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人殺しによる救済と盗みによる自然保護って同じぢゃん?

2008年06月23日 | 時事
宅配クジラ肉を盗んだ容疑、「グリーンピース」2人を逮捕へ(読売新聞) - goo ニュース

「ボクらは正しいことをしたんだから罪になんかならない」といい募るあのあんちゃんの顔を見ていて,思い出したのは十数年前,アキバの裏通りで偶然出会ったオウムのニイミ被告(一審で死刑判決を受け上告中)である。そのころ彼はあの「オウムのパソコン屋,マハポーシャ」の店長(と内部で呼ばれていたかどうかは判らないが,とにかくトップ)だった。

当時……というのは,まだ松本サリン事件や弁護士一家拉致事件への教団の関与が明らかになっておらず,マハポーシャの連中に対する一般市民の認識も,せいぜい「原理にハマった珍味売りの類い」だったころだ。あの近所のパソコンショップでバイトしていた兄ちゃんに「あの連中はマジに怖いっすよ」という話を聞いた。

連中が他の店の前の路上でビラを配るのが迷惑なので(ピンサロの客引きと同じでしつこいと逆に客はその通りに来なくなる),付近の店のヒト何人かで,度を超した宣伝行為をやめるよう談判に行ったのだそうだ。ニイミは店の奥にわざわざ作ったらしい一段高くなっている台の上で坐禅を組んでいて,こっちが言いたいことを言い終えるまでじっと目を瞑ってた。そして突然目を開けて一同をにらみ回し,一言「殺すぞ」と言ったんだと。

そんときはまさかホントに人殺しだとは思わないからオレも「うーん,カルトにハマっちゃったヒトは怖いねぇ」とか言って笑っていたのだが,そのヒトニラミで海千山千のアキバ店員(当時の店員はまだ今ほど「おたく」化していなかった)たちが「結構ビビった」そうなので,事件が発覚して彼らが逮捕されたあとで「あと一押ししてたらオレ等も拉致されてかもですよね」と言う笑顔はちょっとひきつっていたもんだ。

そんなカルト教団と一緒にするなとグリーンピースの皆さんはおっしゃるだろうが、別にオレがムリクリ一緒にしているわけぢゃない。あいつらが「人類救済のためにサリンをまいたリクツ」とあんたらの「クジラを救うために泥棒をしたリクツ」はまるでなにかの縮小コピーのように相似形ではないですかと言ってるだけである。

「地獄への道は善意で舗装されている」というのはどっかの皮肉屋の箴言かと思ったらヨーロッパの古いことわざなんだそうだが,声高に正義を標榜する連中が結果としてろくなことをしないというのが洋の東西を問わない通り相場なんだよね。


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1 コメント

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Unknown (こ~ら)
2008-07-14 20:09:23
最初の報道の時になんなんだろう、この人の目の感じは?
って思ってたんですが。なるほどアレと同じだったんだ。
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