every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

BASIC CHANNEL STYLE

2009-07-24 | DUB

所謂ミニマル・ダブへの考察。

元々先日のSCION@UNITへのレポートを依頼され書き進めたモノ。

論考がカルピス並みに甘く、文章としてもまとまってないが、掘っておくとお蔵入りにしてしまうので、公開する。

まぁ、個人BLOGだし…


ミニマル・ダブはレゲエ/ダブとハウスの間に生まれた。



元々レゲエに強い黒人音楽専門レコード店がセカンド・サマー・オブ・ラヴの余波を受けて世界一のテクノ/ハウスのレコード店となったHARDWAX周辺から生まれたというのもその物語を補強する。


しかし、多くのミニマルダブはレゲエから離れ、ハウスの土壌で育った(さらに言えばレイヴ・アシッドハウスの影響はやはり大きい。特に活動初期。)。

過日6月19日に来日したSubstance & Vainqueur=Scionのパフォーマンスなどはまさにそうだろう。



過去何回か行われたベーチャン周辺のアーティスト公演とは違い、この日のUNITにはドレッドの姿は見かけなかった。

ニュールーツ・ダブとの共振はなかったのである(ニュールーツとテクノの共振はダブステップに引き継がれているだろう)。

『Arrange And Process Basic Channel Tracks』をコンパイル、ミックスを手掛けたふたりらしく、PeteがDJでも回した"Maurizio"のようなオーセンティックなミニマル・ダブを披露する。

しかし、ここで特筆すべきはパーティも終盤に差し掛かった際にReneがフロアに投げかけた「Star Dancer」のようなテクノ・クラシックだろう。

ダブの響きやアンビエンスだけではなく、なによりグルーヴが肝なのだといわんばかりのプレイだ。


一方、先日ageHaでTIKIMANをフィーチャーしたライヴを披露したDEADBEATは最新アルバム『Roots And Wire』(Wagon Repair)が示すように積極的にルーツ回帰を示す。

Burial Mixに敬意を示しTIKIMANとのコラボレーション・ライヴはダブの響きやアンビエンスを突き進める。



Burial MixやTony Allenとの仕事で土のぬくもりへと回帰していったMoritz von Oswald and Mark Ernestusと対照的にコンクリートの冷たい壁へそのディレイを反響させる。

昨年のUNITでのパフォーマンスを発展させた『Vertical Ascent』は折からのアフリカ回帰(Tony AllenのRemixに顕著)にジャズへの憧憬(これはサポートのふたりのものか?)が垣間見れ、最早ひとつのジャンルとして独立しつつある"BCフォロワー"のスタイルを更新させている。

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