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御福餅よ,おまえもか

2007年10月31日 | 時事
御福餅:製造日表示偽装で立ち入り調査

 世の中には「他山の石」ちう言葉があって,簡単に言えば他者の誤った言行を自分の言行を顧みるための戒めとせよ,という意味で使われている。日本語のことわざで言えば「ヒトのフリ見てわがフリなおせ」というやつですな。

 創業300年を誇る老舗の菓子屋,伊勢の「赤福」が売れ残りの商品を冷凍してその賞味期限をつけかえていたとして売り場から消えたのは今月半ばのことである。時を置かずして,同じように餅をあんこでくるんだ「御福餅」が,赤福に代わって(?)売り上げをのばしている,というニュースを読んだ。

 オレはあんこを食わないので(ガキのころ寺で育ったオレはオヤツとしてイヤというほど葬式饅頭を食った。はっきり言って見るのもイヤ,あんこはもう一生分食ったと思ってる),両者の違いはわからない。Webを検索すると両者の比較ページとかもあるので興味のあるヒトはそういうところを参照されたい。

 ところが今回,その赤福に代わって売れている御福餅にも「製造年月日を偽装している」という疑いが浮上してしまったわけだ。御福餅の創業は明治16年,赤福の300年には及ばないが,それでも100年は経っている。その長い年月を生き残ったのだから単なるコピー商品とは思えないが,それでもあまりにも有名な赤福の影でナンバー2の悲哀を感じることは少なくなかったと想像できる。

 つまり赤福の事件は,言ってみりゃ赤福との関係を逆転する(まぁ逆転は無理としても改善する)千載一遇のチャンスだったはずぢゃないか。それをみすみすふいにするなんて,まったくなにをやっておるのか。別に応援してたわけぢゃないが(だからあんこは食わないんだってば),こういうのを見ると他人事ながら苛々する。

 書かなかったがオレ,赤福の方が明るみに出たとき,既に「ああここは『白い恋人』の件を『他山の石』とできなかったのだなぁ」と思ったんだよね。ひょっとして「他山の石」とか「ヒトのフリ見てわがフリなおせ」ちうのはもはや死語なんか,と。今からでもおそくない,似たようなことをしてる全国の食品関係業者のみなさん,くれぐれも「うちは絶対バレないようにできる。それがウチの『他山の石』の使い方」とか思わないように。


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