このブログにお立ち寄り下さり、ありがとうございます。
(思いがあり、今日(2021.1.16.土曜)付に変更します。)
今回は「岐阜県大垣市、大垣競輪場のスタンド整備等に35億円 !?」について、ブログ投稿をします。
内容が奥深いため、長文になって、申し訳ありません。
もし良ければ、最後までお付き合いいただけると、幸いです。
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まず、大垣競輪がどのようなものであるか、概況は、例えば次のホームページなどでご確認いただけませんか。
次に、大垣市における競輪場整備構想は、インターネットで、例えば「大垣競輪」「整備」で検索すると、いくつかの結果が表示されます。
例えば「大垣競輪場施設再整備計画基本構想」はこちら。
この内容を読むと、簡単に言うと、本場開催時の来場者が少なくなったため、スタンド整備をして観客を呼ぼうとする事業のようです。
聞くところによりますと、この計画、総額なんと35億円規模とのこと。
ひぇ~~
私見になりますが、いま著しく減少した本場開催場の来場者増加を狙う大垣競輪場のスタンド整備はリスクが大きすぎる=時代の推移に合わないだろうということを、これから、いくつか気になる資料やヒヤリング情報を使って、内容を紹介していきます。
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ところで、競輪は昭和~平成~令和の時代の流れの中、盛衰した事業です。
実は、我が家(私)は競輪のおかげで今日の生活があると言って、全く過言ではありません。
しかし、競輪の恩恵を受けた私は、今の競輪事業を次のように考えます。
この令和の時代、娯楽が多様化し、また、経済的に厳しくなった人が多い中、競輪を本場で観戦する観客は著しく減り、競輪ファンの楽しみ方がインターネット投票に移行する中、本場のスタンド整備(特に入場者が激減している中、観客席の整備)を進めることは、財政面で危険性をはらんでいるように考えます。
大垣競輪への入場者の推移は、上記資料によれば、次の通り。
上記は少し古い資料ですが、平成29年(2017年)、入場者数は1日あたり1,500人未満となっています。
きちんとした資料を提示できずに申し訳ありませんが、競輪が賑やかであった時代は、最低5,000人程度の入場があったように記憶しています。
その頃に比べ、入場者は数分の1に減っています。
昔は今の数倍の入場者があったことは、全国各地、同様です。
このブログの中程に青森競輪の資料を用いて、全国平均を見ても入場者が減少しているという社会情勢を紹介しています。
ちなみに、下記の業界紙情報では、大垣競輪では最高観客者数=昭和46年に38,083人とのこと。当時は大盛況だったようです。
(追記補足:この38,083人は「蜜蜂~蜂蜜」と
(追記補足:この38,083人は「蜜蜂~蜂蜜」と
いう口調で覚えやすいですね。。。)
昔は競輪事業でかなりの収益を上げ、その収益で地域貢献してきた、と言われます。例えば、学校建設など。そのため、大きな収益を上げてきた、大垣競輪場を管轄する大垣市役所の事業課は、所内で大きな振る舞いをしてきた、とも聞きます。
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では、ここで、比較的最近の全国各地における競輪場の事業状況を見てみましょう。
経済産業省のホームページに次の資料があります。
資料名は「競輪場別チャネル別 売上・入場者の傾向」。この資料の発行元は「公益社団法人 全国競輪施行者協議会」。発行日は平成30年5月14日。この1ページ目は次の資料。
ここの中、大垣競輪を分かるようにしたのが、次の図。大垣競輪を赤紫色で表示してみました。
もう一つ、目立つようにしてみましょう、気になるコメントを赤枠で…
赤枠をつけた解説には「売上、来場者拡大施策を講じることで自場開催の売上・来場者増加の可能性がある」と記載されています。
この解説などにそそのかされ、大垣市が大垣競輪場の大型設備投資を計画しているように思えてなりません。
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では、ここで、別の競輪場の事例を見てみましょう。青森競輪(青森競輪場)です。先ほどの図では、大垣の斜め下に位置します。見にくくて申し訳ありませんが、先ほどの図で青森競輪を青枠で示してみます。
青森競輪の事業見直しについて、詳しい資料があります。
インターネットで検索すると、例えば、次が検索結果で表示されます。
資料名は「青森競輪事業の現状」。発行元は「青森市財務部競輪事業所」。発行時期は平成27年6月。
興味深いのは、上記資料の1年前の資料。
資料名は「青森競輪事業の現状」。発行元は「青森市財務部競輪事業所」。発行時期は平成26年6月。
こちらの1ページ目。
この中で興味深い箇所を、赤紫色で「マーク」しますと…
「一宮競輪場」が「場外車券売場化」と記載されています。
一宮競輪場=東海地方にあった競輪場。
実は、愛知県一宮市の一宮競輪場が本場開催を廃止しています。(このことは大垣競輪場のスタンド整備を考える上で「他山の石」となります。後で詳しく紹介します。)
では、青森競輪の先ほどの資料を見てみますと…
例えば、「賭博罪」にあたる行為が競輪で実施できる背景として、次のように紹介されています。
次に、青森競輪の売上の推移はこちら。
青森競輪(および全国平均)の入場者数の推移はこちら。ここでは、青森競輪と全国平均の比較でなく、経時変化を見ておきたいです。平成の主な期間(平成3年~平成25年)で全国平均を見ると、この資料に記載された期間での来場者数は、計算してみると、5分の1以下の17%までに減少していることが分かります。
全国的に、お客さん=競輪ファンが競輪場に来られなくなってきていることを示しています。
競輪場の入場者数の減少理由として、いくつか考えられます(私見)。①娯楽の多様化、②家計の厳しさ(個人が公営ギャンブルで遊ぶことの縮小)、③競輪ファンの高齢化(若い世代が入場しなくなってきている=これは先の大垣競輪場の資料でも分かります)、④競輪の投票のインターネット化、など。
お話を戻し… 上記の青森競輪の検討資料では今後のあり方を次のようにまとめています。
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では、ここで、青森競輪の検討資料で気になったページを再掲します。
図中の赤紫色で注記表示した、一宮競輪場についてです。
一宮競輪(一宮競輪場)の末期について、きちんとまとめられた公的資料をインターネットで見つけることができませんでした。
そこで、ここではまず、Wikipediaの情報を見たいと思います。下の写真のような枠をクリックすると「一宮競輪場」の一般的な情報が見られます。
次に、突然で恐縮ですが、昔、競輪予想業(いわゆる「予想屋」)を営まれた人から聞いた話を紹介します。この人は、今から10年ほど前まで、約50年間、名古屋・一宮・岐阜・大垣の各競輪場で競輪予想を営んできました。
その人いわく…
一宮競輪場の「晩年」前、スタンド整備をして入場者が増えたそうです。
しかし、その後、追加でスタンド整備を行ったものの、時代の変化で来場者が減ってしまったそうで、採算が合わなくなり、一宮競輪場の本場開催を廃止した、とのことです。
この旨をきちんと記載した資料を見つけることはできませんでした。
しかし、一宮競輪場の廃止に関する一般的な情報としては、例えば次のホームページを見つけることができました。
日本経済新聞の記事(2013年6月)より
「ハロ~いちのみや」記事より
廃止された一宮競輪場の跡地利用について、平成30年に跡地利用計画が進められたようです。
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一宮競輪場以外にも、時代の流れで競輪は盛衰し、かなりの競輪場で「廃止」に至ったとされています。
次のWikipedia情報の下の方に、廃止または休止になった競輪場が紹介されています。
参考に、2021年1月11日(月曜祝日)10時28分時点の情報を掲載します。
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以上より、一宮競輪場の廃止を参考にすると、大垣市が大垣競輪場で総額35億円の設備投資、特に観客席のスタンド整備を行おうとすることは、財政面でかなり危険性がある「賭博」と思えなくもない事業計画と思われます。
この設備投資をした後に大垣競輪場の収益が好ましくなくなった場合、一般会計から借金を返済する、などという、バカげた事態が起こる可能性があります。
そこで、時代の流れをきちんと受け止め、少なくとも大垣競輪場の観客席のスタンド整備などは行うべきではない、ということが、競輪を間接的に見てきた私の意見になります。
この私見は、単に競輪事業の採算面から論じただけで、競輪=公営ギャンブルの良し悪しについては、今回の検討に含めておりません。
公営ギャンブルが関係する社会的影響=良し悪しを含めて考えますと、少なくとも大垣競輪場については、この置かれている環境も含めて(=大垣競輪場のすぐ前に、小学校、中学校が設置されている)、大垣競輪場の今後の方向性を考えるべきと考えます。
設備投資のお話に戻しますと、競輪予想業、いわゆる「予想屋」を長年行ってきた人も、いまの時代の流れ、そして一宮競輪場の廃止を振り返ると、これからの大垣競輪場の設備投資は合わない事業で「やめとき~」と言います。
この私見は、単に競輪事業の採算面から論じただけで、競輪=公営ギャンブルの良し悪しについては、今回の検討に含めておりません。
公営ギャンブルが関係する社会的影響=良し悪しを含めて考えますと、少なくとも大垣競輪場については、この置かれている環境も含めて(=大垣競輪場のすぐ前に、小学校、中学校が設置されている)、大垣競輪場の今後の方向性を考えるべきと考えます。
設備投資のお話に戻しますと、競輪予想業、いわゆる「予想屋」を長年行ってきた人も、いまの時代の流れ、そして一宮競輪場の廃止を振り返ると、これからの大垣競輪場の設備投資は合わない事業で「やめとき~」と言います。
こうした財政面で危険性がある事業=大垣競輪場の全体で35億円とされる投資計画ですが、仮に大垣市、そして大垣市議会議員が進めた場合は、賛成した議員の氏名などを長く覚えていたいものです。大垣競輪の特別会計が焦げ付き、競輪事業の範囲で借金を返済できないようになった時は、この賛成した議員たちを思い出し、ぜひその人たちにきちんと責任を取ってもらいたいものです。いま賛成する議員などを、今後、先行逃げ切りをさせてはいけないように思います。
大垣市は「文教のまち」を名乗っています。
ここはぜひ、先行き怪しい「競輪」に積極的投資をするのではなく、「教育」に、また、「医療」や「福祉」「地域交通」などに力を入れていただきたいものです。
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追伸です。(2021.1.16.土曜)
市議さんとのディスカッションでは、議論の必要な分野について、参加者から「新型コロナ禍の商店、飲食店などの現状も大切」「これまでは保守支持でも今は実際の思いは違う」という厳しいお話がありました(その後、温かいフォローもありました)。私は世間のお話で聞いていても、私自身にとっては身近な分野でなかったことを強く認識しました。これからはこうした分野も大切に考えていきたいです。
競輪場問題については、市議さんとのディスカッションの後、昔、競輪予想コンサルタント(簡単に言えば「予想屋」)だった人に、愛知県一宮市の一宮競輪の衰退の経緯を「解説」してもらいました。
スタンド増設後、しばらくは良かったものの(ここまではブログ記載済)、その後、将来の運営=財政面に危険性を感じた、尾張の競輪組合の市町(一宮市以外)が運営から離れ、財政面を一宮市単独で対応せざるをえなくなり、その後、審議を経て、一宮競輪が廃止となったようです。
尾張の競輪組合については、当時の正式名称は「尾張七市三町競輪組合」だったようです。
日本財団さんのホームページに貴重な記事があります(このブログではリンクのみ紹介します)。
詳細は、下記「第5回 経済環境小委員会会議録
平成16年1月22日(木)一宮市・尾西市・木曽川町合併協議会」が参考になると思います。
少なくとも、上記の17ページ下から18ページ上に、記載があります。
その箇所を画像で紹介します。
全体的なまとめになりますが、自治体が競輪を撤退することを決める場合、競輪選手、職員(窓口、事務など)、警備員、売店の店員などの処遇について、なかなか大変な対応になりそうです。
(追記はこれまで)
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以上の情報が、今後の大垣市政を考える参考になれば、幸いです。
お付き合い下さり、ありがとうございました。
Merci beaucoup ! par Wozéqui - soleil