ひらがなみたいにやさしくて
素直な娘に育てよと
しほりと名付けてくれた父
あなたの温もり忘れない
~ 以下略 ~
しほり 吉田旺 作詞 星美里 歌
「ひらがなみたいに やさしくて・・・」で始まるこの歌。15年よりももう少し前になるが、見知らぬ女性がカラオケ喫茶で歌っているのを聞いたのが最後だったろうか。
この曲がカラオケで流れることはめったにない。
が、私は冬に入ろうとする季節、不思議とカラオケで毎年一回は口ずさむ。別に理由はないのだが、自然と歌いたくなってくる。
15歳の娘が、自分の名前を「しほり」と名付けてくれた父に感謝をしている。
その名付けの父は、日本海の荒波に消えた。2番では、ニシンを焼いている母を見て、娘がその姿から母の優しさを感じとる場面が歌われている。
その2番の詩が特に印象に残る。
平成元年12月15日発売の演歌の名曲である。歌っている本人もたしかその時は15歳だったと思う。
夏川りみという歌手の名はけっこう知っている人が多い。でも、彼女のデビュー曲はわりと知らない人が多い。
ましてや、星美里などという演歌歌手はほとんどの人が知らない。
この歌が、夏川りみのデビュー曲だと、いったいどれくらいの方がご存知なのであろうか。
彼女はこの1番の詩にもあるように、この歌で高校一年生の時に演歌の期待の新人としてデビューした。
船村徹という演歌の作曲家に歌のレッスンも受けたらしい。
デビュー名は星美里。今から思うと、実に不思議な演歌少女である。
この「しほり」は演歌なのか、歌謡曲なのか。カラオケ喫茶の仲間と店内で論じたのも今は昔。
演奏を聴くと、伴奏と間奏にピアノがきれいに入っている。
が、楽団によってはそのピアノが他の楽器に代用されている場合がある。残念なことではあるけれど。
この歌をたくさんの女性の方に歌ってほしいと心から思う。
人間の優しさをこのようなメロディーで歌った演歌というのはあるようで、実は案外少ない。
こういう歌が好きだというのは、いささか古いのか。それとも今の時代、話題にすること自体がおかしいのかはわからない世の中になってきた。
それでもやっぱり歌っていきたいとは思う。
「童謡唱歌歌謡曲など(14)しほり」