宋代に珊禅師という禅僧がいた。地方官庁と常に往来していて、有名な禅僧だった。
丘浚という名前の下級役人がこの日、彼の寺にやってきて、珊禅師に面会を求めた。しかし、珊禅師は傲慢な態度で、坐ったまま動かず、全く相手にしなかった。
ところが、しばらくして、ある軍関係の役人の息子が来たという知らせを聞いたとき、珊禅師はあわてて立ち上がり、お辞儀をしながら迎えた。
丘浚はおもしろくなかった。そこで、その軍関係の役人の息子が帰るのを待って、すぐに珊禅師に尋ねた。「どうして客の扱いがこんなに違うのですか?」
珊禅師は禅問答のように答えた。「接待しないのは接待したことで、接待したのは接待しないことだ」
丘浚は話を聞いて、杖を振り上げ、珊禅師を打とうとした。
珊禅師はさっと身をかわしながら言った。「どうしてこんなことをするのか?」
丘浚が言った。「打つのは打たぬこと、打たぬは打つこと!」
《丁聪“古代中国幽默”》
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