の間で戸惑うドニー。そして、存在感ありすぎの悪の帝王サモハン(元キンポー)。3人の渋み、凄み、悲しみのドラマが鮮やか。

クラッシュ
時に交錯する群像劇の中でも、複雑な心情を持つ刑事に扮したマット・ディロンは際立つ。ドン・チードルの母と弟の話も印象深い。また、オチは分かっていながらも、少女に向けられた銃のエピソードは、ファンタジー色を帯びていて、涙腺が緩む。

力道山
ソル・ギョングの日本語の素晴らしさに役者魂を見る。力道山の事実とは多少違うストーリーでも、日本の描写に違和感なし。邦画では到底ここまでスケール豊かに描けなかったであろう戦後を見事に活写した壮大な叙事詩である。

好きだ、
17歳の男女のささいな日常。そして17年後に再会した2人。34歳という管理人U太と同い年の設定に、否応なく反応し、感情移入してしまう。17歳の宮崎あおい・瑛太、34歳の永作博美・西島秀俊がそっくりに見えてしまう映画のマジック。

クライング・フィスト
落ちぶれた殴られ屋の40男。少年院送りされる若者。接点のない2人の話を交互に描きながら、ボクシング対決へ向かう。本作はどちらの人物にも感情移入ができるように描かれている点が秀逸。再起をかけた2人の男の行く末に最後まで目が離せない。新たなるボクシング映画の傑作誕生。

リトル・イタリーの恋
写真だけで結婚を決め、はるばるイタリアからオーストラリアへやってきた女性。ところが、夫となるべき人物は写真のイケメンではなく、その兄で頼りない男。この仕組んだ出来事が三角・四角関係に発展。一体、どういうオチへ持っていくのか、ひたすら興味津々。とても暖かい気持ちになれる、隠れた好編。