うぃんぐゆっきぃ~☆

帰ってきたゆ。の日記

クラウドの象徴 セールスフォース

2009-11-29 | Weblog
やばい、セールスフォースの株買いたくなってきたw





クラウドの利点はコストメリットや開発期間短縮の他に「作り変えやすさ」ってのもあるらしい。
これがどういうことかと言うと


●これまでの一般的なシステム開発
事前にシステムに必要な要件定義をしてして、それを基にシステム化を実施するんだけど、このときにハードウェア・ソフトウェアともそれなりの投資が一気にかかるんよね。
で、実際に作ってみて期待通りのものであればいいんだけど「期待してたのはこんなんじゃない!」というのが往々にしてあるのもまた事実^^;
使えないから破棄するにしても投資額が大きいのでなかなか難しいし、かと言って修正するものまた追加コストがかかる・・・


●クラウド利用のシステム
既存の部品を組み合わせてシステム化をするので、修正等がかなり楽。
これを利用して「まず作る→ユーザに使わせる→コメントを吸収して修正→また使わせる・・・」とプロトタイプ開発の理想系のようなことができる。
また、利用料金が月額払いで初期コストが小さいので思ったような効果が出なければ簡単に撤退できる。


要はシステム要件定義が"事前で決める一発勝負"なのか"現物を見ながら少しずつ決めていく"なのかってことなんですが・・・この点でおもしろかったのが、本で紹介されているクラウドを導入した企業が「要件定義なんて作る前からできるわけない」って言ってることですね。
つまりモノが無い状態で要件なんてびしっと決められるもんじゃない、と。


現場でシステム開発やってる人なら一度は経験したことあると思うんだけど、確かにユーザ側/SIer側それぞれに起因して当初の要件なんて開発期間中からころころ変わるのが常でして^^;
さらに開発の終盤で実際に使う実作業者を巻き込んだ総合試験のときなんてシステムで提供する機能以前に「画面の文字の大きさが気に入らない」とか「会社のロゴの位置はあと1cm右」とかそんなレベルから言われますからね~。


こういう要件の変更って家を建てるのに例えると外装が出来上がった段階で東側に付いてた窓を西側に変えてくれというくらいのインパクトがあるんよね。
提供側のエゴかもしれないけど、その辺まで鑑みて変更要望出してきてるのか?といいたくなることがしばしば(/ω\)
まぁもちろんユーザ側にも言い分はあるわけですが・・・要はITシステム導入で一番の成否を握る要件定義、すなわち「どう作るか」を事前に決めるのは(業務プロセスやそれに対するIT導入目的の明確化が弱い日本では特に)難しいってのが現実だと思います。


こんな現実に対してクラウド利用型は一度構築したシステムの修正が簡単なのを活かして"作りながら変えていく"が可能なわけです。
つまり、トライ&エラーで「ここをもっとこうしてくれ」といった要望に簡単に応えられるわけで・・・これは当然ユーザが真に望むものを提供しやすくなるよね。
しかももうちょっと踏み込むとこの修正作業自体ユーザ側にやらせることが可能・・・つまり「ある程度は作りますんであとはお客さんの使い良いように変えてくださいよ」みたいなことも可能、と。


これはシステム開発におけるパラダイムシフトって言っても過言じゃない気がしてます。
これまでは"事前の要件定義"と"ユーザが真に望むもの"の間にどうしても差異があり、それを埋めるために様々なコンサル技法や開発手法が研究され現場に導入されてきたけど、どれも一定の効果はあるけど決定的じゃなかった、と。
これに対してクラウドのアプローチは「そもそもそんな差異はあって当然」として、ITシステム導入の弱点であった"変更・修正のしにくさ"を改善することで対応した・・・上の例えを使うと"外装作った後でも窓の位置を変えられるようにした"ってことですね。


なのでゆ。はこの本を読んで「クラウドは今後のITシステム導入の、特に要件定義フェーズにおける考え方を根本から変えるもの」になるだろうなと考えるようになりました(ぉぉ


とは言うものの、クラウドの考え方というか仕組みはSaaSやASPという言葉でこれまでもあったものでクラウド自体が斬新なコンセプトでは無いんだけどね^^;
実際にはサーバ仮想化やネットワークの広帯域化が進んでようやく現実にSaaSを提供できるインフラが整ってきたところで、セールスフォースのような企業が出てきてクラウドをビジネスとして成立させたというふうに捉えてます。
要素分解すると"クラウド普及=インフラ進化+SaaS等コンセプト"って感じですかね。
なので前述の"パラダイムシフト"も実はクラウドが、というよりは細かく言うとインフラ技術の進化がもたらしたというほうが正しいかも(ぉ


・・・話がちょっと逸れてしまいましたが、クラウドによるパラダイムシフトにって特に日本のITシステム導入は大きくインパクトを受けると思う。
前述で括弧書きもしていますが、日本は業務プロセスやそれに対するIT導入目的の明確化が苦手なので要件定義と真に望むものを一致させることがかなり難しい背景があります。
でもクラウドの導入でその作業をすっ飛ばせるとなると・・・その効果は絶大だと思います。


なのでゆ。はクラウドは特に日本で流行るんじゃないかと推測しています。
新ソリューション導入のときに気になる実績もこの前ブログに書いた経産省のエコポイントのシステム以外に、日本郵政やみずほ総研のような大企業の導入事例がこの本で紹介されてるのでこれらも促進材料になるんじゃないかと。


てかあれですね、日本オラクルみたいにセールスフォースの日本法人が株式公開してたらポートフォリオの50%を傾けてもいいような(!)
・・・まぁそんなのは7が許してくれないと思うけど(/ω\)


もちろんセールスフォースのクラウドにも弱点があるらしく、例えばスケジュール機能や他ソフト/システム連携がイマイチ等の部分が紹介されていました。
あと、クラウド一般に言えることとして導入にはセキュリティ面の課題があることなんかも挙げられています。
また、現状は企業の基幹系システムには向かないといったようなマイナス面についてもしっかり書かれていました。
そういった意味で冷静な分析もできていて単なるセールスフォース礼賛ではない良い本だなと思います^^


と、ここまでクラウド=セールスフォースみたいな書き方をしてきましたが当然他の企業もクラウドサービスの提供はしています。
ただ、SaaSとしてのクラウドで世界で最も成功しているのがセールスフォースなのであまり書き分けずにクラウド一般の特徴として書かせてもらいました^^;


てか、また長文で失礼しましたm(_ _)m
今回は2900字・・・

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直った!

2009-11-27 | Weblog
先日から出ていたBleuScreenですが・・・


直ったよヽ(´ー`)ノ


最初は何かの装置故障で交換が必要なんだと思ってたんですが、どうやらcookieに関する何かが異常だったようで。
IEでcookieのクリアをしたら再発しなくなりました^^
原因はよくわかりませんが・・・おそらくcookieに関するファイルを格納しているディスクにパリティエラーか何かあったんじゃないかと推測してます。


や~、我ながらよく気づいたと自画自賛w
BlueScreenで止まるときは日経BPとかセッション管理にcookieを使うサイトを見ようとしたときだったし、復帰後はなぜかニコニコ動画の履歴(これもcookie管理)が真っ白になってしまうので「もしかしてなんか変なごみファイルが残ってる?」と思って綺麗にしてみたらビンゴだったんよね^^
トラブルが発生する事象を集めて共通点を探し原因解析をする・・・普段仕事でやってることが役に立ちました(ぉ


てか、これから年末年始の出費のかかるときに余計な支出しなくて済んだことが実は一番嬉しかったり、と(/ω\)
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「改革」はどこへ行った?

2009-11-26 | Weblog
ほんと、どこへ行ったんでしょうねぇw



竹中平蔵氏の評価は賛否両論あるかと思いますが、ゆ。は結構支持してまして^^;
物事の本質について「○○だから××になる」としっかり明言しながら語られるのでとってもわかりやすいなぁ、と。
この本も読みながら「あ~、なるほど。確かにそうやね。」と思うことが多々。


あと、特に最近顕著な感情論で政策を評価する流れに対してきっちり数字で反論してるところとかもゆ。的にとっても支持できます。
例えば小泉・竹中改革で格差が広がったとよく言われますが、これに対して2009年度の経済財政白書のジニ係数を使って「むしろ格差が広がるスピードは緩やかになった」としています。
こういうデータを示されると感覚で「格差が広がった」と言われるよりずっと納得できると思うんよね。


でも・・・その論理展開の根拠についてはたまに「?」なときがあるので検証が必要なんだけどね^^;
書中「かんぽの宿」売却問題については、過去に郵便局の保険部門が約2000億かけて作ったものをオリックスに約100億で売却しようとして問題になってるんですが、この本ではそもそも100億の価値しかないものを2000億かけて作ったことが問題だと指摘しています。
ここでかんぽの宿の簿価が約120億なのでこれをそのまま資産価値と捉えればこの論理はあってるんだけど、一方で固定資産税評価額は約850億なので、これを100億で売るのはおかしいということになります。
まぁ3200人の雇用と毎年50億の赤字を垂れ流している事業を買い取るんだから多少のディスカウントはあってしかるべきだと思いますが。
※ゆ。はこの辺よくわかってないんですが・・・一般に不動産の取引では簿価ではなくて固定資産税評価額を使用するのが多いらしい。


なのでかんぽの宿については「850億のものを2000億かけて作っている」ことと「その850億のものを100億で売ろうとしている」ことの2点が問題になるんだろうと思います。
文中、100億の根拠を簿価とは書いてないんだけど、通常固定資産税評価額を使うのであればそちらを書くべきだったかなぁ、と。


てな感じで何も考えずに氏の意見を100%信じているわけではないんですが・・・でも何事にも論理と数字の裏付けで語るってのは重要だと思うんですよ。
前述の格差論議にしろかんぽの宿問題にしろ「これを根拠にこう考えている。だからこの政策を実施するんだ。」と論理と数字を立てて考えると後から効果の検証ができるんよね。
政策が上手くいけばいいんだけど、仮に間違っていてもなぜこの政策を打ったのかが明確になっていれば「どこの論理展開に矛盾があったのか」「どの数字に誤りがあったのか」を省みてすぐに軌道修正が可能になる、と。
これが感覚的な判断だとその時その時の"心のさじ加減"で決まってしまうから迷走しやすいんじゃないかと考えています。


この辺、昨今の状況として有名なブログであるおかねのこねた : 豊かで、健康で、活動的な、人生のために (春山昇華)の一文をお借りすると

日本では政治的な決断をする際のモノサシ・判断基準が、
From: 正しいか/間違っているか、 経済合理性が有るか/無いか
To: 好き/嫌い、 可哀想/憎たらしい
という方向に振れているように思う。

というように物事の判断に感情の要素が多く入るようになっているようにゆ。も感じてます。
そんな中で竹中氏のように論理と数字で語る人の意見は耳を傾けるに十分値すると思って新聞や雑誌のコラムがあると立ち読みしたりしてます^^;


まぁ論理的な行動はやもすると人間味の無いドライな印象なので「頭ではわかってても、ねぇ・・・」みたいな感覚を持たれて大人数の支持は受けにくいのかもしれないけどね。
みんながみんな合理的な判断で行動するわけじゃないのもまた真実なので^^;
ただ、それでも政治のように"判断の集大成"みたいな仕事ではこういう役割の人が絶対必要だと思うんよね~。
(ちなみに政治じゃなくても組織を動かすのにはこんな論理的なタイプの人ともう一つ、希望やビジョンを語る熱い人が必要だと思うよ^^)


・・・と、またチラシの裏レベルの駄文で失礼しましたm(_ _)m
てか、2000字とかマジで書き過ぎだから(/ω\)
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通勤に往復5時間超・・・

2009-11-25 | Weblog
今月は仕事の都合でいつもと違う勤務地になってます。
ここが遠くて・・・毎朝5:30起きです(つД`)
で、5:50に家を出て9:00くらいにようやく勤務場所のビルに到着。

帰りも21:30に出て着くのが0:00過ぎ。
そして翌日5:30に起きて・・・


めっちゃきついよ!!


何回か書いたことあるように睡眠時間短くてもある程度耐性あるほうなんで数日なら大丈夫なんですが、さすがに続くと頭痛が・・・(つД`)


まぁ終わりは見えてるのが救いなのでなんとか頑張りたいと思います^^;
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時代がゆ。に追いついてきたってことですね(!)

2009-11-24 | Weblog
Badminton Academy

バドミントンにおけるスキルからメンタルや哲学まで語られてます。
情報量が多いのでかなり読み応えがあります。
ちなみに書いてるのはインカレでベスト16まで勝った人のようで・・・ここまで上り詰めた人ならおそらく間違ったことは書いてない、と思われます^^;


ちなみにこの中にシングルスの脱力って記事があったので読んでみたんですが・・・


これってゆ。のことじゃね?w


ゆらゆら構えてできるだけ体力温存しつつ特定の方向に体重をかけないことで全方位に動けるようにしておく・・・確か大学3年くらいのときからやってるんですが^^;
もしかしてゆ。はかなり先進的な戦術を使ってましたかね~?(ぉぃ
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ぎゃあああぁぁぁ

2009-11-22 | Weblog
恐怖のBlue Screen((・ェ・;))ブルブル





書いてあるのは


*** Hardware Malfuction

Call your hardware support vendor for support

*** The system has halted ***


要はなんかの装置が壊れたらしい・・・買ってまだ半年なのに_| ̄|○
とりあえずまだwindowsの起動自体はするので今のうちにバックアップ^^;
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できれば分散して送っていただけると(ぉぃ

2009-11-21 | Weblog
7実家から届いたりんご^^





なんでも去年から"りんごの木"を買ってるらしく、100個以上の収穫があるらしい^^;
そのうちの一部がうちにも届いてるわけですが・・・


腐る前に18個食べるのがしんどい(/ω\)


ちなみに去年はこの倍、36個が届いて処理に困りましたw
結局30個分がりんごジャムにしたんですが・・・今年はどうしようかな?

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ジュニア指導って難しいんだよね~

2009-11-20 | Weblog
ゆ。の定例巡回ブログのひとつ^^
ことバド。コーチ日記
以前にも書いたことある北海道でジュニアの指導してる人ですね。


で、このブログの中で北海道の指導者講習会でのコメントについて書かれてたんですが


日本のジュニアナショナルでの様子について、

男子コーチ:リオニー・マイナキー
女子コーチ:金 善淑

により、インドネシア流と韓国流の2流派(?)の教えが日本のジュニアに伝わっているところで、この二つはそれぞれに違いがある。

インドネシア流:両足着地、両足ジャンプ、バック側の球の処理にバックハンドを多用、面の作りが上手くレシーブがどこに返るか読めない、

韓国流:片足(利き足)着地、利き足を前へ放り上げる、バック側の球の処理はもぐりこんでラウンドで打つ、




・・・両足ジャンプで片足着地のゆ。はどうしたら(/ω\)



と、相変わらず亜流なプレイスタイルですいません^^;
フォームとか打ち方とか何一つ"正しい"形ができてない・・・これでよく今までやってこれたものだ。
特にバックハンドなんてほとんど飛びませんからね(/ω\)
バック奥に追い込まれてもハイバックが使い物にならないので、レディースのおばちゃんがよくやる上体を思いっきりひねって腕全体をしならせて打つやり方で逃げてます。
(テニスのバックハンドの打ち方、と言うと伝わりやすいかな?)


まぁどうしてこうなったのかは何となくわかってるんですが。
というのも実はゆ。はバドミントンを始めた頃にフォームとか教えてもらったことがないです(!)


ゆ。がバドミントン始めたのは中学1年の7月からなんですが、この"7月"ってのかなり微妙で、周りは4月下旬に入部して最初の2ヶ月くらいでフォームとか基礎的なことは教えてもらってるんよね。
で、7月くらいになると素振りやフットワークでそれを固めていく時期なんですが、ちょうどそんな時期に野球部からお引越ししてきたので・・・見よう見真似で素振りの列に加わってたら今のフォームの"原型"が出来上がった、と(/ω\)


その後、社会人になってからトリッキーパンダース(旧NTT西日本)の講習会で正しいバックハンドの打ち方とか学んだこともあるんですが、「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので19年続けた打ち方はなかなか直りませぬw


まぁゆ。と将来の日本のエース達が同じにとは思いませんが、それでも多少なりともジュニア指導ってのはその選手の方向性を決めてしまいかねないのですごい難しいんだろうな、と。
なので、たまに市代表の練習でジュニアと一緒にやることがあって「一般の代表はジュニアの練習相手もしてやってくれ」と言われるんですが、先に書いたように自分のフォームがひどい&その子の将来を考えると適当なことは言えないので「や~、自分無理っす^^;」と言いながら逃げ続けてます(ぉぃ


てか、日本の男子ジュニアの指導がインドネシア流なら・・・将来はヒダヤットばりのバックハンドスマッシュを打つ日本選手が現れるんじゃないかと超期待(!)
個人的にはインドネシア流のほうがスーパープレイが出やすいと思うので観戦する立場としては将来このタイプのプレイヤーが増えるといいなぁ、と^^


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発想は良い、が・・・

2009-11-18 | Weblog
いま民主党がやってる「事業仕分け」について、ゆ。は結構興味を持って見てます。
8月の選挙のときから予算に無駄がある/ないを今までずっと議論してきた中で「じゃあ1つ1つ見てみましょうよ」って動きは良いんじゃないかと。


ある予算案について第三者のチェックが入るというのも予算の過不足を防ぐ上で大変効果があると思ってます。
なのでゆ。的には事業仕分けの着眼点自体は評価してるんですが・・・


やり方がまずすぎる(/ω\)


ゆ。がこれじゃダメだろ、って思うのは主に3点。

①全部の概算要求案が審議対象になっていない
②判断基準が示されていない
③まず削減ありきの議論

まず①ですが、今回の仕分け対象は財務省が事前に選定した事業が対象でなおかつ議論のポイント集みたいなものも財務省で準備しているらしい。
これって議論の対象も議論の方向性も財務省フィルタリングがかかるってことですよね?
現実問題として「カネを取り仕切る所が強い」ってのは仕方ないところではあるけどプロセスとしてそれを防ぐ仕組みが無い、というか増長するようなことしたらいかんでしょ。


なので民主党が言うように「予算の無駄を徹底的に見直します」なら全部対象にしても問題無いし、それで時間がかかるならそれはそれで仕方ないと理解を得られると思うけどな。
後者のポイント集も予算を得たい各省庁と予算を削りたい財務省両方で作ったものを見比べる形にすれば公平な議論ができるんじゃないかと。
裁判でも検察と弁護士という双方の意見が必ず比較されるように、大事なことを決めるのであれば対立する意見をフラットに並べて検討する必要があると考えます。


次に②ですが、仕分ける上での判断基準が無いので結論に納得感が得られないってことです。
物事を判断するには基準が必要なのは当たり前なんですが、仕分け作業を始める前に明確な基準が無いので仕分け人の感覚で判断してるなぁというのが正直な感想です。


個人的にはITに携わるものとしてスパコンの開発予算の削減は衝撃だったわけですが、その議論の方向性が「必ず1番でなくてはならないのか?」とかよくわからない展開でとっても残念な気持ちに。
ここで予算に対して妥当かを議論するのであれば「アメリカは○○ドルの費用をかけて△△FLOPSの性能を出せるのに何で日本は□□円をかけて××FLOPSの性能しか出せないのか!まさかテキトーやってんじゃないだろうな?!」といった指摘だと思うんですけどね。
※FLOPSは理論演算性能の単位でスパコンの性能を示す値


ただ、その上で「予算削減=撤退」なのか「効率化を見直させるけど事業自体は継続」なのかは国家戦略にかかってくることだから仕分け人がぽーんと判断するような内容ではなく、仕分け作業の前に民主党が「日本の科学技術振興はこうあるべし」といったものを示さないと判断できないんですよ。
先のスパコンの例で言うと、仮に外国の開発費用に比べて効率が悪いとしても日本が科学技術立国を謳うのであれば単純に「じゃあ止めましょう」って判断じゃなくて「もう1回開発計画を見直して再提示しなさい」という結論が出されるはずなんですが・・・


この辺を明確にしないまま、とりあえず無駄削減を掲げて作業に入るから「日本の科学技術振興を止める気か!!」って猛反発が起こる。
仕分け人も「無駄を削ってナンボ」だから「これだけ予算削って浮かせました~」とすることがそのまま自身の評価に繋がると考えるだろうから、削っても影響が出ないor影響がわかりにくいものはバシバシ削るだろうし。
おそらく多くの人が「作業は大いに結構だがやりすぎて必要なものまで削らんようにね」と考えてたと思いますが、見事にやっちゃいましたって感じですね。


なので仕分け作業の結論として「予算はいくらにする」だけじゃなくて、スパコンみたいに国家戦略の判断が必要だけどそれが事前に明示されていないものについては「ここでは判断できない。国家戦略について明示を求める」といったように政府に突き返す結論もあったらよかったなぁ、と。
必殺仕分け人とか言われて必ず結論を出さなきゃいけないように感じたのかもしれないけど、判断できないものはできないと言わなきゃいけないと思います。


ちなみに個人的には科学技術なんかの予算は費用対効果で論じるのは非常に難しいと思います。
これまでに無かったものを生み出すのに必要なコストの妥当性なんて誰にも判断できないので。
(今まで無いものなんだから当然いくらでできるかなんてわからない)
民間の企業でも若手からの様々なイノベーションアイディアを費用対効果を論じる年長経営者が潰してしまい、結果的にその企業の成長の機会を逃してしまうってのはよく言われている課題ですから。
そういったときにはビジョンや戦略に合致するかで判断するんですが・・・この辺って民主党に一番無いって言われてることだからなぁ^^;


最後に③ですが、これは前述の①②にもかかってきますね。
要は減らすことに一生懸命で事業の人員数や規模といった表面ばかりを見てしまい、その事業が日本においてどのような位置付けでどんな背景があって予算請求に結びついてるかを問うことがほとんどなかったように見えます。
背景まできちんと見れば447も事業を見直してるのなら一つくらいは予算削減じゃなくて増額があってもおかしくないと思うんですが。
例えば「これは仕分け対象になっているが国にとっては重要な事業だ。にもかかわらずこれだけの費用で効果が得られるとは思えない。増額の必要は無いのか?」といった議論が起こったことはあるんだろうか?


以上がゆ。の事業仕分けに関して残念に思う点です。
せっかくいい発想と議論の場を企画したのに中身が伴ってない・・・もったいないなぁ、と。


まぁ民主党の政策ってどれもそんな感じに見えるけどね(!)
子供を育てやすい環境を整えて少子化対策を重視するのは人口減が見込まれる日本にとって正しい判断だと思うんだけど、それを実現する方法が子供手当てになっちゃうのもわかりやすい例かと。
(以前にも書いたけど、国は国にしかできない保育所等のインフラ整備等をやってくれ、と。)


まぁこの辺はまた後日。
ゆ。がここに書いてもチラシの裏程度の意見ですが、経済政策なんて思うところがいっぱいあるので(ぉ






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『日本のITコストはなぜ高いのか』

2009-11-17 | Weblog
近くの本屋で見つけてタイトルに惹かれたので買ってみた。
立ち読みで目次を読むと「保守契約のカラクリに迫る」みたいな内容だったので結構期待してた。


見事に裏切られたw


第1章の冒頭で「日本は世界で2番目にITに投資してるのに競争力は世界で17番目だ。それは保守費用が高いからである。」と書いてて思わず本を閉じそうになりましたw
日本のIT投資に対して効果が低く競争力が上がらないのは「過剰品質要求」「既存業務プロセス礼賛」「導入目的の不明確さ」です。
保守費用がかかるのはこれらから導き出される結果であって、背景となるこれらの問題をすっ飛ばして論じられるものじゃないんだけどなぁ。


と、開始20ページして読むのをやめそうになったんですが、せっかく買ったのに全体の10%しか読まないのはもったいな、と。
何より筆者は40年来日本のITサービスに携わってきたとのことだったので、きっと保守費用の内側(どのようにして算出されているのか、そしてなぜこんなにコストがかかるのか)に鋭く切り込んでくれるんだろうと思って最後まで読んだんですが・・・


1回でもITの保守契約に絡んだことがあれば誰でもわかりそうな内容_| ̄|○


結局この本の結論としては「日本のITサービス費用は高い。だから(筆者が経営する)日本サードパーティの保守外部監査を利用して低減しましょう」ということらしい。
読み終わった直後の感想は「あ~、200ページかけて企業の広告だったのかぁ」と。


や~、久しぶりに得るものが無い本を買ってしまった^^;
まぁたまにはあるよね、自分にとってハズレな本を買っちゃうことも。

※とりあえずお勧めじゃない本はいつもの表紙イメージは無し(!)
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