韓国外相が来日し、関係改善へ元徴用工問題協議を行うようだ。両政府高官が話をするのはしないよりは良いのだろうが、実際には”両国の未来志向を確認”・”協議を継続”との合意を上回る成果は期待できないと予想する。
”徴用工問題”に関しては単刀直入に言えば、①金銭的には1965年の日韓請求権協定で解決済み②道義的には日本政府が謝罪は必要の2点と考える。
ただし、日本人でなくてもごく普通の発想と思われるがこれまでの日韓関係の経緯を鑑みれば誰でも考え付く疑問が2点ある。
①”徴用工問題”に対して日本政府が謝罪したとしても、「心よりの謝罪ではない。」「真摯な謝罪ではない。」という韓国での評価となり、謝罪は今度も受け入れられないのではないか？
②”徴用工問題”に対して合意したとしても、かって”従軍慰安婦問題”であったように韓国の政権が変わったらその合意は無力化されるのではないか？
韓国の大統領であった人物が死んだときに光州事件に関しての謝罪が受け入れられなかったという印象的なことがあり、度重なる日本政府の韓国への謝罪が受け入れられなかったことを鑑みれば、また謝罪しても受け入れられないのでは？と考えるのはごく自然な思いつきのように思える。
勿論、日本の韓国に対しての”謝罪”を無力化しようとする日本の言論があることは承知しているが、日本に言論の自由がある限り政府の見解とは異なるいろんな意見が出るのは当たり前であり、政府の見解と異なる意見が表出されるということにて「心よりの謝罪ではない。」「真摯の謝罪ではない。」として受け入れないということはおかしい。日本政府が公式に今までの韓国への謝罪を無力化したことはない。
”従軍慰安婦”問題に関しては、2015年の慰安婦問題日韓合意での韓国で設立された財団が解散され、これは明らかな韓国政府による合意違反である。
ごく普通の人間でも抱くことが安易に予測できる上記2点の疑問を不思議なことは韓国大手マスコミが提起しないのが不思議でならない。思いついてはいるのだがそれを言えば韓国内で袋叩きになるのを知っているからだろうか？
ここまでこじれた日韓関係についてはもう、その時の政府同士の”合意”では解決しないように思える。その当座は沈静化したとしてもまたぶり返すことの繰り返しが目に見えている。そこで解決策は一つしかない。”日韓友好確認条約”のような成文条約を作り両国の議会で批准するのだ。
内容は主に以下
①1965年の日韓請求権協定で”徴用工問題”・”サハリン残留韓国人問題”を含むすべての請求権については解決済みと確認
②2015年の慰安婦問題日韓合意にて”従軍慰安婦問題”はすべて解決済みと確認
③日本が韓国への過去の植民地支配につき再度総理大臣名で謝罪し、日韓の歴史問題についてはすべて解決済みとする。
④旭日旗等の文化的内容についても韓国政府は今後一切問題にしない。
⑤福島汚染水問題等はあくまで科学的事実のみを根拠として解決する。
成文条約と批准ということがキモである。しかし実際にはこのようなことは政治的に不可能で結局今後も日韓が永遠に喧嘩をするより他はないだろう。
もしこのような成文条約が成立したとしても竹島問題は解決の方法がない。（最近、関東大震災時の朝鮮人虐殺問題への補償ということも提起されている。）
つまり日韓関係改善に努力することは永遠に不毛である。
（2022/7/16）
